ビジネスモデルキャンバスを活用する3ステップ
ビジネスモデルキャンバスを活用する具体的な手順を3つのステップで解説していく。
ステップ1.9つの要素を埋める
ビジネスモデルキャンバスの9要素を1枚のシートに書き出していく。
ステップ2.改善策を書き出す
書き出した要素を眺めて、それぞれの内容や整合性を分析する。ブラッシュアップできる内容があれば、赤字などで書き加えていく。最終的に改善策をまとめ、アクションプランを定める。
ステップ3.実行結果を検証する
アクションプランに沿って改善策を実行し、一定期間を置いて振り返りをする。ビジネスモデルキャンバスと照らし合わせながら、PDCAサイクルを回すようにしたい。
ビジネスモデルキャンバスの書き方サンプル例
アンティーク家具を販売する店舗を経営する会社を例として、ビジネスモデルキャンバスを活用した書き方のサンプル例を紹介する。
9つの要素を順番に表の中へ埋めて、課題や改善策を検討していく。
ビジネスモデルキャンバスとリーンキャンバスの違い
リーンキャンバスは、ビジネスモデルキャンバスとよく似たフレームワークだ。同じくビジネスモデルを可視化するためのフレームワークであり、シートの構造もビジネスモデルキャンバスと似通っている。
ただし、ビジネスモデルキャンバスとは異なる要素がある。
・独自の価値提案
・圧倒的優位性
・主要指標
・解決策
・課題
ビジネスモデルキャンバスは、経営資源や取引先、企業活動、顧客との関係性など、具体的で実践的な要素が多い。その一方でリーンキャンバスは、優位性や解決策など、抽象的な分析に役立つ。
使い分けとして、創業準備期間や新規事業の立ち上げ時期は、リーンキャンバスを活用するとよいだろう。
すでに軌道に乗っているビジネスモデルを分析する場合や事業拡大を目指す場合は、ビジネスモデルキャンバスを活用することで課題を見つけやすくなるはずだ。
ビジネスモデルキャンバスを事業に活かす
新規事業の立ち上げや事業拡大など、経営にはさまざまなステージがある。時には経営方針で悩むこともあるだろう。ビジネスモデルを明確化しておけば指針になるはずだ。事業を成功に導けるようにビジネスモデルキャンバスをうまく活用したい。
ビジネスモデルキャンバスに関するQ&A
Q.ビジネスモデルキャンバスの順番は?
A.ビジネスモデルキャンバスは次の順番で整理していくと分かりやすい。
1.顧客セグメント(CS:Customer Segments)
2.価値提案(VP:Value Propositions)
3.チャネル(CH:Channels)
4.顧客との関係(CR:Customer Relationships)
5.収益の流れ(RS:Revenue Streams)
6.主要リソース(KR:Key Resources)
7.主要活動(KA:Key Activities)
8.主要パートナー(KP:Key Partners)
9.コスト構造(CS:Cost Structure)
Q.ビジネスモデルキャンバスの特徴は?
A.ビジネスモデルキャンバスは、ビジネスモデルを可視化するためのフレームワークだ。ビジネスモデルキャンバスを使ってビジネスモデルを可視化すれば、ビジネスモデルの課題を洗い出したり、商品やサービスの効果的な訴求方法を探ったりしやすくなる。既存の事業を見直すときはもちろん、新規事業をスタートするときにビジネスモデルキャンバスで事業の内容を整理するといった活用法もある。
Q.ビジネスモデルキャンバスのメリットは?
A.ビジネスモデルキャンバスのメリットは、事業改善に役立つことだ。顧客に与える価値や販売方法、コストや関係者などを整理すると、事業をより良くするための方法や改善点に気づきやすくなる。また、社員やチームメンバーとの情報や意識の共有に役立つというメリットもある。
Q.ビジネスモデルキャンバスの欠点は?
A.ビジネスモデルキャンバスでビジネスモデルを可視化し、改善策を考えても、実行に移さなければ事業改善は実現しない。社員と一緒にフレームワークを使ってみるなど、実行フェーズを意識して分析に取り組むことが望ましい。アイデアを出すだけで終わることがないよう、担当者や期限を決めたり、効果測定の方法を考えたりしておくことも大切だ。
また、改善策を考える時は、競合他社とバッティングしないか、本当に効果が期待できるか、多角的な視点から熟考するようにしたい。
Q.ビジネスモデルキャンバスの目的は?
A.ビジネスモデルキャンバスの目的は、ビジネスモデルを可視化し、ブラッシュアップすることだ。ビジネスモデルを可視化すれば、ビジネスモデルの課題を洗い出したり、商品やサービスの効果的な訴求方法を探ったりしやすくなる。
Q.ビジネスモデルキャンバスの発祥は?
A.ビジネスモデルキャンバスは、ビジネスモデルを可視化するためのフレームワークで、アレックス・オスターワルダーとイヴ・ピニュールが開発した。
Q.4P分析で何がわかる?
A.4P分析とは、「Product(商品やサービス)」「Price(価格)」「Place(販売場所や提供方法)」「Promotion(販売促進)」という4つの視点から自社の商品やサービスを分析する手法だ。マーケティング戦略を立てる時に役立つ。
文・木崎涼(ファイナンシャルプランナー、M&Aシニアエキスパート)
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