デリバティブ取引は、株式や債券、通貨や商品などの資産へ投資する方法の1つだ。元手よりも大きな額で取引できる特徴があり、リスクヘッジの目的で投資資産に組み入れる投資家もいる。一方でデリバティブ取引には、損失額が大きくなりやすいなどのリスクもある。デリバティブ取引を活用した資産運用を成功させるには、仕組みやリスクをしっかりと確認し、投資をスタートすることが重要だ。

目次

  1. 1. デリバティブ取引とは何か
  2. 2. 5種類のデリバティブ取引
  3. 3. デリバティブ取引のメリットとリスク
  4. 4. デリバティブ取引の始め方
  5. まとめ:レバレッジを効かせられるデリバティブ取引は商品研究が重要

1. デリバティブ取引とは何か

デリバティブ取引
(画像=PIXTA)

デリバティブ取引は、株式や債券、通貨、商品といった資産を原資産(対象となる資産)として作られる「金融派生商品」の取引のことをいう。ここではまず、デリバティブ取引の特徴を確認しよう。

1.1.「デリバティブ」の定義

「デリバティブ(derivative)」は、「派生的」や「派生する」の意味を持つ英単語だ。株式や債券、通貨、商品などの原資産から「派生した」金融商品の取引が「デリバティブ取引」と呼ばれるのは、そのためである。

デリバティブ取引は、一般的な株式投資や為替取引とは仕組みが大きく異なる。取引時に即時売買を行うのではなく、原資産を決められた期日に一定の価格で取引する権利や義務をあらかじめ契約する。

デリバティブ取引で締結する契約内容や条件は、それぞれの商品や取引によって異なる。投資前に商品内容をしっかりと確認しておくことが、デリバティブ取引を成功させるポイントとなるだろう。

1.2. デリバティブ商品の例

デリバティブ取引には、原資産や仕組みによっていくつかの商品がある。一例を下表に紹介する。

▽デリバティブ商品の一例

原資産 商品・取引
① 預金 【仕組預金】
・コーラブル定期預金(特約付定期預金)
② 債券 【仕組債】
・リバース・フローター債
・CMS債
・パワー・リバース・デュアル債
・日経平均リンク債
③ 株式 カバード・ワラント
④ 商品 ・商品先物取引
・商品先物オプション
⑤ 通貨 ・為替予約取引
・通貨先物取引

(1)預金を原資産とするデリバティブ取引
預金を原資産とするデリバティブ取引は仕組預金(しくみよきん)と呼ばれ、コーラブル定期預金(特約付定期預金)の商品名で取引される。預入条件によって満期日や金利が変動するが、一般の預金より高い金利が期待できる点が魅力だ。原則として満期前の解約はできないため、長期預入できる資金で始めることが重要になる。

仕組預金は、金融機関によってさまざまな商品が販売されている。たとえば、楽天銀行が販売する特約付定期預金「楽天エクステ預金(フラット)」は、通常の定期預金よりも高い金利が設定された1年定期預金だ。特徴は、預入期間が延長される可能性がある点である。

この「楽天エクステ預金(フラット)」は、1年の預入期間満了時に楽天銀行が延長特約を行使した場合、預入時の金利を引き継いで満期が1年延長される。延長による最長預入期間は10年もしくは15年で、預入期間中に解約した場合は銀行に対する損害金の支払いが発生する点には注意が必要だ。預入期間が何回延長されるかは不確定なため、長期で使い道がない資金を利用することが肝心である。

(2)債券を原資産とするデリバティブ取引
債券を原資産とするデリバティブ取引は仕組債と呼ばれ、リバース・フローター債やCMS債など色々な商品がある。たとえばリバース・フローター債は、クーポン(利息)が市中金利とは逆の動きをする仕組債だ。金利低下時に受け取れる利息が増えるため、市中金利の下落を予測する投資家にとっては有効な投資先となる。ただし、予想に反し市中金利が上昇した場合は、受け取れる利息が減少する点には注意が必要だ。なお、金利上昇時には債券価格の下落による含み損が発生するが、満期まで保有すれば満額償還されるため元本割れは避けられる。

