「住居費・保険料・通信費・光熱費・車の維持費」の5つの固定費について、インターネット上で節約効果が高いと言われる見直し術が本当に効果的なのか、ファイナンシャルプランナーの松浦建二さんに伺いました。

ファイナンシャルプランナーが伝授! 年間100万円の節約可能な固定費見直し術

固定費の見直しで100万円の節約!? ファイナンシャルプランナーが解説

毎月決まった金額が出ていく固定費は、一度見直すだけで大幅に節約できる可能性があります。特に固定費の中でも支出に占める割合が高い「住居費・保険料・通信費・光熱費・車の維持費」といった5つの費用については、かんたんな見直しテクニックがインターネット上でも数多く紹介されています。しかし、本当に効果があるのでしょうか?

そこで、ファイナンシャルプランナーの松浦建二さんに、インターネット上で紹介されている固定費見直し術についてジャッジしていただきました。

ファイナンシャルプランナー直伝の固定費見直し術なら、年間100万円以上の節約も夢ではない!?

毎月赤字なので支出を見直したい、貯金する余裕を作りたい、ライフステージが変わったなど、固定費を見直すきっかけは人によってさまざまです。ただ、どのようなきっかけだとしても節約方法に大きな変わりはありません。

一番安いスーパーで買い物をするためにチラシを見比べたり、交際費を減らすために友達と会うのを我慢したりといった節約方法はストレスの基となってしまう可能性もあるでしょう。しかし、毎月一定の金額が出ていく固定費を見直せば、そのようなストレスを感じることなく、コンスタントに節約できるようになります。

ただ、インターネットを中心に紹介されている固定費見直し術の中には、効果が見込めなそうなものや、どれくらいの効果が見込めるのか不明なものも少なくありません。
そこで、一般的に節約効果が高いと言われる14の固定費見直し術についてファイナンシャルプランナーの松浦さんに伺ったところ、「効果的なものを実践した場合は年間で100万円以上の節約が見込めることもある」とのこと。
松浦さんよるアドバイスを基に、効果的に節約ができる固定費見直し術を確認していきましょう。

ファイナンシャルプランナーが徹底解説! 居住費の見直しで月50,000円の節約ができるって本当?

家賃は収入の3分の1程度に抑えるのが一般的といわれています。これはあくまでも目安の金額ですが、3分の1から大幅にオーバーした居住費を払っている場合、「住宅ローンの借換えや繰上返済」「大家への交渉」「引越し」が節約に効果的と言われています。

ネット上の固定費見直し術:住宅ローンの借換えや繰上返済を行う

住宅ローンの返済額には利息が含まれています。利息がいくらになるかは契約時に適用された金利によって決まり、利率が高いほど負担も大きくなるため、金利が低い住宅ローンへ借り換えると、利息が下がって毎月の返済額を抑えられるようになります。

そのような理由から、インターネット上では金利の低い住宅ローンに借り換えることが固定費の見直しに有効とされています。
なお、現在日本では低金利が続いているので、状況によっては借換えを検討するチャンスととらえる向きがあります。
ただし、住宅ローンの借換えはタイミングが大切で、住宅ローンの借換えで得をする金利差は1%以上が目安と言われています。また、「ローン残高が1,000万円以上」「残年数が10年以上」の場合、借り換えることでお得になる可能性が高いとされています。
しかしながら、借換えには事務取扱手数料や保証料といったお金が追加で発生するのが一般的です。これらの費用も考慮した場合、住宅ローンの借換えは本当に節約効果が見込めるのでしょうか?

