不動産投資をしている人の中には「賃料収入だけで生活できるようになってセミリタイアしたい」と考えている人は多いのではないでしょうか。実際に代々の地主や資産家ではなく会社員として働いていた人でも不動産投資によってセミリタイアを実現している人が少なからずいます。本記事では「不動産投資でセミリタイアを達成する」とはどのようなことなのかについて紹介します。

また実際にセミリタイアを達成した人の投資手法3パターンや不動産投資でセミリタイアを達成しやすい人の5つの特徴についても解説します。

なぜ不動産投資でセミリタイアできるのか?

不動産投資でセミリタイアできる人の5つの特徴
(画像=opolja/stock.adobe.com)

不動産投資とは、賃貸マンションやアパートを購入して賃貸することで賃料収入を得る投資スキームです。投資規模を拡大することで賃料収入の総額を増やしていき毎月一定額の賃料収入を安定して得られるようになれば賃料収入だけで生活ができるようになります。賃料収入とセミリタイアが結びつきやすい理由は、以下の2つです。

  • 賃料収入はオーナーが労働しなくても入居者がいる限り生まれ続ける
  • オーナーとしての仕事の多くはアウトソーシングができる

不動産投資の主な収入源となる賃料収入は、当該物件が稼働し続けている限り絶えず収入を生み続けてくれます。オーナーとしての仕事には、空室物件の募集や入居者対応、物件の日常的な清掃およびメンテナンスなどがありますが多くは管理会社にアウトソーシングすることが可能です。現場実務を管理会社に任せることでオーナーは管理会社からの連絡を受けて物件の状況を把握することができます。

つまり運営上の指示を出すことで賃貸経営が行えるため、遠隔操作がしやすくなるということです。

不動産投資でセミリタイアできるタイミング

不動産投資でセミリタイアできるタイミングは、キャッシュフローが生活費を上回ったタイミングです。キャッシュフローとは、収入と支出からなるお金の流れのことで不動産投資においては賃料収入と支出(固定費および変動費)との差額を指します。不動産投資における支出には、以下のようなものが挙げられます。

  • 固定費:ローン返済、管理委託料、税金、管理費・修繕積立金(区分マンションの場合)、共用部の電気代・水道代(一棟物件の場合)など
  • 変動費:修繕費、入居者の入れ替えに伴うリーシング関連コストなど

賃料収入から上記支出を差し引いた実質的な手残りの金額で生活費を賄えるようになったタイミングで理論上セミリタイアが可能です。

不動産投資でセミリタイアを実現した人の3つの投資パターン

実際に不動産投資でセミリタイアを実現した人は、どのような投資方法を選択したのでしょうか。3つのパターンを列挙して不動産投資によるセミリタイアの具体例を紹介します。

  • 潤沢な自己資金で全額現金購入
  • 融資を受けて高キャッシュフローの物件を購入
  • 若いときに融資で購入し一定期間保有後に繰上返済

潤沢な自己資金で全額現金購入

融資を受けずに全額現金で物件を購入できれば「ローン返済」という大きな固定費がかからないため、セミリタイアに大きく近づくことができます。例えばセミリタイアできるだけの賃料収入を確保する場合の物件の利回りを7%と想定すると年間の生活費が400万円の人であれば6,000万円弱、500万円の人であれば約7,200万円分の物件を現金で購入することが必要です。

経営者や開業医など自己資金が潤沢にある人であれば全額現金で購入することも選択肢の一つといえるでしょう。

融資を受けて高キャッシュフローの物件を購入

融資を受ける場合でも高いキャッシュフローが出る物件を購入できればセミリタイアできる可能性は十分にあります。具体例として5,000万円(諸経費込み)の物件を以下のような条件で購入する場合の年間キャッシュフローは約249万円です。

  • 利回り:15%
  • 融資条件:フルローン(頭金なし)、金利2.5%、融資期間30年
  • 空室率:20%
  • 諸経費率(ローン返済以外の固定費):15%(賃料収入に対して)