(3)株式を原資産とするデリバティブ取引
カバード・ワラントは、株式を原資産とするデリバティブ取引の1つ。原資産を一定の期日(権利行使日)に特定の価格(権利行使価格)で買い付ける権利(コール)もしくは、売りつける権利(プット)を証券化した金融商品だ。権利行使価格と実際の株価の差額や、途中売買による差益を狙って投資を行う。値動きの幅が大きくハイリスク・ハイリターンな商品のため、少額からスタートするとよいだろう。

(4)商品を原資産とするデリバティブ取引
商品先物取引および商品先物オプションは、商品を原資産とするデリバティブ取引の1つ。先物取引とオプション取引の詳細は、2.1.で解説する。

(5)通貨を原資産とするデリバティブ取引

為替予約取引および通貨先物取引は、通貨を原資産とするデリバティブ取引の1つ。為替予約取引は、為替取引における為替レートおよび取引数量をあらかじめ決め、将来の期日にそのレートでの取引を行う仕組みだ。予約時にレートが決まるため、期日までの為替変動リスクを回避できる点が魅力だが、予約後は原則としてキャンセルできない。

1.3. デリバティブの特徴:取引に制限がある。少額で取引を始められる

デリバティブ取引の特徴は、「取引に期限がある」点だ。

一般的な現物株式や為替取引は、投資家の決めたタイミングで自由に売買できる。購入した株式は自身の所有資産として長期に渡り保有しても構わないし、デイトレーダーのように数分単位で売買しても問題ない。

一方のデリバティブ取引では、あらかじめ契約の実行日や実行期間が設けられており、期限が来たら執行される。この点が、一般的な投資とデリバティブ取引の大きな違いだといえるだろう。

また、契約内容や条件によって実行日が決まるデリバティブ取引では、契約時点では実際の売買が行われない。そのため契約時に売買代金が発生しないため、少額の証拠金の預託のみで取引できるのもデリバティブ取引の特徴である。

1.4. デリバティブの利用方法

デリバティブ取引を資産投資戦略に組み入れると、どのような運用効果が期待できるのだろうか。ここでは、デリバティブ取引の利用方法を2つ紹介する。

・デリバティブ取引の利用法1:ヘッジング
デリバティブ取引の利用方法の1つめは、ヘッジング(リスク回避)だ。投資における一番のリスクは、価格変動による損失の発生ではないだろうか。株価や為替、金利などの将来の動きは、誰も的中させることはできない。そのため、投資した資産が予想外の値動きをすると、損失を被ってしまう可能性があるのである。

そこで活用したいのが、デリバティブ取引だ。1.1.で述べたとおりデリバティブ取引には、即時ではなく将来の取引を契約するといった特徴がある。一般的な投資とデリバティブ取引を組み合わせた投資戦略を練ることで、価格変動リスクをヘッジした資産形成を目指せる。

・デリバティブ取引の利用法2:スペキュレーション
デリバティブ取引の利用方法の2つめは、スペキュレーション(投機)だ。あくまでも投資方法の1つであるデリバティブ取引は、その売買により利益を狙うことが可能である。デリバティブ取引によるスペキュレーションを行う最大のポイントは、資金効率の良さだ。デリバティブ取引は、少ない元手で大きな取引ができる特徴がある。そのため、投資できる余裕資金が少ない人でも、大きなリターンを狙うことができる。

多くの元手を持たない投資家の中には、リスクを負って運用をしてもそれほど大きなリターンにつながらない、または、まとまった資産を形成するには時間がかかりすぎると感じる人もいるだろう。積極的な運用で将来の資産形成を進めたいなら、資産投資戦略の一部にデリバティブ取引を組み入れるのも有効な方法だといえる。

2. 5種類のデリバティブ取引

1.2.でデリバティブ取引の具体的な商品や取引方法を紹介したが、そもそもデリバティブ取引は大きく分けて5つの種類がある。タイプによって仕組みや取引条件が変わるため、違いをしっかりと確認しておきたい。

