パリの街並みを彩るのは、数々の美しい建築物です。その中には、日本人建築家の手掛ける建築物がいくつかあるのを知っていますか？どれもそれぞれの個性を主張しつつ、パリの風景に溶け込んでいます。日本人建築に狙いを定めて巡るのも、パリの楽しみ方のひとつ。コロナ終息後、フランス・パリで実際に見るべき日本人建築をまとめてご紹介します。
ブルス・ドゥ・コメルス／安藤忠雄
たくさんのアートを保有するケリンググループの総帥フランソワ・ピノー氏は、旧商品取引所として使われていた歴史的建造物ブルス・ドゥ・コメルスをパリから借用し、美術館に仕立てました。外観は修復し、内観は安藤忠雄氏に依頼、開館が延期されていましたが2021年5月22日にオープン。
ブルス・ドゥ・コメルスの外観と構造は変えずにリノベーションするという難題に対する安藤忠雄氏の解は、内壁の中に新たな円筒の壁を作ること。歴史的建造物をそのままに、アートの展示空間にぴったりな現代美術館へと変貌。過去と現在が融合した空間となっています。
サマリテーヌ／SANAA
サマリテーヌは1870年の創業以来長く愛され続けてきた老舗デパート。2005年の休館から16年の時を経て2021年6月23日にリニューアルオープンとなりました。新生サマリテーヌは3つの建物からなっており、北側のリヴォリ通り側のガラス張りの建物の設計を担当したのが、妹島和世氏と西沢立衛氏からなる建築家ユニットSANAAです。
デパートとしては小さいものの、これまでのデパートに差をつけるレイアウトが特徴。中に入ると遮るもののない明るい空間が広がり、商品を肌で感じることができる場所となっています。
ラ・セーヌ・ミュージカル／坂茂
パリ郊外のセガン島にあるラ・セーヌ・ミュージカルは、大規模な音楽複合施設。光の反射で色が変わるドーム型のつるんとした建物が目を惹きます。その周りには船の帆をイメージした巨大な太陽光パネルがあり、太陽の動きに合わせて建物の周りを移動するという仕組み。これを手掛けたのは坂茂氏です。最大6,000人収容可能なホールをはじめ、外には大きなスクリーンや広場などが設けられ、施設の中でも外でも楽しめるスポットになっています。
アルベール・カーン博物館／隈研吾
閑静な住宅が建ち並ぶブローニュにあるアルベール・カーン博物館。アルベール・カーンの世界平和の願いを込めて、4haの広大な敷地内には、フランス庭園とイギリス庭園、そして日本庭園が隣り合わせになっています。
隈研吾氏が手掛けたのは、庭園内にある展示スペースの改修です。細長いルーバーが水平に配置された外観が特徴で、日本庭園にある木造建築とも調和しています。現在はまだ公開されていませんが、コロナが終息した頃には見られるかもしれません。
公営集合住宅Logements Sociaux Rue Rebiere／アトリエ・ワン
パリ北部に位置するポルト・プシェ地区の道路沿いには、9組の建築家により手掛けられたさまざまなデザインの集合住宅が建ち並んでいます。その中のひとつであるLogements Sociaux Rue Rebiereを手掛けたのが、塚本由晴氏と貝島桃代氏による建築ユニットアトリエ・ワン。3つの形のテラスが飛び出したかのようなデザインで、シンプルながらも遊び心を感じることができます。実際に目にしてそれぞれの建築の個性と調和を感じてみるのもいいでしょう。
ラルブル・ブラン／藤本壮介
最後にご紹介するのは、パリから足を伸ばしたい地中海に面するモンペリエです。藤本壮介氏と地元フランスの若手建築家のコラボレーションによる集合住宅、ラルブル・ブラン。白い木を表すラルブル・ブランは、その名の通り大木のような独特な外見が特徴です。温暖で冬でもテラスで食事がとれる気候を活かし、生活空間にもなるような大きなバルコニーが突き出している大胆なデザインで、街のランドマークともなっています。
フランス・パリで活躍する多くの日本人建築家たち
コンペの提出は無記名で行われることもあり、日本人だからという理由で選ばれているわけではありません。今回ご紹介した建築は、どれも個性的。フランスのランドマークの建築は個性を求められるケースが多く、スタイルを確立している日本人建築家が好まれやすいのかもしれません。コロナが終息したら、パリの街に溶け込む建築を眺めに、ぜひ足を運んでみてください。
（提供：JPRIME）
【オススメ記事 JPRIME】
・超富裕層が絶対にしない5つの投資ミス
・「プライベートバンク」の真の価値とは？
・30代スタートもあり？早くはじめるほど有利な「生前贈与」という相続
・富裕層入門！富裕層の定義とは？
・世界のビリオネア5人が語る「成功」の定義
