夏の暑さも和らいできた折、芸術の秋を堪能しに出掛けてみませんか? 今回はアート・デザイン本を閲覧できる図書館が併設されている美術館を紹介します。芸術家によるアート作品に触れた後は、資料を閲覧して興味の幅を広げてみたいものです。美術館の新たな利用法を試みてはいかがでしょうか。

図書スペース併設の美術館5選

芸術の秋に訪れたい、図書スペースのある美術館5選
(画像=murattellioglu/stock.adobe.com)

図書スペースが併設されている美術館の中でも、今回は厳選した5つの美術館を紹介します。

東京都現代美術館(美術図書室は当面の間、事前予約制で開室)(東京都江東区)

美術に関する専門図書室として美術図書室を併設しています。近現代の美術に関する図書・展覧会カタログや美術雑誌などを保存しており、広く一般に無料公開しています。こども向けの美術の本を集めた「こどもとしょしつ」もあるため、家族のコミュニケーションにもピッタリの美術館です。また美術界の第一線で活躍する作家や研究者を招き、現代美術の楽しみかたや親しむためのポイントを解説・講義・実践するプログラム「MOT美術館講座」を随時開催していますので、専門的な知識も深まります。

横浜美術館(大規模改修工事のため、2023年度まで休館)(神奈川県横浜市)

横浜みなとみらいにある近・現代美術に特化した美術館です。「みる」「つくる」「まなぶ」を理念に、7つの展示室とおよそ11万冊もの蔵書を持つ美術情報センターという名の図書館を併設しています。国内外の展覧会カタログや美術館および研究機関の年報・紀要を所蔵している他、美術に関する映像資料をセンター内備え付けのモニターで視聴可能です。市民や子どもたちへの創造支援が大きな柱であり、研究機関としての核を持つという美術館の特徴をよく表した魅力ある図書館となっています。

角川武蔵野ミュージアム(埼玉県所沢市)

2020年11月にオープンした話題のミュージアムです。こちらはメインカルチャーからポップカルチャーまで多角的に文化を発信するというコンセプトの下、図書館・美術館・博物館が融合した文化複合施設となっています。建物の1階は、マンガ・ラノベ図書館があり、KADOKAWA(角川書店)グループのほぼ全てのライトノベルがそろっています。4階は、図書・博物・美術の複合というコンセプトのメインにあたるフロアです。

選出した2万5,000冊の本が独自の分類で並ぶ図書空間のエディットタウンと高さ8メートルの空間に約5万冊の書籍を所蔵する本棚劇場があり、従来の図書館や書店が試みたことのない「本との出会い」を提供します。また建物全体には21世紀ならではのテクノロジーやファンタジーが仕込んであるという、ちょっとしたワクワク感が魅力のミュージアムとなっています。これまで持っていた美術館のイメージを大きく変えてくれるかもしれません。

太田市美術館・図書館(群馬県太田市)

名前の通り、図書館が併設されているというよりベースが美術館と図書館の施設です。従来の「図書館」や「美術館」という殻を脱ぎすてた、自由で活気のある、街の中を歩くような体験ができるオープンな雰囲気の漂う空間となっています。

建築の工夫として建物と緑、人工と自然が混ざり合う丘のような風景が演出されており、まさに自然の中でアートを満喫できる仕掛けと言えるでしょう。絵本・児童書コーナーといった子ども向けのエリアがあるため小さな子どもでも楽しめます。通常の図書館の他、太田市内の商店や事務所、個人宅と提携して「まちじゅう図書館」という独自の取り組みを展開しており、地域と密接な関わりがうかがえます。

せんだいメディアテーク(宮城県仙台市)

2001年にオープンしたせんだいメディアアークは、市民図書館の代替として、美術ギャラリーなどを加えた複合施設として建てられました。こちらは建物の3・4階に仙台市民図書館という名で併設されており、美術・映像に関する展示や発表、また情報発信などの機能を備えています。図書館には映像音響資料や図書資料、教材資料が保管されています。赤ちゃんからお年寄りまで気軽に利用できる公共施設と説明があるので、肩肘張らず気楽に立ち寄ることができそうです。

また、せんだいメディアアークは2012年、米Flavorwireにより「世界で最も美しい公共図書館ベスト25」に選出されました。建物の外観、内装共に未来的な雰囲気の中で充実した時間を過ごせるでしょう。

有意義な利用方法

美術館で芸術作品を鑑賞した後、その余韻を楽しむために関連する資料を探してみてはいかがでしょうか。近年注目されている現代アートは、「見ただけではわからない」という人も多いかもしれません。現代アートは、コンセプトを重視した作品も多く存在するので、解説や書籍などテキストによる情報を得て理解が深まることも多いでしょう。

まずは自分の目と心で作品を十分に堪能し、印象に残ったアートの情報を収集する。芸術面だけの楽しみにとどまらず、自身で深堀りすることで今後の人生をより豊かにしてくれるのではないでしょうか。お気に入りを教養として高め、自分が受けた感銘や独自に得た知識をぜひ周囲の方にも伝えてみてください。

美術館プラスαの一風変わった新しい楽しみ方を体験しよう

美術館も時代の流れとともに新たな試みを模索しているようです。これからは視覚以外の体験と組み合わせた総合的なアートを楽しむ時代がくるのではないでしょうか。これを機会に、1日過ごせる美術館へ足を運んでみるとすてきな出会いが待っているかもしれません。

(提供:JPRIME


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