2.1. 主なデリバティブ取引

まずは、代表的なデリバティブ取引である「先物取引」「オプション取引」「スワップ取引」を解説する。

・デリバティブ取引の種類1:先物取引
先物取引とは、「将来のあらかじめ定められた期日」に「特定の商品(原資産)」を「現時点で取り決めた価格」で取引をすること。詳細は、以下のとおりだ。

▽先物取引の特徴

デリバティブ取引の先物取引の特徴 詳細
[1]取引の期日が決まっている ・先物取引は期日内であればいつでも取引できる
・期日を過ぎると自動的に決済され、損益が確定する
[2]決済は差金(差額)の受け渡しで行われる ・先物取引の決済は、買建(または売建)価格と転売(または買戻)価格との差額を受け渡して行われる
・商品の受け渡しはせず、損益のやり取りのみで取引が成立するため、少額からの投資が可能
・買いだけでなく、売りからでも取引が成立する
[3]証拠金(担保)の預託が必要 ・商品代金の受け渡しがない先物取引では、証拠金(担保)を預託して取引を行う
・証拠金にはレバレッジ効果があるため、少ない元手で大きな額の取引が可能。たとえば最大レバレッジが5倍の場合に10万円の証拠金を預託すると、50万円までの取引が可能となる

・デリバティブ取引の種類2:オプション取引
オプション取引とは、「将来のあらかじめ定められた期日」に「特定の商品(原資産)」を「現時点で取り決めた価格で売買する権利」を取引すること。

オプション取引は、「将来、『商品』を売買する権利」を契約する取引だ。「将来の売買」自体を契約する先物取引とはその点で大きく異なる。オプション取引では原資産を買い付ける権利をコール、売り付ける権利をプットといい、以下のいずれかの立場で売買が行われる。

▽オプション取引における4つの立場

  コール(買い付ける権利 プット(売り付ける権利)
買い手 コールの買い プットの買い
売り手 コールの売り プットの売り

オプション取引の特徴は、買い手が権利を放棄できる点だ。オプション取引における買い手はプレミアムの支払いにより、原資産を売買する権利を得る。権利は期限内であればいつでも行使できるが、買い手が望む条件に達しなかった場合には権利の放棄も可能。その場合、買い手は支払ったプレミアム以上の損失を被ることはない。

売り手はプレミアムを受け取るかわりに買い手の権利行使に応じる義務を負う。期限内に条件が悪くなったとしても、売り手から契約の放棄はできない。

・デリバティブ取引の種類3:スワップ取引
スワップ取引とは、「ある一定期間」に渡り「将来のキャッシュフロー」を「交換する」取引のこと。キャッシュフローは、少なくとも約定時に等価であることが前提である。

スワップ取引にはいくつかの種類があるが、ここでは代表的な4つのスワップ取引をみていこう。

▽代表的なスワップ取引例と特徴

スワップ取引例 特徴
[1]金利スワップ ・同一通貨間で異なる金利のキャッシュフローを交換する取引
・一般的な金利スワップは、固定金利と変動金利で交換される
[2]通貨スワップ ・異なる通貨間で異なる金利のキャッシュフローを交換する取引
・取引開始時および満期時に元本の交換が行われる
[3]クーポンスワップ ・通貨スワップの1つだが、元本の交換は行われず、金利部分のみが交換される
[4]エクイティスワップ ・株価と連動したキャッシュフローと、事前に取り決めた金利を交換する取引
・元本の交換は行われない

2.2. その他のデリバティブ取引

デリバティブ取引はもともと、米や綿花を対象とした商品先物取引からスタートした。ここまで紹介してきた株式や債券、通貨などを対象としたデリバティブ取引が活発に行われるようになったのは、1990年前後からである。

日本銀行の統計によると、1998年に12.9兆ドルだったデリバティブOTC(店頭)取引残高は、2021年には63.3兆ドルに達した。残高の増加とともに、近年は新たなデリバティブ取引も誕生している。ここでは、比較的新しいデリバティブ取引を2つ紹介する。

