「2〜3年で2〜3倍」を狙う1口1000万円の非上場株ファンドとは
(画像=PIXTA、ZUU online)

従来、非上場株式への投資(以後、非上場株投資)は、機関投資家やプライベートバンクの超富裕層、投資先と特別なコネクションを持っているエンジェル投資家にしか門戸が開かれていなかった。しかし、最近では非上場株の小口化や流動性向上が進んでおり、一般的な個人投資家でも手軽に投資できるようになっている。

その1つの方法が「個人投資家でも投資できる非上場株ファンド」への投資だ。「運用領域を非上場株に特化した投資信託に投資すること」と言えばイメージがしやすいだろう(実際は投資信託ではない)。最低投資金額1000万円以上(インターネット販売の場合は100万円以上)は決して低い金額ではないものの、準富裕層以上であれば、「検討のテーブルにも乗らない」といった金額ではないだろう。

このような個人投資家でも手が届きやすい非上場株ファンドが日本に複数存在している。今回は、そのようなファンドの先駆けとも言えるHiJoJo Partners株式会社の代表取締役スピリドン・メンザス氏(以後、スピロ氏)に登場してもらい、非上場株ファンドについて色々と教えてもらうことにしよう。

スピリドン・メンザス
スピリドン・メンザス
HiJoJo Partners株式会社 Founder / 代表取締役 CEO。外資系証券にてエクイティ・トレーディング業務に携わった後、国内大手証券で日本株、アジア株の共同責任者を務める。その後、国内外のスタートアップ企業やベンチャーキャピタルを中心とした投資業務に携わった後、HiJoJo Partnersを創業。国内外のエクイティ市場、投資業務に精通し、海外の有力なスタートアップ投資家や起業家のインナーサークルにアクセスする独自のコネクションを有する。

目次

  1. ミドル、レイトステージにフォーカスして投資する理由
  2. ファンドにもよるが、2〜3年で2〜3倍を狙うことが多い
  3. 株式投資型クラウドファンディングは、非上場株投資のなかでもハイリスク

ミドル、レイトステージにフォーカスして投資する理由

HiJoJo Partnersは外資系証券出身者を中心に、スタートアップ投資、証券トレーディング、証券システムなど各分野におけるプロフェッショナル達が結集して創業された金融スタートアップだ。国内外の優良なミドル、レイトステージの非上場企業に投資しているファンドを販売している。まずはその仕組みを確認してみよう。

「2〜3年で2〜3倍」を狙う1口1000万円の非上場株ファンドとは
(画像1=HiJoJo Partners株式会社)

ファンドは匿名組合で組成され、HiJoJo Partnersはそのファンドを組成・販売・運用する立場だ。投資家がファンドに出資した資金をもとに、発行会社や既存投資家から非上場株を取得する。首尾よく投資先がエグジット(上場やM&A)したら株式を売却し、ファンドを精算して、出資者に現金で分配する。仕組み自体は至極シンプルだ。なお、組入銘柄数は「1ファンド1銘柄の場合もあるし、たとえば『自動運転』や『フードテック』のように、テーマごとに切って1ファンドで複数銘柄を持つこともある」(スピロ氏)という。

非上場株(ベンチャー企業)の成長ステージは、大きく分けてシード、アーリー、ミドル、レイト、上場(IPO後)に分けることができる。また、資金調達するタイミングを早い順にシリーズA、B、C……と呼ぶことが多い。非上場株ファンドによってフォーカスする投資領域は異なるものの、HiJoJo Partnersの場合は、ミドルとレイト(プレIPO投資)に特化している。これは投資家にどのような影響を与えるのだろうか。