D2Cに向いている商品とは?
D2Cにさまざまなメリットがあるとはいえ、そもそも事業内容がD2Cに適していなければ従来のビジネスを続けるほうが好ましい。そこで、D2Cの取り組みに向いている商品を紹介しておこう。
- サプリメント
- 化粧品
- カメラやオーディオ
- 洋服
- 下着・インナー
これらは、以前からECサイトでよく購入されているものが多い。D2Cに向いている商品は、消費者がインターネットで購入することに抵抗がない商品が多い傾向だ。またD2Cでは「 ニッチな要求に応える」ことで熱心なファンをつかむこともできる。前出の「まつ毛美容液」の会社の例などは、これに該当するだろう。また「サイズ展開が豊富な洋服」などもニッチな要求に応える例といえる。
顧客の細かいニーズに応えられる商品を販売すれば、大手の同業他社と争う必要もない。またD2Cでは、特別感の演出ができる商品が多いことも特徴だ。「あなたのためだけに処方されたサプリメント」「有名シェフが作ったスイーツ」のように「ここでしか買うことができない特別なもの」を販売することで商品に付加価値を付けることができる。
「商品開発の背景に共感した」「特別感を気に入ってくれた」といった人に商品を販売することは、リピーター獲得にもつながるだろう。
D2Cの進め方
ここからは、D2Cに取り組む際の流れを紹介する。以下の4つのステップで進めていこう。
1.ビジネスモデルを設計する
まず必要となるのが「何を誰に提供するか」を明確にしてD2C事業モデルを策定することだ。対象が明確になれば「どのように提供するか」に落とし込む。提供方法は、ECサイトに限らない。はじめから思い込みで進めず、広い視点であらゆる手段を検討することも大切だ。
2.ビジネスモデルを検証・調整する
D2Cのビジネスモデルが設計できたあとは、事業の具体化に向けて検証を行う。コスト・収益構造を明らかにして中長期で財務シミュレーションによってビジネスとしての実現可能性をはかることが必要だ。シミュレーションの結果次第では調整を加えて再設計を行う。
3.事業モデル運用環境を構築する
D2Cの実現可能性が明確になったあとは、実際に運用するための体制づくりに取り組もう。例えばECサイトの構築や運用・物流体制の整備などがある。
4.プロモーションを展開し、サービスの改善を行う
運用環境が整ったら、いよいよプロモーションの展開だ。ECモールやECマーケットプレイスへの出店、SNS運用などで潜在顧客に対して積極的にアプローチすることも有効である。D2Cビジネスを展開するなかで改善点が見られた場合は、即時に対応していこう。LTV(顧客生涯価値)や解約率などの指標を用いて常に状況を把握し、改善・実行を繰り返すことが大切だ。