ネット環境さえあればオンラインでいつでも・どこでも株式投資ができるようになって久しい。しかし本当にいつでも・どこでも株式投資を行いたいなら、パソコンに向かう必要のないスマホの株アプリを利用することも検討してみるとよいだろう。

株アプリの登場とともに、投資必要資金の少額化や手数料の低減が進んでおり、これまで投資をしたことのない人にも始めやすくなっている。そこで本記事では、株アプリの選び方のポイントとおすすめアプリを5つ紹介していく。

株アプリはどのように選ぶ?

株アプリ,選び方
(画像=PIXTA)

スマホで簡単に株の取引ができるようにしてくれるのが株アプリのメリットだ。移動中でも外出先でも株取引を行えるため、パソコンでのオンライン取引よりもチャンスを逃しにくい。投資家にとってのメリットは大きそうだ。ネット証券だけでなく従来の対面型の証券会社も次々と株アプリを提供しており種類も増えてきている。

しかし選択肢が多いからこそどの株アプリを選べばいいのか迷う人もいるのではないだろうか。操作方法や画面の見やすさなどは、アプリによってさまざまなため、自分に合うアプリを選びたい。株アプリを選ぶ主なポイントは「使いやすさ」「情報収集のしやすさ」「注文のしやすさ」の3つだ。以下でそれぞれについて詳しく見ていこう。

アプリの使いやすさ

まずスマホとパソコンでは、画面の大きさが全然違う。そのため「見やすい」ことが大きなポイント。なぜなら見づらいとストレスを感じるだけでなく刻一刻と変動する株価を見逃し投資のチャンスを逃してしまう可能性もあるからだ。

また機能面で「使いやすい」ことも大切なポイント。例えばチャートを分析する際、指でなぞってトレンドラインが引けたりチャートを並べられたりするなど自分でカスタマイズできる機能があると分析しやすくなる。

いつも持ち歩いているスマホだからこそ、スクリーニング機能やアラート機能も大切だ。アラートが教えてくれるとすぐに注文できるのは株アプリならではの魅力だろう。

情報収集のしやすさ

各証券会社は、株式投資の参考となる以下のようなさまざまな情報提供をしている。

・企業に関するニュース
・指標
・四季報
・優待情報
・アナリストによる各種レポートなど

ただし何をどれだけ提供するかは証券会社のサービス内容によって異なる。そのため自分が求める情報を提供しているかどうかを確認してみよう。ただ初心者には、アナリスト予想を確認したり気になる銘柄のニュースをチェックしたりと、情報が多すぎて負担に感じる人もいるだろう。そんな人でも株アプリを活用すれば、移動中の電車やバスの中などの隙間時間に、ゆっくりと情報を確認できるだろう。

大切なのは、豊富な情報をいかに見やすく分かりやすく届けてくれるかということだ。自分にとって必要な情報を見やすくできるよう、カスタマイズできる株アプリだと尚良い。一つのアプリだけにこだわらず複数のアプリを利用するのもおすすめだ。

注文のしやすさ

使いやすさにも通じるが「注文しやすい」ということも重要だ。スマホの株アプリの最大メリットは「いつでも・どこでも取引しやすい」といったことである。そのため実際に取引する際、画面の切り替えが複雑だったり操作が面倒でタイミングを逃したりしてしまうような株アプリは避けたい。多くのアプリでは、数回タップするだけで注文できてしまうシンプル設計になっている。

中にはワンタップで注文が完了したり、画面をスライドするだけで注文できたりするものもある。また「逆指値注文」「IOC注文」「OCO注文」といった注文の方法もアプリによってできるかどうかが異なる。自分が使いそうな注文方法ができるか、操作は簡単かなどいろいろチェックしてみよう。

おすすめの株アプリを紹介

実際に「使いやすい」「情報収集がしやすい」「タイミングを逃さず注文しやすい」といった株アプリにはどのようなものがあるのだろうか。おすすめの株アプリを5つ紹介しよう。

LINE証券

20代投資家が選ぶ「スマホ利用で使いやすい」ネット証券No.1に輝いているのがLINE証券。投資初心者だけでなくスマホで手軽に投資を始めたい人にもおすすめだ。LINE証券の特徴を一言で表すなら「すべてにおいてシンプル」だ。例えばいつも使っているLINEアプリを起動してウォレットタブから「LINE証券」のアイコンをタップするだけでアクセスできる。

わざわざ株取引専用のアプリをインストールする必要もなく、すぐに株取引を始められるのだ。アクセスもシンプルなら画面表示もシンプル。文字も大きくて見やすく銘柄選択や購入数の確定、入金などの操作もすべて数回のタップで完結してしまう。情報提供においても投資家を迷わせることのないよう本当に必要な情報だけを厳選して提供している。

銘柄検索は「割安な銘柄」「人気優待銘柄」「好業績予想銘柄」「高配当利回り銘柄」などカテゴリを20種類以上用意し検索しやすい。実際の株取引は1株単位で購入できる。単元未満株でも持ち株数に応じて配当を受けることもでき、株の信用取引も可能。少額投資でも利益を得るチャンスがあることが魅力だ。

LINE Payでの入金やLINEポイント(1ポイント=1円)で投資できるサービスもうれしい。

iSPEED(楽天証券)