住宅ローンについては、借換える以外にも、繰上返済が有効という情報も散見されます。繰上返済には「返済額軽減型」と「返済期間短縮型」の2種類があり、どちらを選ぶかで月々の負担や利息軽減効果が変わってきます。

●返済額軽減型
・月々の返済額が減る
・返済期間は変わらない
・返済期間短縮型に比べて利息軽減効果が低い

●返済期間短縮型
・月々の返済額は変わらない
・返済期間が短くなる
・期間が短くなるため、利息軽減効果が高い

繰上返済もローンの借換えと同じように手数料がかかる場合があります。また、「返済期間短縮型」の場合、期間を短縮しすぎると住宅ローン控除の適用から外れることもあります。これらを考慮した場合、繰上返済はどれくらいの節約効果が見込めるのかも、気になるところでしょう。

ファイナンシャルプランナー松浦建二さんによる回答

住宅ローンの借換えは、現在の借入金利が高いなどの条件があてはまれば、100万円以上の節約が可能です。ネット上でも、効果が見込める金利差や残高の目安をときどき見かけますが、昨今は金融機関のホームページで諸費用を含めたシミュレーションが簡単にできるので、とりあえず試算してみて、どれくらい節約できるか確認してみると良いでしょう。
繰上返済も同様に、支払う利息を節約できるので、気軽にシミュレーションをしてみることをおすすめします。ただ、繰上返済をすると手元の現預金が減ってしまうので、不測の事態が起きても困らないほど余裕がある場合に限定しておきたいところです。

ネット上の固定費見直し術:周囲と比べて家賃が高い場合、大家さんに交渉してみる

賃貸物件の家賃は、築年数や周辺環境などによって変動します。賃貸契約で長年同じところに住んでいる場合は、周囲の家賃相場が入居時よりも下がっている可能性があります。
そのためインターネット上では、周囲の家賃相場を調べて同レベルの物件よりも家賃が高いときには、その物件情報を材料に家賃交渉をすると、家賃が下がって居住費を抑えられる場合があると言われています。

なお、家賃交渉のタイミングは、契約更新の時期にするのが一般的ではあるものの、周囲に高い建物が建ったり、近隣のスーパーが撤退したりといった大きな環境の変化があったときもチャンスとされています。また、共有スペースが劣化したときや自分の部屋だけ設備が古いことが判明したときも交渉することで家賃が下がる可能性があると言われています。

ファイナンシャルプランナー松浦建二さんによる回答

長く住んでいると、入居当時に比べて建物や設備が古くなっていきます。周辺環境や経済状況に変わりがなく、物価も上昇していなければ、家賃を値下げできる状況にあります。ただ、物価などに連動して自動的に家賃が下がることはないでしょうから、まずは管理会社に意思表示をしてみることが大切です。
なお、同じ建物内の同じ間取りで家賃にかなり差があれば交渉の材料になるので、証明できる資料を用意しておくと良いでしょう。ただ、値下げを希望するにしても感情的に拒否されないよう、同じ建物内の同じ間取りと同額を希望するなど、常識の範囲内にしておきましょう。

ネット上の固定費見直し術:最終手段! 思い切って引越す

家族が増えたり転職したりといったライフスタイルの変化があった場合や、家賃交渉で思うように値引きができなかったときには、今よりも家賃の安い物件に思い切って引越すことが固定費の節約に効果的とする情報もあります。
特に都心部の家賃相場は数駅違うだけで大幅に変わることから、2駅隣へ引越すだけで毎月50,000円前後の節約効果が見込めるという情報も。さらに、始発電車が発車する駅を避ける、各駅停車しか止まらない駅に限定するなどの条件で探すと、広さや周辺環境を変えることなく家賃負担を下げられるとされています。

ただし、引越しには費用や手間がかかります。また、生活環境も大きく変わることだけに、慎重に判断したい節約術といえるでしょう。

ファイナンシャルプランナー松浦建二さんによる回答

家賃相場は基本的に中心街からの距離に比例していますが、人気や利便性の良し悪しなどによって多少のプラスマイナスがあります。
住む場所を決めるときは、通勤事情や家賃相場などが影響しますが、譲れない条件は実はあまり多くありません。少し考え方を変えることができれば、引越すことで節約につながります。例えばマイカー通勤をしているなら駅に近くなくても良いかもしれません。交通費が勤務先から全額支給されるなら、運賃の高い路線でも問題ないかもしれません。人気のある街が住みやすいとは限らないので、自分なりの優先ポイントを明確にすることが大切です。
なお、引越しは費用を抑えるために、できる限り自分で行いましょう。

ファイナンシャルプランナーが徹底解説! 保険料の節約には何を見直すのがベスト?

