ナレッジマネジメントは日本発の経営理論であり、知識経営に欠かせない概念である。なぜ現代のビジネスでは、多くの業界でナレッジマネジメントが重視されているのだろうか。本記事では、ナレッジマネジメントの概要や注目される背景、導入の流れを解説する。

目次

  1. ナレッジマネジメントとは?
  2. ナレッジマネジメントの仕組みとは?暗黙知と形式知
  3. ナレッジマネジメントはなぜ必要か?注目される背景
  4. ナレッジマネジメントの4つの手法
    1. 1.顧客知共有型
    2. 2.経営資本戦略策定型
    3. 3.専門知識型
    4. 4.ベストプラクティス共有型
  5. SECIモデルとは?ナレッジマネジメントを成功に導くフレームワーク
  6. ナレッジマネジメントを導入する手順
    1. 1.導入の目的を決める
    2. 2.蓄積したいナレッジを整理する
    3. 3.ナレッジマネジメントの手法を選ぶ
  7. ナレッジマネジメントを導入する効果
    1. 1.人材教育の効率がアップする
    2. 2.新たなナレッジの創造により、組織力が向上していく
    3. 3.業務の効率化や見える化につながる
  8. ナレッジマネジメントを導入するポイント
    1. 1.従業員のレベルに合ったITツールをうまく活用する
    2. 2.従業員の悩みや不満を理解した上で計画を立てる
    3. 3.整理した知識・情報は、分かりやすい形で共有する
  9. ナレッジマネジメントの成功事例
    1. 【事例1】新たな情報共有システムとSECIモデルの導入/富士ゼロックス株式会社
    2. 【事例2】従業員を中心としたナレッジマネジメント/東京海上アシスタンス株式会社
    3. 【事例3】FAQサイトの開設と共有/住友林業情報システム株式会社
  10. 導入後に発生するメリットを意識しながら慎重に計画を
終身雇用崩壊の今、求められる「ナレッジマネジメント」とは?メリット3つを紹介
(画像=tadamichi/stock.adobe.com)

ナレッジマネジメントとは?

ナレッジマネジメントとは、実務を通して得た知識やスキル(ナレッジ)を社内全体で共有する経営手法だ。たとえば、専門的なスキルやノウハウを共有すると、従業員の作業品質やスピードを均一化できるため、業務効率や生産性、品質などが向上する。

ナレッジマネジメントを初めて提唱したのは、一橋大学名誉教授の野中郁次郎氏である。野中氏は知識創造理論を世界に広めた権威者であり、数々のビジネス本を書き上げている。

参考:野中インスティテュート・オブ・ナレッジ「プロフィール | 野中郁次郎 - NIK

経営面にナレッジマネジメントをとり入れるには、組織の中でナレッジがどのように蓄積し、どうやって新たな知識が創造されていくのかを理解する必要がある。