本記事は、大原昌人氏の著書『すべての仕事を2分の1の時間で終わらせる ガチ速仕事術』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています

チャットツールを活用し、チームでの仕事スピードアップ

オンライン,チャット
(画像=Rawpixel/PIXTA)

あなたは普段、社内外の人とどんな方法でやり取りをしていますか? 「ビジネスメール実態調査2020」によると、仕事で使っている主なコミュニケーション手段の第1位は「メール」で、利用率はなんと99.1%にのぼるそうです。

しかしその一方、近年はメールの代わりにビジネス向けのチャットツールを導入する企業もじわじわと増えています。2018年に総務省が行った調査では、日本でチャットを導入している企業は23.7%にとどまるものの、利用している人は利用していない人よりも「働きやすい」と感じる割合が高かったといいます。

チャットを使うと働きやすさがアップするのは、チャットがそれだけ優れた時短ツールだからでしょう。

メールの場合は「お疲れさまです」「お世話になっております」といった挨拶を入れないと失礼にあたりますが、チャットでは形式的な挨拶やマナーは不要で、いきなり「○○の件ですが」と本題に入ることができ、サクサク話が進みます。ドラッグアンドドロップで簡単に画像や資料を添付できるのもうれしいポイントです。

また、メールは1対1のやり取りが基本で、多くの人に送るときはその都度CCやBCCに宛先を追加しなければなりませんが、チャットの場合はあらかじめグループを作っておけば、いちいち宛先を指定しなくてもすぐに送れます。つまりチャットは複数のチームメンバーと仕事を進めていく上で、とても便利なツールなのです。

「うちの会社では使っていないけど興味がある」という方は、まずは上司の許可を得た上で、自分たちのチーム内で使ってみてはどうでしょうか。ほとんどのチャットツールは無料版が用意されているので、ノーリスクで試すことができます。

仲間内で使って便利さを実感できたら、ほかのチームにも教えたり、会社全体での導入を上層部に提案したりして発展させていきましょう。社内でチャットツールを使う人が増えれば増えるほど、仕事はラクに、そしてスピーディになっていきます

では、どのチャットツールを選べばいいか──。

数あるビジネス向けチャットツールの中でも〝鉄板〞といっていいのが「チャットワーク」と「Slack(スラック)」です。

チャットワークは日本生まれのサービスで、ITにあまり詳しくない人でも使いやすいことから、幅広い業界で導入されています。IDさえわかっていれば、社外の人とも簡単にやり取りができるのも特徴です。

一方のスラックは米国企業が開発した世界標準のツールで、機能が豊富で拡張性が高いことから、IT系企業で多く導入されています。

いずれも基本的な性能はひととおり備えているので、これから導入するなら、チャットワークかスラックのどちらかを選んでおけば間違いありません。

なお、どちらのツールもブラウザでアクセスして使うWeb版と、パソコンやスマホにダウンロード&インストールして使うアプリ版が用意されています。基本的な使い方は大差ないものの、アプリ版の方がより機能が充実していてパソコンへの負荷も少ないため、まずはWeb版で試してみて、本格的に使いたいと思ったらアプリを落とすのがいいでしょう。

相手や内容によってコミュニケーションツールを使い分ける

うまく使えば強力な時短ツールとなるチャットですが、ときには「メール」や「電話」の方が望ましい場面もあります。

なぜなら、チャットは「即レス」が基本なので、すぐに答えられる内容には向いていますが、熟考してもらう必要がある場合はメールを選んだ方が、相手に余計なプレッシャーをかけずに済みます。具体的な基準としては、考える時間が1分以上かかりそうな場合は、チャットではなくメールを使うのがいいでしょう。ただしメールの場合は「何月何日何時までにご回答ください」と期限を切るのを忘れないでください。

また、複雑な内容を整理して伝えたいとき──たとえば「この資料について、以下の5点をご確認ください」などというケースも、チャットよりメールが向いています。

相手がお堅いクライアントで、かしこまった対応が求められる場合なども、気軽さが売りのチャットではなく、従来どおりメールで挨拶文を交えてやり取りをした方が間違いないでしょう。

では、電話の出番はいつなのか──。

現在の私は、仕事で電話を使うことはほとんどありません。電話だと、頭の中で情報を整理して回答するのが難しく感じるからです。そんな中、唯一、電話の方が便利だと思うのは「相手の理解度を確認するとき」です。

たとえばWebデザインの実務を外注スタッフにお願いするときは、最初にデザインの意図をまとめたデザイン指示書をメールで送り、その後、電話であらためて指示書の内容を説明します。微妙な温度感やニュアンスはメールよりも電話の方が伝えやすいし、話しているうちに相手が「そういえば、ここ聞いておきたかったんですが……」などと質問してくれることも多いので、曖昧なまま作業を進めてしまう事態も回避できます。

ここで電話をかけずにメールだけで済ませようとすると、長文メールを何度もやり取りする必要が生じ、かなり時間がかかってしまいます。

最近は私と同じように電話に苦手意識をもつ人が多いと聞きますが、ビジネスをしていると「何だかんだ言っても電話するのが一番手っ取り早い」という場面は必ずあります。かたくなに電話を回避しようとすると時間をロスすることになるので、そこはいさぎよく電話をかけるようにしたいものです。

すべての仕事を2分の1の時間で終わらせる ガチ速仕事術
大原昌人(おおはら・まさと)
元「楽天市場」プロデューサー/株式会社ダニエルズアーク代表取締役。慶應義塾大学環境情報学部卒業後、楽天株式会社に入社。フリマアプリ「ラクマ」や、年間100億円規模の流通を生み出す「6時間タイムセール」など、数々のヒット企画に参画。2016年には通常2カ月かかる大規模Web 企画(熊本買って応援企画)を1週間でリリースに導き、その功績を買われ楽天市場MVP賞(スピード部門賞)を受賞。2017年からは、国内最大級の流通額を誇る「楽天スーパーSALE」のWebプロデューサーとして、当時最年少で就任。IT業界の中でも業務スピードがトップクラスと言われている楽天内においても、さらに上位のトップスピードで仕事を導いてきた。2018年、「個人が主体となる働き方を牽引する企業を作りたい」という思いから独立し、クリエイティブカンパニー(株)ダニエルズアークを設立、代表取締役に就任。仕事のスピードと質には定評があり、コカ・コーラ、サムスン、花王など、大企業からの引き合いが絶えず、月間50本を超える案件を高速で回している。著書に『4000万人の購買データからわかった! 売れない時代にすぐ売る技術』(サンマーク出版)がある。

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