人によっては見直し幅の大きい保険料の場合を見ていきましょう。必要な保険はそれぞれの家庭によって違ってきますが、インターネット上では「古いプランの見直し」「特約の見直し」「ネット保険への切替え」の3つが節約に効果的と言われています。

ネット上の固定費見直し術:古い保険のプランを見直してみる

最近コマーシャルでも見かけるようになりましたが、古い契約プランのままだと現在の医療体制にマッチしないまま高額な保険料を支払っている可能性があります。保険に入ったまま見直したことがない場合、新しいプランと比較・検討することで、保険料を抑えられる場合があるといわれています。
ただし貯蓄型保険の場合は、昔の方が利率が高い可能性もあります。こちらは解約してしまうと損をするケースもあるので慎重な見直しが必要でしょう。
保険プランの見直しで節約効果が期待できるのはどのような保険なのか、また、どれくらいの節約が可能なのか、もしもの際の生活にも関わってくるものだけに、慎重に検討したい固定費のひとつといえるでしょう。

ファイナンシャルプランナー松浦建二さんによる回答

死亡や病気・ケガへ備える保障は安心できる内容であることが大切ですが、適切な保障内容になっているなら保険料は安いほど節約できます。金利の低下により貯蓄性の保険は厳しい時代ですが、長寿化や保険会社間の競争により、定期保険や医療保険では値下がりもみられます。
保障内容の見直しのポイントとして、特に一定期間の死亡保障は最新の保険と保険料を比べてみると良いです。医療・がん保険などは、保障内容が時代にあっているか確認してみましょう。なお、保険会社の求める健康な状態でないと見直しはできないので、注意が必要です。

ネット上の固定費見直し術:保険特約が重複していないかをチェックする

複数の保険を契約している場合は、それぞれの補償内容をチェックして、重複している保証を外すことで保険料が節約できるといわれています。特に入院・手術に関する医療特約は、ほかの保険にも付随しているケースがあることから、改めて自分の入っている保険の見直しを行い、まとめられるものがあれば解約やプランの変更を検討するのがいいとされています。

ファイナンシャルプランナー松浦建二さんによる回答

自分が加入している保険にどのような保障があるか理解できていない方が意外と多いです。複数の保険に加入していて保障が重複しやすいのは、勤務先で加入した団体保険や、親が加入してくれた養老保険の特約などです。
理解できていないと、いざというときに給付金を請求できません。給付金を受け取れなければ支払っている保険料も無駄になってしまいます。そのような事態を避けるためにも、保障内容はなるべくシンプルな方が良いです。
自分では判断が難しいと感じるときは、専門家と相談し、無駄な特約はやめて無駄な保険料を節約しましょう。

ネット上の固定費見直し術:ネット保険に切り替える

ネット保険は店舗型の保険にくらべて安い傾向があります。店舗型は直接不明点を質問できるメリットがある一方で、店舗運営費や人件費がかかり割高になっているため、インターネット上で見積りから申込み、告知まですべて完結できるネット保険に切り替えれば、利便性が高い上、同等の保障内容で保険料が抑えられると言われています。

ファイナンシャルプランナー松浦建二さんによる回答

ネット保険の特徴は、保険募集人を介することなく、インターネット上で申込みの手続きをできることです。店舗運営費や人件費がかからないので割安と言われていますが、代わりに広告宣伝費がかなりかかっているので、ネット保険だから割安とは限りません。
とはいえ、加入済みの保険の保障内容を確認するのは良いことなので、そのタイミングでネット保険に加入した場合の保険料を試算してみると良いでしょう。昨今はホームページ上で試算できる保険会社が増えています。試算してみて保険料を節約できそうなら、切り替えてみたら良いのではないでしょうか。

ファイナンシャルプランナーが徹底解説! 通信速度を下げずに通信費を節約することはできるの?