・デリバティブ取引の種類4:クレジットデリバティブ
クレジットデリバティブは、信用リスク(企業が倒産や破綻する可能性)を対象とするデリバティブ取引だ。従来、債務保証や倒産保険などでヘッジされていたものを国際的に統一し、広く流通可能にしたものがクレジットデリバティブである。

クレジットデリバティブの代表的な商品であるCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)は、主に金融機関同士で行われるデリバティブ取引だ。買い手が売り手に一定のプレミアムを支払い、破産や債務不履行といったクレジットイベントの発生時に、売り手が損失を肩代わりする仕組みとなっている。なお、クレジットイベントが発生しなければ、売り手は買い手から支払われたプレミアム分だけ利益を得られることになる。

・デリバティブ取引の種類5:天候デリバティブ
天候デリバティブは、気温や降水量、日照時間などの気象変動によって企業が被る収入減に対応するデリバティブ取引だ。契約時に取り決めた気象条件が満たされると、補償金が支払われる。実損発生の有無や損害調査が不要で、比較的スムーズに補償金を受け取れる点が魅力といえるだろう。

3. デリバティブ取引のメリットとリスク

デリバティブ取引には、いくつかのメリットとリスクがある。どちらもしっかりと確認したうえで、投資金額や商品を決定したい。

3.1. デリバティブ取引のメリット

まずは、デリバティブ取引ならではの3つのメリットを確認しよう。

・デリバティブ取引のメリット1:少ない資金で多額の取引が可能
メリットの1つめは、少額の証拠金の預託で取引をスタートできる点だ。少額から始められるため、投資予算が少ない人でも始めやすいといえるだろう。

また2.1.で触れたとおり、デリバティブ取引ではレバレッジを効かせた取引が可能だ。たとえば、10万円の証拠金に10倍のレバレッジを効かせて100万円の取引をしたとする。仮に、20%の利益が出たとすると利益額は20万円になる。このように、レバレッジを活用することで、元手より大きな利益を得ることも可能なのだ。手持ちの資金を活用し効率のよい投資ができるのも、デリバティブ取引の面白さだろう。

・デリバティブ取引のメリット2:夜間でも取引可能
メリットの2つめは、夜間でも取引が可能な点だ。2021年10月時点におけるデリバティブ取引時間は、以下のとおりだ。

▽デリバティブ取引時間

デリバティブ取引例 取引時間
指数先物/指数オプション 8時45分~15時15分/16時30分~翌朝6時
日経平均VI先物 9時~15時15分/16時30分~9時

仕事や家事などで日中の取引が難しい人や、夜間に外国取引所の動向を見ながら投資をしたい人は、デリバティブ取引も有力な選択肢となるだろう。

・デリバティブ取引のメリット3:価格変動リスクの回避手段になる
メリットの3つめは、1.4.でも触れた現物取引に対するリスクヘッジの効果だ。たとえば、すでに保有している株式の価格が今後下がるかもしれないと考えるなら、先物取引で現在の価格での売りを入れるとよいだろう。そうすることで値下がりにより被った現物株式の損失を先物取引の売りで得た利益によって相殺することができる。

3.2. デリバティブ取引のリスクと失敗しないための対策

デリバティブ取引を資産投資戦略に組み入れるにあたっては、いくつかのポイントに気をつける必要がある。ここでは2つの注意点と、失敗しないための対策方法を解説する。

・デリバティブ取引のデメリット1:取引内容が高度化しているため内容理解が必須
ここまで説明してきたように、デリバティブ取引は商品や取引によって仕組みが異なる。商品内容をしっかりと確認せずに取引を始めると、思わぬ価格やタイミングで売買が発生し、予想外の損失を被る、といった事態になりかねない。

一例として、仕組債への投資で誤認されやすいポイントを見てみよう。一般的な債券と仕組債の仕組みで大きく違うのは、ノックインとノックアウトが設けられている点だ。ノックインとは、その仕組債が参照する指標においてあらかじめ決められた水準(ノックイン価格)を下回ることをいう。観察期間中にノックインすると、元本割れの可能性がある。ノックアウトとは、参照する指標においてあらかじめ決められた水準(ノックアウト価格)以上になることだ。ノックアウトした場合には早期償還となるため元本割れにはならないが、その後の利息は受け取れなくなる。

