お金に関する情報や知識などを理解しておく重要性は以前よりも非常に高まっています。
日本人はバブル崩壊前のように貯金だけをしていれば老後まで安全に資産形成できる時代ではありません。

老後2,000万円問題に代表されるように、これからの日本人は投資によって資産を形成しなければならない時代です。
そのため、以前よりもお金や金融全体に対する知識や判断能力の重要性は高まっています。
お金に関する知識や判断力である「金融リテラシー」について詳しく解説していきます。

金融リテラシーとは?

金融リテラシーとは?生きていく上で必要な4つの金融の知識
(画像=OleksandrKotenko/stock.adobe.com)

金融リテラシーとは、お金や経済に関する知識全般と、お金を使ったり投資をしたりする際の判断力のことです。
つまり金融リテラシーとは、「お金との付き合い方」というような意味であり、お金と上手に付き合っていくために、情報や知識や判断力を身につける力だと言えるでしょう。

金融や経済に関する知識

投資商品を購入する、保険に加入するなど、資産形成を行う時やローンを借りる際には、大前提として金融や経済に対する知識が必要です。
例えば株式投資を行うのであれば、株式市場の状況や業界動向、企業の業績などについて理解しておかなければ、適切に株式投資をすることは難しくなります。
このようにお金に関する行動を起こす前の前提条件として、金融リテラシーが投資の世界において必要になります。

金融リテラシーは経済新聞やニュースなどで身につけることができますが、最近では金融経済教育も進んでおり、子供の頃から金融リテラシーを身につけるトレンドも生まれています。

お金を使う・投資する際の判断力

お金の活用や投資をする際の判断力も、金融リテラシーの重要なファクターです。
例えば適切なタイミングで投資ができれば大きく利益を出せますが、タイミングか悪ければ大損してしまうこともあります。
このように、お金とうまく付き合うには「いかに適切なタイミングで投資ができるか」など、判断力が非常に重要です。

また投資詐欺などに引っかかってしまうかどうかも判断力によって左右されます。
投資の成功に向けて自分の身を守るためにも、金融リテラシーを正しく身につけて適切な判断力を培うことが大切です。

金融リテラシーの習得で得られる3つのメリット

金融リテラシーを身につけることで、以下3つのメリットが得られます。

・生活が効率化する
・健全な投資でお金を増やすことができる
・投資詐欺などの抑止力になる

これら3つのメリットについて、詳しく解説していきます。

生活が効率化する

金融リテラシーを身につければ、家計の管理や不要な支出の抑制、お得な住宅ローンの選定、安全な投資など、お金に関する判断を合理的に行えるようになります。

人生のそれぞれのステージにおいて、必要な出費やお金の準備を効率的かつ合理的に行うことができるため、人生を無駄なく計画的に生活を送ることができるでしょう。
そして、それは自分自身だけでなく家族にとっても豊かに生活を送るための重要なスキルにもなっていくでしょう。

健全な投資でお金を増やすことができる

金融リテラシーを身につければ、健全な投資で確実にお金を増やすことができるでしょう。
投資はリスクによってリターンが異なるものです。
高いリターンを求めるのであれば高いリスクを負わなければなりませんし、低リスクを希望するのであれば低いリターンまでしか求めることができません。

自分のリスク許容度や目標とする資産額を達成できるように、投資先を選定する必要がありますが、金融リテラシーがなければ適切に投資をすることは不可能です。
金融リテラシーがあれば、適度なリスクをとりながら目標達成に向け、健全な投資を行えます。

投資詐欺などの抑止力になる

金融リテラシーを身につければ、投資詐欺などに引っかかるリスクを軽減できます。
「絶対儲かる」「異常に利回りが高い」このようなおいしい儲け話を騙った詐欺は世の中に横行しています。

金融リテラシーがあれば「絶対儲かる利回りが異常に高い儲け話」は「怪しい」と判断できるので、詐欺に騙されるケースは軽減されます。
しかし、金融リテラシーがない人は怪しい儲け話に乗ってしまい、騙されてしまう可能性があります。

