筋力トレーニング(筋トレ)という言葉は、今ではすっかりと一般化しています。以前は文字通り筋力を鍛えるという意味合いが強かったのですが、ボディービルなどで自らの外見を磨く、というような意識を含めるようになったことで、今や筋トレは人によって異なる意味合いを持つものになっています。最近では、筋トレとストレス解消の関係にも注目が集まっているようです。
この記事では、ストレス解消方法として筋トレに注目したい理由や、おうちでできるおすすめトレーニングを紹介します。
筋トレとメンタルには深い関係がある
ストレスを解消するために、筋トレは有効だと考えられています。なぜなら筋トレを行うことで、メンタル面の健康維持に欠かせない「ホルモン」の分泌を促すことができるからです。ホルモンバランスが乱れると不快な気分になったり、うつ病にかかってしまうこともあります。
たとえば、有名なホルモンの例として、脳内麻薬とも言われる「ドーパミン」があります。ドーパミンは幸福物質とも呼ばれ、気分を高める脳内物質とされています。筋肉に負荷がかかる運動をしたときに、気持ちが高揚したり、心身の不快感が和らぐ効果を感じたりするのはそのためです。
では、実際に筋トレで分泌されるホルモン物質には、どのような作用があるのでしょうか。
筋トレで分泌されるホルモン物質とは?
筋トレで分泌される代表的なホルモン物質について、それぞれの特長を見ていきましょう。
・「テストステロン」
テストステロンは、骨格を頑丈にしたり、ひげや体毛を生やしたりと、男性的な肉体を作るホルモンです。いわば肉体のガソリンのようなもので、筋肉を作る効果があります。筋トレの効果を得るためには最も重要なホルモンです。
・三大神経伝達物質「ノルアドレナリン」「セロトニン」「ドーパミン」
ノルアドレナリンは交感神経を刺激し、心拍数の上昇や血管を拡張し、集中力や思考力を強化する作用があります。また、前向きな気持ちを引き出す効果もあります。セロトニンは、精神の安定に重要な役割を果たし、ハイな気分をもたらす「幸福ホルモン」などとも呼ばれます。
ドーパミンは、一時期盛んにうたわれた、脳内幸福物質とも呼ばれる脳内ホルモンです。トレーニング後のさわやかな気分は、このドーパミンの働きです。また、モチベーションが上がり、ポジティブ思考をもたらします。運動が好きになり、自然と実践することができるかもしれません。
日本衛生学雑誌に掲載された治験結果には、運動負荷によりテストステロン(TS)濃度は20.8%上昇、ノルアドレナリンのレベルは140%上昇した、というデータがあります。
セロトニンが過剰に少ないとうつ状態に
日常でのさまざまなストレスによりセロトニンの分泌量が低下し、うつなどの原因となる場合があります。その場合、医師がセロトニンの脳内における再取り込みを抑制する薬剤を処方し、人工的にうつからの脱却をもたらそうとします。もちろん、通常は筋トレにより分泌を促すことで、自然な方法でストレスに対する耐性を強化できると言われています。
また、セロトニンは体内リズムに強い影響を与えるメラトニンというホルモンの材料にもなります。昼間の適度なトレーニングでセロトニンを多く分泌させることが、快眠につながる可能性が高いのです。
おすすめの筋トレ方法
筋トレにはさまざまな種類があります。器具を使わない「自重(じじゅう)トレーニング」は、事前の準備がなく、初心者でも手軽にはじめられる筋トレです。今回は、この自重トレーニングの中から、梅雨の時期でも部屋の中ですぐに取り組める、上半身、ウエスト、下半身と部位別に効果的な筋トレを3つ紹介します。
二の腕を集中的に鍛える「ナロープッシュアップ」
通常の腕立て伏せの状態から、置いた手の幅を狭めるナロープッシュアップは、腕立て伏せよりも負荷が高まり、集中的に上半身を鍛えることができます。上腕三頭筋(二の腕)、三角筋(肩の筋肉)、大胸筋に効果があります。
ナロープッシュアップ(10回×3セットほど)
- 肩幅よりも狭い幅で両手を床に付く
- 両足は肩幅くらいに開き、床に付ける
- ゆっくりと息を吸いながら、肘を曲げていき、上体を伏せていく
- 手に胸が付く手前のところまで下がったら、ゆっくりと元に戻していく
ウエストのくびれをつくる「バイシクルクランチ」
腹筋の中でも特に腹斜筋(横腹)、腹直筋下部(下腹部)を効果的に鍛えます。身体をひねる動作を組み込むことで、横腹への負荷が上がります。バイシクルクランチはフォームが崩れやすいので、高い効果を得るためにも正しいフォームを心がけましょう。
バイシクルクランチ(20回×3セットほど)
- 仰向けで寝転ぶ
- 膝を引き寄せるように上げて、ふくらはぎ部分が地面と平行になるようにする
- 両手は頭の後へ、頭は軽く浮かせる
- 片足を真っすぐ伸ばしていき、逆の足は胸に引きつける
- 4の時に、まっすぐに伸ばした側の上半身を逆足側に寄せ、横腹の筋肉が刺激されているか意識する
- 伸ばした足と引き寄せた足を元の位置に戻していく
- 逆の足を伸ばして、同じ動作を繰り返す
内ももとヒップを鍛えられる「ワイドスクワット」
通常のスクワットよりも、両足を広げたメニューです。膝への負担が少ないので、体重のある方や膝に痛みが出やすい方にもおすすめです。内転筋(内もも)、大臀筋(臀部)、ハムストリング(太もも裏側)、大腿四頭筋(太もも前面)が鍛えられます。
ワイドスクワット(25~30回×3セットほど)
- しっかりと直立した状態で肩幅よりも広めに足幅を取り、足は外に45度向けておく
- 両手は胸の前で地面と平行になるようにしっかりと組み、背筋に力を入れる
- 腰をゆっくりと下げていく
- 大腿四頭筋が地面と平行になるまで下げる
- 大腿四頭筋の収縮を感じたら、少し停止する
- 停止した後、素早く2の体制に戻す
筋トレで梅雨をポジティブに乗り切る
筋トレがもたらす精神的な効果と、気軽に取り組める筋トレを紹介しました。じめじめして気持ちの沈みやすい梅雨の時期こそ、ストレス解消に積極的に筋トレを取り入れ、夏を引き締まった身体で迎えたいですね。
(提供:JPRIME)
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