一般的な債券は、満期まで保有すればその間の利息と満額償還を受けられるローリスクローリターンの資産だ。一方、仕組債は上記の特徴を持つためハイリスクハイリターンとなる。商品内容をよく確認せず、「仕組“債”」という名前のみで投資を決めてしまうと、リスク許容度を超えた運用になってしまうことは知っておくべきだろう。デリバティブ取引をするなら商品の仕組みと注意点をしっかりと確認し、リスク許容度や投資方針に合ったものを選ぶことが肝心である。

・デリバティブ取引のデメリット2:大きな損失が発生するおそれがある
デリバティブ取引では、損失が大きくなる可能性には十分に気をつけなければならない。レバレッジをかけた取引では大きなリターンが狙える一方で、投資家の支払い能力を超える大きな損失が発生する可能性もあるのだ。

たとえば、10万円の証拠金に10倍のレバレッジを効かせて、100万円の取引を行っていたとする。仮に20%の損失が出たとすると、損失額は20万円になってしまうのだ。こうなると証拠金では補てんしきれないため、新たな資金を投入しなければならない。

デリバティブ取引でどのくらいの証拠金が必要か(委託保証金率)は、証券会社によって異なる。損失がかさみ証拠金額が委託保証金率を下回った場合には、追加証拠金(追証)が必要だ。追加証拠金を支払うまでは新規の取引がストップするほか、期日までに支払いが完了しなければ強制決済が行われてしまう。投資計画に則った資産運用を行うには事前に金融資産全体を確認し、損失発生時に耐えうる資金内で投資を始めることが肝心となる。

4. デリバティブ取引の始め方

デリバティブ取引は証券会社で取引を行う。希望する証券会社に証券総合口座がない場合には、まず証券総合口座を開設しよう。証券総合口座開設後は、以下の3つのステップでデリバティブ取引を開始できる。

ステップ1:デリバティブ取引口座(先物・オプション取引口座)を開設する

証券総合口座の開設後、デリバティブ取引口座(先物・オプション取引口座)を開設する。開設にあたっては、職業や投資経験などに対する質問および、取引ルール確認書類への回答が求められる。

デリバティブ取引口座(先物・オプション取引口座)を開設
(画像引用:auカブコム証券)

ステップ2:資金を証券総合口座からデリバティブ口座に入金する

デリバティブ口座開設後は、証拠金となる資金を入金する。最低必要証拠金額は取引する商品により異なるため、事前に確認しよう。

デリバティブ取引口座(先物・オプション取引口座)を開設
(画像引用:SBI証券)

ステップ3:取引をスタートさせる

証拠金の入金が完了すれば、デリバティブ取引をスタートできる。入金が反映されるまでに必要な時間は、証券会社によって異なる。取引をスタートしたいタイミングがある場合には、前もって入金まで済ませておくとよいだろう。

まとめ:レバレッジを効かせられるデリバティブ取引は商品研究が重要

株式や債券、通貨、商品といった資産を原資産として作られるデリバティブ取引は、一般的な投資とは仕組みが異なる。少額からレバレッジを効かせた取引ができるが、損失額が大きくなる可能性もあるため、商品内容や取引条件をしっかりと理解して投資を始めることが重要だ。

デリバティブ取引を資産投資戦略の1つとするなら、株や債券といった他の資産とのリスク分散としての組み入れが有効だ。リスクや注意点をしっかりと確認したうえで、リスク分散を考慮した積極的な資産運用手段としてデリバティブ取引を活用してみてはいかがだろうか。

山本希美
プロフィール
中央大学法学部を卒業後、都市銀行に就職。ファイナンシャルプランナーとして、経営者や資産家といった富裕層の資産運用に携わる。退職後は、銀行で得た知識を活かし資産運用情報を発信。自身も20代より、株や投資信託・保険商品などを組み合わせた資産運用を続けている。