楽天証券が提供する株アプリ「iSPEED」もおすすめアプリの一つだ。iSPEEDの特徴は、投資情報の提供だ。例えば「My Page」機能では、株価や市況、株関連のニュース、チャート、注文照会など30種類以上のパーツを自分好みに組み合わせ1画面に表示できる。また「MarketToday」機能では、投資に関わる情報を集約したニュースポータルでマーケット速報を動画で見ることが可能だ。

他にもロイターの最新ニュースなど豊富な情報を提供している。気になる銘柄の管理や銘柄検索、銘柄サマリー、市況情報、銘柄関連ニュース、チャート、板情報、四季報、株主優待情報を閲覧できるのが「お気に入り機能」。この機能では、1ページに国内・米国株式を100銘柄ずつ全部で10ページまで登録でき、最大で2000もの銘柄を登録できる。

銘柄をタップしてその個別情報の閲覧も可能だ。情報収集のしやすさを重視する人は、ぜひチェックしてみよう。

SBI証券 株アプリ

豊富な情報量と圧倒的な使いやすさで高い評判を誇っているのが「SBI証券 株アプリ」だ。SBI証券の株アプリの特徴は、銘柄数の多さはもちろん銘柄検索しやすいこと。例えば売買の多い銘柄や上昇率の高い銘柄、株価急騰・急落、値動きの回数など、さまざまな観点からランキング形式で表示してくれる。初心者でも銘柄を選びやすいだろう。

もちろん、銘柄名や銘柄コード、キーワード、株主優待、テーマ、決算スケジュール、スクリーニング、チャート形状などから銘柄を検索することも可能だ。検索結果は、一括またはグループ分けして登録することもできる。登録銘柄リスト(グループ)は200まで作成できるので、自分なりに自由にグループ分けするといいだろう。

銘柄分析に欠かせない適時開示情報や決算速報、銘柄分析、アナリスト予測などの情報も豊富だ。とはいえこれらの情報を把握するのは初心者には難しいのも事実。同社の株アプリでは、グラフや表などで視覚的に分かりやすく表示してくれているため、投資に慣れていない人にとっても見やすい。

マーケットページの表示内容やトップ画面も好みに応じてカスタマイズできるのも、多くのユーザーの好評を得ている。投資経験者には、刻々と推移していくマーケットの情報をスピーディーに情報収集することも必要だろう。株アプリでは、チャートや気配値、ニュースなど投資に必要な情報をリアルタイムで確認できる。

気になる銘柄の権利付き最終日や決算、コーポレートアクションなどの情報のほか、個別銘柄が自分で設定しておいた条件に達した場合に、アラートで知らせてくれる「プッシュ通知機能」も便利だ。価格ごとの注文数が1秒更新で表示される気配値(板)から注文を出すこともできるなど、投資チャンスを逃しにくい機能が充実しているアプリといえるだろう。

CONNECT

CONNECTは、大和証券グループが提供しているスマホの株アプリだ。大手証券会社の信頼性とシンプルな使いやすさで株の初心者でも気軽に投資にチャレンジできる。CONNECTの特徴は、少額投資が可能でコストも抑えられること。単元未満株サービスの「ひな株」は1株から買えるため、少ない資金で始めたい人におすすめだ。またIPOの取扱数が多いことも特徴だ。

NISA口座にも対応しているため、非課税の恩恵を受けられるのもうれしい。国内株式(委託取引)の手数料は、約定代金の0.033%かかるが、現物取引(単元株)や信用取引の手数料が無料になるクーポンを毎月10枚プレゼントしてくれる(信用取引は20枚)ので、月内の取引回数が10回までなら手数料がかからない

さらに余ったクーポンは翌月まで繰り越せるので、上手に使いこなしてみてはいかがだろうか。

ネオモバ株アプリ

ネオモバ株アプリは、SBIネオモバイル証券が提供しているアプリ。特徴は、投資資金が少なくても株式投資を始められることだ。1株単位で株を売買できるうえ、現金はもちろんTポイント(1ポイント=1円相当)でも株を購入できる。初心者にとって1株とはいえ投資した資金が減るかもしれないのは不安だろう。

しかし買い物などでたまったTポイントで株を購入することもできるため、チャレンジしやすいといえる。ポイントで買っても現物の株取引をすることになるため、購入した銘柄の株価が上下する様子を見ながら少しずつ投資の感覚をつかむこともできそうだ。慣れてきたら少しずつ現金も足しながら保有株を増やしていくのも良いだろう。

ただし気を付けておきたいこともある。手数料は月額制で、取引をしない月も220円の支払いが必要だ。一方月間の国内株式約定代金の合計が50万円以下なら月額220円の手数料で何度でも売買可能。少しの値動きでも売買して利益を確定させたい人には向いているだろう。

目的に合わせてぴったりの株アプリを選ぼう

今回、株アプリの選び方とともに初心者でも使いやすいおすすめの5つのアプリを紹介した。それぞれ投資家のどんなニーズを重視しているかといった特徴が少しずつ違うことを理解できただろうか。まずは、自分がどのように投資をしていきたいのかイメージし、自分の目的に合いそうなアプリを選ぶようにしよう。