生きていく上で必要な金融リテラシー4分野

金融リテラシーは人生で全ての場面にお金と関わってきますので、あらゆる分野で必要です。
その中でも最も必要な分野は次の4つです。

・家計管理
・生活管理
・金融商品を選ぶスキル
・外部の知見の活用

これら4つの分野について詳しく解説していきます。

家計管理

家計の収入と支出のバランスを取り、家計の赤字を解消することができます。
家計管理は主に支出の見直しがメインになります。
金融リテラシーを身につけて不要な支出の見直しや固定費を削減しましょう。
「どうすれば不要な支出を減らすことができるのか」「どうすれば家計を黒字にできるのか」という知識を身につけることが、家計に関する金融リテラシーです。

生活設計

人生の各段階において出費が伴います。
結婚、出産、住宅ローン借入、自動車購入、子供の進学など、それぞれの段階でいくらお金が必要で、その資金をどうやって用意するのか、目標達成のためにどのように貯蓄していくのかという計画を立てます。

金融リテラシーがないと、この計画を立てることができません。
すると、必要なタイミングでお金が足りなかったり、場当たり的に借金に頼ったりすることになりがちです。
必要なタイミングで必要な資金を用意できるよう、生活設計で金融リテラシーを身につけましょう。

金融商品を選ぶスキル

これから一般個人の方も投資が必要になる時代において、最も大切な金融リテラシーと言っても過言ではないのが「金融商品を選ぶスキル」です。

具体的には株や投資信託や保険商品など、金融商品を選ぶための基本的な知識や、商品ごとの特徴や違い、適切なローンの選び方や資産形成の方法などのスキルのことです。
政府は政府広報オンラインの中で金融リテラシーについて詳細に説明しており、そこでは「金融商品を選ぶスキル」として具体的に次の内容が掲げられています。

<基本的な金融取引における心得>
・契約をするとき、契約の基本的な姿勢(契約書をよく読む、相手方や日付・金額・支払い条件などが明記されているか、不明点があれば確認するなど)を習慣にすること
・情報の入手先や契約の相手方である業者が信頼できるかどうかを必ず確認すること
・インターネット取引の利点と注意点を理解すること

<(共通)金融分野>
・金融と経済の基礎知識(単利・複利などの金利、インフレ、デフレ、為替、リスク・リターンなど)や金融経済情勢に応じた金融商品の選択について理解すること
・取引の実質的なコスト(価格、手数料)を必ず確認すること

<保険について>
・自分にとって保険でカバーしたい事態(死亡、病気、火災など)が何かを考えること
・カバーすべき事態が起きたとき、必要になる金額を考えること

<クレジット・ローンについて>
・住宅ローンを組む際の留意点を理解すること
 ア.無理のない借入限度額の設定、返済計画を立てること
 イ.返済を難しくさせる事態に備えること
・無計画・無謀なカードローンやクレジットカードなどの利用を行わないことを習慣にすること
・高いリターンを得ようとする場合には、より高いリスクを伴うことを理解すること

<資産運用商品について>
・資産形成における分散(運用資産の分散、投資時期の分散)の効果を理解すること
・資産形成における長期運用の効果を理解すること

投資やローンを選択して契約する際には、商品や手続きについて理解を深めて適切に金融商品を選ぶ能力が求められています。

外部の知見を適切に活用する

外部からの知見を適切に活用することも大切です。
専門家やニュースなどの情報を活用し、金融商品の選定や投資に対する判断に役立てることでより効率的に投資をすることができるでしょう。

金融リテラシーを高めて、適切な運用を

金融リテラシーとは、お金に関する付き合い方のことです。
必要な知識を身につけて、適切に判断することによって、投資や借入の際に正しい選択をすることができます。
お金に関する知識を得たい時は、銀行や証券会社などが定期的に行っているセミナーへ参加したり、行政が発信している情報を定期的にチェックしたりするとよいでしょう。

(提供:Incomepress



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