毎年のように変化するスマートフォンの料金体系。自身がどのようなプランに加入しているかを把握しておらず、高いプランのまま支払い続けている方も多いようです。さらに、在宅勤務や外出自粛の影響で、契約プランと生活スタイルが合わなくなっているケースも。
そのような場合、「スマートフォンの料金プランの見直し」「用途に合わせたインターネット回線の選定」などが固定費を大幅に削減できる方法として取り上げられています。
また、「フリーWi-Fiの活用」も、固定費の節約術としてインターネット上でよく目にします。

ネット上の固定費見直し術:スマートフォンの料金プランを見直す

スマートフォンを大手キャリアで契約中の方でしたら、プランや契約先を見直すことで節約効果が得られるとされています。
特に毎月のデータ通信使用量が3ギガ程度なのに20ギガを契約しているといったオーバースペックの場合、使用量に見合った通信量のプランへ切り替えるか、格安SIMへの変更をすすめる情報が多く見られます。
また、トークアプリの無料通話で済んでいるのに電話かけ放題のプランを契約している場合も、見直しのチャンスと言われています。

なお、安定した通信速度が必要だという方には、大手キャリアが展開する格安プランなどを検討するといいという声も散見されます。

ファイナンシャルプランナー松浦建二さんによる回答

ファイナンシャルプランナーとして多くの家庭を見ている経験から、通信費は節約できるチャンスがかなりあると感じます。プランや契約先を見直すことで簡単に節約できそうなケースが多いですが、現在の通信費に不満を持っていたとしても、変更することが面倒くさいと感じている方が多いからです。
また、長年使ってきた大手キャリアから変えたくないという声もあります。節約したいなら通信費は大きなポイントのひとつです。先に節約の目標額を決め、格安SIMを活用したり、インターネットや固定電話をセットで考えたりしてみてはいかがでしょうか。

ネット上の固定費見直し術:用途に適したインターネット回線を選ぶ

インターネット回線は利用の頻度や状況によって選び方が変わってきます。通信費を節約するには、3種類のインターネット回線契約の特徴を理解して、自身のライフスタイルに合ったものを選ぶことが大切と言われています。

●モバイルWi-Fiルーター
持ち運びができるタイプの通信端末です。外出先でもWi-Fiが使えるようになることで、スマートフォンなどのデータ通信量が抑えられます。外で仕事をする方や、出先でも大容量通信をしたい方におすすめです。

●ホームルーター
開通工事をしなくても使える据え置き型のWi-Fiルーターです。簡単にWi-Fi環境を整えられるので、引越しが多い方や、工事ができない賃貸物件に住んでいる方におすすめです。

●光回線
高速で安定したインターネット回線なので、家で動画を見る機会が多い方や在宅勤務の方におすすめです。
現在契約している携帯会社によっては、スマートフォンとインターネット回線のセット割プランが利用できる場合もあります。お得に契約できる可能性があるので使用用途に合う場合は検討候補に加えましょう。

ファイナンシャルプランナー松浦建二さんによる回答

インターネットの環境は、やり方によって固定費がかなり違ってくるかもしれません。ただ、興味があって詳しい方は割安で最適な環境を整備できるでしょうが、そうでない方は大変だと思います。まずは自分の現在の環境を理解するところから始めましょう。
例えば、自宅のマンションにネット環境が整備されていて、管理費や家賃と一緒に自動的に負担している場合は、これを使うのが最適です。また、24時間いつでもどこでも最高のネット環境がないと困る方はほとんどいないはずです。制限を設けるなど、少しネットを休むことを検討してみると節約につながります。

