本記事は、滝岡幸子氏の著書『すきま時間を味方につける 10分仕事術』(同文舘出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
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仕事は小さな作業に分解できる
仕事は、すべて小さな作業の集まりです。
ですから、どのような仕事も3~10分くらいの小さな作業に分解することができます。
たとえば、デスクワークの場合は、基本的に「メール」「電話」「会議」「書類の作成」「書類の確認」「計算」「上司部下、チームメンバーと話す」「整理整頓」でできています。
「メールを書く」作業は、さらに「メールのフォーマット作成」「メールの本文を書く」「送信前に内容確認」等、3~10分単位の作業に分解することができます。
デスクワークを細かく分解すると、下の図のようになります。
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「10分」を1ユニットにする
10分仕事術の基本は、「10分」を1ユニットとすることです。
基本的には、ひとつの仕事を10分間でできるパーツ(部分)に分けていきます。もちろん、すべての作業が10分で終わるわけではありません。あなたが好きな作業は、30分でも40分でも集中してできるかもしれません。
30分続ける場合は、おそらく10分や5分でできる作業をいくつか続けて行なっているのでしょう。
30分の作業は、1ユニット10分を3個分、と考えます。好きなことや得意な作業は、時間を忘れて30分くらいは軽く没頭できるものですね。そのようにまとめて作業しても苦ではないものは、2~3ユニット連続して行なったほうが効率的です。
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すべてを同時並行で進める
10分仕事術で、いろいろな仕事や家事、育児などをこま切れ作業に分けて、すべてを同時進行していきます。
ここでは、仕事や家事、育児などは、それぞれ「ひとつの仕事(プロジェクト)」というように考えます。「仕事」は、抱えている案件それぞれをプロジェクトと考えます。「家事」は、料理、洗濯、掃除をひとまとめにして、ひとつのプロジェクトとします。「育児」は、お子さんひとりをひとつの「子育てプロジェクト」とします。
お子さんが2人いれば、2つの「子育てプロジェクト」となります。たとえば、抱えている仕事がひとつ、お子さんひとりの場合、プロジェクトは家事と合わせて3つとなります。抱えている仕事が2つ、お子さん2人の場合、プロジェクトは5つとなります。
仕事時間がはじまると、まずひとつ目のプロジェクト(仕事①)を10分間行ないます。たとえば、メールを書いて、その仕事に関わる人に送信します。すると、その仕事は自分の手を離れて、次の人が進めてくれます。次に、ふたつ目のプロジェクト(仕事②)を10分間行ないます。たとえば、書類のフォーマットを作成します。書類に書くアイデアは考え中なので、その後、保留します。そして、3つ目のプロジェクトに取りかかります。
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このように、少しずつプロジェクトを進めていくうちに、仕事①の返信が返ってきます。通常の手順で30分間仕事を進めて、また次の人にメールを送って、自分の手から離します。そして、仕事②に戻ります。つくっておいた書類のフォーマットに、10分間だけ記入していきます。
それで調子が乗れば、もう10分延長して記入します。もし気分が乗らなければ、別の仕事⑤をはじめて、気分転換を図ります。
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外資系コンサルティング会社・プライスウォーターハウスコンサルタント(PwC、現IBM)で、多くの企業の戦略立案、業務改善プロジェクトに従事後、2002年に有限会社ポテンシャルを設立。会社員時代から20年超にわたり、ノマド、ワーケーション、在宅ワーク、複業(パラレルワーク)を含めた“どこでもオフィス"な働き方を実践。中小企業の経営コンサルティングや起業支援などを主な領域とし、企業研修、非常勤講師、各種メディアでの執筆、講演、ワークショップ・セミナー開催などに邁進。“転んだら宝石をつかんで起きよう"をモットーに、自分らしい働き方とライフスタイルを模索。少資金、低リスクで身軽な「ひとり起業」や副業、女性の働き方に関する講演や執筆を担当する機会が多いため、仕事の効率化や在宅ワークをからめた時短家事、子育てと仕事をミックスしたライフスタイルを研究中。
著書に『ど素人がはじめる起業の本』『図解 ひとりではじめる起業・独立』(翔泳社)、『マイペースで働く! 女子のひとり起業』『マイペースでずっと働く! 女子のひとり起業 2年目の教科書』『マイペースで働く! 自宅でひとり起業 仕事図鑑』『クルマ1台で起業する はじめよう! 移動販売』(同文舘出版)、『女子の副業 夢もお金もあきらめない。』(青春出版社)などがある。※画像をクリックするとAmazonに飛びます