消費者理解に役立つフレームワーク
企業のマーケティング戦略における土台は、あくまで消費者のニーズや行動モデルでなければならない。そこで次からは、消費者理解に役立つ2つのフレームワークを紹介していく。
ロジックツリー
ロジックツリーとは、自社が抱える問題をツリー状に分解することで、より具体的な原因や課題を把握するためのフレームワークである。
上記の通り、ロジックツリーは分解するほど(右に行くほど)具体性が増す構図になっている。比較的シンプルなフレームワークだが、各要素を分解する際には「客観的な視点」にこだわる必要があるので、常に消費者の立場をイメージしながら問題点・課題点を分析していきたい。
DECAX
SNSやネットサービスの活用を検討している企業は、DECAX(デキャックス)と呼ばれるフレームワークを積極的に活用したい。DECAXとは、SNSなどにおける消費者の行動を予測して書き出すことで、最適なマーケティング手法を見極めるためのフレームワークである。
上記の通り、DECAXは全体でひとつのサイクルになっているため、このサイクルがうまく回るように各要素を改善・修正していく。
目標設定やブラッシュアップに役立つフレームワーク
ここまで紹介したフレームワークを活用しても、適切かつ現実的なマーケティング目標を立てることは難しい。そこで次からは、目標設定やブラッシュアップに役立つフレームワークを紹介する。
SMARTの法則
SMARTの法則は、「具体性・計測可能性・達成可能性・関連性・期限」の5つの観点から目標を見直すためのフレームワークである。これらの観点から目標を改善・修正すると、実現できないものや抽象的なものを排除できるため、より具体性・実現性のある目標を設定しやすくなる。
企業によっては上記のほか、「同意は取れているか(Agreed upon)」や「合理的な目標かどうか(Reasonable)」、「やりがいがあるか(Rewarding)」などを加えることもある。要素を追加するほど目標の具体性・実現性が高まるので、そのほかの要素も状況に応じて使い分けたい。
PDCAサイクル
目標を設定した後には施策を進めることになるが、この施策についても効果検証を済ませた上で、日々改善していかなければならない。そこでぜひ活用したいものが、「計画・実行・評価・改善」を繰り返すPDCAサイクルだ。
・計画…実行するマーケティング戦略を策定する。
・実行…策定した戦略を実行する。
・評価…実行した戦略を客観的な視点で評価する。
・改善…評価分析の結果をもとに、戦略を改善する。
上記の通り、PDCAサイクルでは「計画→実行→評価→改善」のサイクルを繰り返すことで、マーケティング戦略や施策を見直していく。同じサイクルを繰り返すことに疑問をもつかもしれないが、マーケティングを取り巻く環境は時期によって大きく変わるため、PDCAサイクルは非常に効果的なフレームワークになり得る。
ちなみに、消費者のニーズや価値観、技術などの移り変わりが激しい業界では、とにかく実行(Do)に移すことが重要になる。計画(Plan)に時間をかけ過ぎると動けない状態になってしまうため、該当する企業は早めにPDCAサイクルを回すように意識しておきたい。
OODAループ
臨機応変さが求められる業界では、次に紹介する「OODAループ」も効果的なフレームワークになる。もともとは軍事用として使用されていたものだが、柔軟性に重きを置いている点が現代のマーケティングにマッチしているため、最近では多くの企業がOODAループを実践している。
・観察…内部環境や外部環境を観察し、自社の現状を認識する。
・状況判断…観察した結果をもとに、自社のポジションや強みなどを見極める。
・意思決定…状況判断の結果をもとに、具体的な施策や戦略を考える。
・行動…意思決定した内容を実行する。
ちなみに、OODAループでは「観察→状況判断→意思決定→行動」の順にこだわる必要はない。
例えば、状況判断が間違っていた場合は意思決定から逆戻りし、マーケティングの軸となる部分をブラッシュアップしていく。
つまり、PDCAサイクルよりも変化に強い特性をもっているため、ニーズなどの移り変わりが激しい業界では積極的に活用していこう。