ネット上の固定費見直し術:フリーWi-Fiを利用する

外出先で短時間の利用なら、街中のフリーWi-Fiを利用するのも節約術のひとつとしてインターネットで取り上げられています。カフェや交通機関などフリーWi-Fiの利用できるスポットが広がりつつあるので、上手に活用すればデータ通信量の削減につながるとされています。
ただし、Wi-Fiが届く範囲であれば無料で使える利点がある一方で、安全性の問題が指摘されています。また、複数人が同時に接続することで回線が重くなることもあるので、リスクと節約効果の両方から検討する必要がありそうです。

ファイナンシャルプランナー松浦建二さんによる回答

いつでもどこでも自由にインターネットを使えるようにするには、それなりにコストがかかります。街中のフリーWi-Fiを活用すればお得かもしれませんが、安全面で不安が残ります。外出中はどのようなときに利用するのでしょうか? 仕事であれば節約よりも安全性を最優先で考えた方が良いです。
仕事以外であれば、使う場所や時間を減らすのがベストな節約術です。ベビーカーを押しながらスマートフォンを見たり、自転車に乗りながらスマートフォンを見たりする必要はあるのでしょうか? もう少し使用頻度を減らしましょう。

ファイナンシャルプランナーが徹底解説! 光熱費の節約は高額になりがちな家電の買い替えでも効果があるの?

日常生活に必要不可欠なのが、電気、ガス、水道の使用にまつわる費用です。光熱費は誰しもゼロにはできない部分ですが、おもに「契約先や料金プランの見直し」「省エネ家電への買い替え」で費用を抑えられると言われています。

ネット上の固定費見直し術:契約先や料金プランを変更する

契約アンペアは使用量に関係なく、基本料金として毎回請求される固定費です。アンペアを下げることで基本料金を下げられるので、契約している電気のアンペア数を見直すことで電気代を大幅に節約できるとされています。
なお、30アンペアは1人又は2人世帯、40アンペアは3人世帯、50アンペアは4人世帯やエアコンなど消費電力の高い電化製品を使う世帯、というのが目安と言われています。

また、電気やガスの契約先を見直すのも固定費の削減に有効な見直し術としてよく紹介されています。
2016年4月から電気の自由化が始まり、2017年4月には都市ガスの自由化も始まっています。新規参入した会社からも生活に合わせて自由に電気やガスを買えるようになったことで競争が起こり、安く契約できるプランが出てきているというのがおもな理由のようです。
ただし、市場連動型プランは電気不足の際に高額請求の恐れがあるので注意が必要とも言われています。

ファイナンシャルプランナー松浦建二さんによる回答

電気とガスの自由化で契約先を選べるようになり、競争原理が働くようになりました。比較検討した上で割安な契約先へ変更すれば電気代やガス代は下がりますが、劇的に下がるわけではありません。毎月の費用よりも、各社が行うキャンペーンを上手く利用できるとお得を実感できます。
光熱費を節約するには、どこで契約するかよりも日々の使い方のほうが大切です。例えば、夏と冬のエアコンは、自宅全体で24時間使っていたら物凄い額になってしまいます。使う部屋や時間を意識して制限するだけでもかなりの節約になります。ストレスにならないよう、ほどほどに頑張りましょう。

ネット上の固定費見直し術:電化製品を最新の省エネ家電に買い替える

古い家電を使い続けている場合、それによって電気代がかさんでいる可能性があります。最新の省エネ家電に変えるだけで年間数千円の節約につながるケースもあるので、壊れるまで使い続けるのではなく、一定の年数で買い替えるのが賢い選択とする情報も多いです。
家電の買い替えは一時的な出費を伴いますが、生活費に余裕があるうちに買い替えてランニングコストを抑えた方が、結果的に家計に負担なくお得に暮らせるとのことです。

