レディネステストを活用した社員の適性判断
職業レディネステストは、職務経験の浅い社員への利用を前提とし、「Y-G性格検査」などと組み合わせることで、社員のキャリア適性の判断などに活用できる。ここでは、職業レディネステストの結果から適性をどのように判断し、活用するかを解説する。
テスト結果をどのように判断するか?
ここでは、労働政策研究所・研修機構の職業レディネステストの結果サンプルを引用して、どのような流れで判断するかを解説する。
(1)ホランド・タイプに沿って興味と自信を判断する
職業への興味関心や、職務を担当した際に遂行できる自信が高いか否かを、ホランド・タイプの「RIASEC」に分類する。あくまで、受験者自身の自己判断であることに留意しなければならない。
(2)基礎的志向性の傾向を数値から判断する
基礎的志向性は職業経験などに左右されないため、人・物・情報に対する具体的な志向性を数値から判断できる。
(3)具体的に職業と関連付ける
検査結果から、以下のように尺度の数値が高いほど、職業適性が高い仕事であると判断する。
- 職業への興味度が高い
- 職務を遂行する自信度が高い
- 基礎的志向性が高い
志向性が高いということは、職業適性がある「可能性が高い」という判断でしかないため、実際に業務に従事した後の遂行状況などの確認が必要となる。
人事面接へのレディネステストの活用方法
職業レディネステストの検査結果は、社員の職務内容や職場環境の適性ヒアリング、今後のキャリア形成に関する希望などを定期的な人事面接で確認する材料として活用できる。
ただし、職業レディネステストなどのアセスメントツールの検査結果は、あくまで標準化されたデータでしかない。検査結果のみで判断するのではなく、あくまで人事面接を行う際の補助的な資料として活用する意識が重要である。
職業レディネスを意識し、社員の育成や適正配置に活用
レディネスは、学びの効果を高めるために重要であり、レディネスがないと、学習効果を十分に得ることが難しい。自社において、職務遂行を通して学びを深め、貢献度の高い社員を育成するためには、「職業レディネス」が必要である。
職業レディネステストは、入社してある程度就労経験を積んだ社員に対してはテストの効果が薄いが、新入社員の職業志向性の測定には有効な面もある。基礎的志向性の確認には、「Y-G性格検査」などのフォーマル・アセスメントを組み合わせるのが有効である。
社員が職業レディネスを持って自社で活躍できる人材へ成長できるように、経営者は学ぶための動機付けを意識してもらいたい。