年間のキャッシュフローが約249万円ある物件を複数購入していけばセミリタイアは大きく近づくため、地方や郊外などの高キャッシュフローの物件を狙って購入するのも選択肢の一つです。地方や郊外などの高キャッシュフローには、人口減による空室リスクや築年数の経過による修繕リスクなどが潜んでいる場合もあります。そのような物件をきちんと満室経営できるスキルと購入前にリスク要因をよく検討することが重要です。

若いときに融資で購入し一定期間保有後に一括繰上返済

長期保有を前提として若いときに融資で物件を購入し借入金残高が減ったタイミングで一括繰上返済をする方法でも無借金状態で物件を保有できるようになります。将来的な一括繰上返済を考える場合は、以下の3点に重きを置いて資金計画を立てるといいでしょう。

  • 融資期間を短くする
  • 金利を低くする
  • 並行して現金の確保を進める

融資期間の短期化や金利の抑制によって借入金残高の減少スピードを早くしたうえで繰上返済用の現金を準備し現金が借入金残高を上回ったタイミングで繰上返済をするということです。

不動産投資でセミリタイアできる人の5つの特徴

不動産投資でのセミリタイアは誰でも簡単に達成できるものではなく達成しやすい人とそうでない人がいます。不動産投資でのセミリタイアを達成しやすい人の特徴は、以下の5つです。

  • 購買力が高い
  • 万全な資金計画がある
  • 生活費を抑えられる
  • 圧倒的な行動量
  • 信頼できるブレーンがいる

購買力が高い

購買力とは、商品やサービスを購入することができる資力のことで不動産投資においては、以下2つの特徴を指します。

  • 融資を受けやすい
  • 自己資金が潤沢

年収が高かったり社会的信用が高かったりする人(公務員や上場企業の会社員、士業など)は、金融機関から高い評価を受けやすいため、融資の活用によって物件規模を拡大させやすくなります。融資を受けなくても潤沢な自己資金で物件規模の拡大を図りやすい人も同様にセミリタイアを達成しやすいでしょう。

万全な資金計画がある

セミリタイアというゴールとそこに至るまでのプロセスを明確に描き資金計画に落とし込んでいる人は、セミリタイアを達成しやすいといえます。セミリタイアするために必要な金額と現状のキャッシュフローを対比し「どの程度の物件規模まで拡大すればいいのか」を計画的に管理することが重要です。

生活費を抑えられる

不動産投資でセミリタイアを達成できるのは、キャッシュフローが生活費を上回ったタイミングとなるため、生活費を抑えることはセミリタイアへのハードルを下げることにつながります。無理のない範囲での節約をして可能な限り生活費を抑えることでセミリタイアを近づけることができるのです。

圧倒的な行動量

不動産投資において実際に購入する物件は、検討した物件のごく一部です。立地や築年数の観点から具体的な検討の土台にすら乗らない物件も少なくありません。検討できる物件があっても価格交渉で頓挫したり融資を受けられなかったりして購入に至らないケースが多くあります。物件を購入するためには、以下の数を圧倒的に確保することが必要です。

  • 物件資料に目を通す数
  • 不動産業者にコンタクトを取る数
  • キャッシュフローのシミュレーションをする数

圧倒的な量の行動をすることで良い物件に巡り会えるチャンスの絶対数も増えるため、行動量が重要となります。

信頼できるブレーンがいる

良い物件の情報は、市場に出回る前に水面下で取引されることが多いため、不動産投資は情報戦といっても過言ではありません。良い物件の情報を得るためには、多方面の情報源を持っているブレーンを味方につけることが近道の一つ。具体的には、以下のような信頼できるブレーンを持つことが大切です。

  • 所有者が売り急いでいる物件や競売にかけられた掘り出し物件の情報を持っている
  • 最新の融資情勢について把握している
  • そのエリアの相場について誰よりも詳しい

良質で正確な情報を迅速に得ることができればより一層ハイパフォーマンスな投資を行うことが期待できるでしょう。

ゴールとプロセスを明確に描くことが重要

一口にセミリタイアといっても目指す生活水準や属性は個々人によって千差万別なため、自分が目指すゴールをしっかりと設定することが重要です。目指すゴールを定めそこから逆算して具体的なプロセスを描いていくことでセミリタイアに必要な物件規模や購入すべき物件が見えてくるでしょう。

(提供:spacible

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