ファイナンシャルプランナー松浦建二さんによる回答

電化製品や住宅設備は昔に比べて進化していて、省エネルギーにより環境に良くなっています。しかし一方で、テレビや冷蔵庫が大きくなったり、パソコンや電話などで新たにエネルギーを使うようになったりしています。
最新のモノに買い替えて省エネを目指すのも良いですが、ゴミが増えることも考えられます。また、複数の家電を同時期に買い替えれば、次の買替え時期も重なってしまうことが考えられます。
個人的にはまだ使えるモノを捨てることには抵抗があります。買い替える場合は、古いものを捨てるのではなく、できる限り3R (リデュース・リユース・リサイクル)をするようにしましょう。

ファイナンシャルプランナーが徹底解説! 乗り換えで車の維持費を最も効果的に節約できる方法って?

お住まいの地域や生活スタイルによっては、車がなくてはならないという方も多くいるはずです。燃料費や駐車場代、車検費用、自動車保険料など、持っているだけでかなり大きな支出となるのが車の維持費です。
車の維持費は固定費の中でも個人差が大きいものの、「自動車保険の見直し」「駐車場代の比較」「カーリースの利用」によって節約できると言われています。

ネット上の固定費見直し術:自動車保険を見直してみる

自動車保険は「運転者の範囲」「年齢条件」「使用目的」の設定で保険料が変わります。それぞれの条件が変わったタイミングで見直しを行うことで、保険料を節約できる場合があるようです。

●運転者の範囲
自動車保険では、運転者の範囲を家族限定・夫婦限定・本人限定と選べます。対象者が減るごとに保険料が安くなるので、家族構成が変わったタイミングで見直すと、保険料を下げられると言われています。

●年齢条件
自動車保険の保険料は、運転者として登録している方の年齢によっても変化します。特に10代20代は事故を起こしやすい年代でもあり保険料が高く設定されています。そのため、同居する家族の中で最も若い運転者が21歳や26歳になったタイミングなどで保険の見直しを行うと、節約につながるそうです。

●使用目的
自動車保険では、契約時に使用目的を申告する必要があります。これは車の利用頻度などから想定される事故のリスク度合いを保険料に反映させるためで、使用目的によって保険料が変わってきます。
保険料は業務使用が一番高く、通勤・通学使用、日常・レジャー使用の順に下がっていきます。通勤で車を使用しなくなったなど、生活スタイルに変化があったら保険会社に連絡することを勧める情報も多くあります。

このほか、運転する方がゴールド免許になったときも保険料の節約のチャンスとされています。一般的にゴールド免許の運転者は優良ドライバーとして事故のリスクが低いと判断され、保険料が安く設定されるケースが大半なことが理由のようです。

ファイナンシャルプランナー松浦建二さんによる回答

自動車保険は基本的に毎年更新するので、更新時は補償内容や保険料などが適切かどうかを確認する良い機会になります。使用目的や年齢条件、免許証の色は事実を変えようがないので、変更があったときは遅滞なく対応するようにしましょう。
ネット申込みできる自動車保険では、インターネット上で簡単に試算できるので、現在の保険を更新した場合と比べてみるのも良いです。ただ、ネット保険は割安な保険料設定になっている代わりに、保険代理店などの人的サポートがありません。保険料優先なのかサービス重視なのか、自動車保険に何を求めるかで判断すると良いでしょう。

ネット上の固定費見直し術:近隣の駐車場代を比較検討してみる

月々の駐車代は住んでいる地域によってかなり大きな差が出る固定費です。全国平均は約9,000円ですが、都心部はひと月30,000~40,000円と大きな出費になることも多く、自宅の敷地内に駐車場がある場合や、家賃に駐車場代が含まれているという場合を除いては、頭の痛い問題でしょう。
駐車場代を節約するには、近隣の駐車場代の相場をチェックして少しでも安いところを探すという節約方法がよく取り上げられています。なお、地面が舗装されていない、1台あたりのスペースが狭いなど、条件付きで相場より安くなっている駐車場はねらい目のようです。
また、最近では「駐車場シェア​リングサービス」も展開されています。これは全国の空いている月極や個人の駐車場を利用できるサービス​です。一般的な月極駐車場よりリーズナブルに利用できるケースが多く、お得に駐車場を持てるとしておすすめされています。

ファイナンシャルプランナー松浦建二さんによる回答

都心部の駐車場は30,000~40,000円することも多く、家計には大きな負担です。そのような地域に住む方や、住みたいと思っている方にファイナンシャルプランナーとしてアドバイスをするとしたら、車が趣味ではない限り、マイカーを手放すことをすすめたいです。
マイカーがないと不便な地域では、未舗装で割安な駐車場を探せば節約できますが、自宅から遠いとストレスになります。ひとつのアイデアとして、近隣で使っていない駐車場の所有者に貸してもらえないか交渉してみてはいかがでしょうか。自動車の出入りがあると防犯効果もあるので、格安で貸してもらえる可能性も意外とありそうです。

ネット上の固定費見直し術:月額定額制で車が持てるカーリースを利用する

保険料や駐車場代を節約できても、毎年の税金や数年おきに必要な車検費用など、車の維持には節約が難しい支出も少なくありません。それらの費用負担も抑えたい場合、頭金や税金、保険料などの支払いが不要のカーリースに乗り換えることが得策と言われています。

カーリースは、月額定額制で新車に乗れる車のサブスクリプションサービスです。契約期間中は自分専用の車を自由に利用できるので、購入するより手軽に車が持てるとして注目を集めています。
月額料金には契約期間分の各種税金や自賠責保険料、手数料などが含まれているため、毎月一定の支出で車に乗り続けることができ、家計管理がしやすくなります。

契約年数が1年単位で選べるところなら、車が必要な期間だけ利用するといった無駄のない活用も可能です。月額1万円台で利用できるカーリースや、メンテナンス費用も月額料金に含められるプランがあるところなら、車にかかる支出をより抑えやすいと言われています。

ファイナンシャルプランナー松浦建二さんによる回答

昨今はマイカーを手に入れる手段が多様化しており、現金一括購入やマイカーローンを利用しての購入だけでなく、残価設定ローンやカーリースなども選択肢として用意されています。お金を効率良く使うなら、当初まとまった額の現金を必要としないカーリースを利用して、その現金を運用にまわす考えもあります。また、人気車種なら高い下取り価格を実現できて、所有期間中の負担をかなりカバーできるかもしれません。
いずれの場合も車種や所有期間などによって状況は異なるので、希望する条件で、残価設定ローンやカーリースも含めて試算してから決めるのが良いでしょう。

固定費の見直しは意外と簡単

インターネット上で紹介されている節約方法について、FPの松浦建二さんに本当に効果がある節約術について伺いました。固定費は、今までの契約を見直したり、自分に合ったプランに切り替えたりするだけで大幅な節約効果が期待できます。一度見直してしまえば、あとは継続的に無理なく支出を抑えられるので、節約が続かない方でも取り組みやすいでしょう。

リモートワークの促進をはじめとしたライフスタイルの変化で、これまでの生活を見直すチャンスが来ています。必ずしも都心で働く必要がなくなった方も多く、ライフスタイルの多様化も進んでいます。それに伴い、車や通信設備の必要性も高まっているときだからこそ、今後のためにも今すぐできる固定費見直しの節約術をぜひ試してみてください。

松浦建二
松浦建二
日本FP協会認定CFP®、厚生労働省国家検定1級FP技能士、青山学院大学非常勤講師。
大手住宅メーカーではマイホーム購入や不動産投資の企画営業を経験。転職した外資系生命保険会社ではおもに個人の生命保険を活用したリスク対策や資産形成、相続対策などのコンサルティング営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして、おもに個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポートなどの相談業務を行っているほか、FPに関する講演や執筆なども行っている。

文=定額カルモくん