本記事は、滝岡幸子氏の著書『すきま時間を味方につける 10分仕事術』(同文舘出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

効率化,データ
(画像=PIXTA)

最初は「慣れている」仕事を分解してみる

それでは、10分仕事をするために、まずは「今までずっとやってきて、慣れている仕事」を分解してみましょう。

例として、「書類の確認」作業を挙げてみます。

「何枚もの書類」を定期的に確認することが仕事の一部になっている方は多いのではないでしょうか。たとえば、経理職の場合は、請求書や領収書の確認。医療事務職の場合は、患者のカルテの整理や治療費の計算書類の作成等。

「書類の確認」について、次のようなことを確認してみましょう。

  • 書類は確認前にどこにあるか?(どこから出してくるか?)
  • 書類で確認している「項目」は何か?
  • どのような「順序」で項目を確認しているか?
  • 確認後、どのように「確認済」を記録しているか?(印を押すなど)
  • 確認した書類は、どのように「保管」しているか?

また、確認する書類の「形式」は同じですか? 形式が違う場合は、こちらからフォーマットを渡すなどして自分が見やすい形式に統一すると、確認作業が効率化できます。

回数を分ける

何回かに分けて行なう

(例:一度にやらず、5回に分ける)

書類の確認が得意で好きなことなら、一気にまとめて行なうことも苦痛ではないかもしれません。一度に行なうことが苦痛な場合は、5回くらいに分割してみるのはいかがでしょうか。一気にやるとなると、「残業しなければ」ということになりますが、「10分くらいの確認」に分割していけば、日々の仕事のすきまに行なって、残業時間を減らすことができるかもしれません。

最後にまとめてしないで、中間で半分を確認しておく

月末に作業が集中するのは、「月末にまとめて1回で行なう」ことも関係します。

中間地点で1回確認しておくと、月末の作業が半減します。

1回あたりの時間を減らす

書類「1枚」あたりの確認時間を短縮

書類の確認作業に時間がかかる理由に「枚数が多い」ことがあります。全体の作業時間を減らすには、「枚数」を減らすか、「1枚あたりにかかる時間」を削減しなければなりません。書類50枚の確認で「1枚あたりにかかる時間」が5分の場合、250分(約4時間)の時間がかかります。それに対して、確認作業をすべて見直して「1枚あたり3分」にできれば、総時間は150分(2時間半)となり、1時間半も短縮することができます。

すきま時間を味方につける 10分仕事術
(画像=すきま時間を味方につける 10分仕事術)

仕事を分解する方法

では、仕事を「分解」する方法をご説明しましょう。

まず、仕事を「大きな部分」に分けます。次に「大きな部分」を「小さな部分」に分けていきます。そして、「小さな部分」を「もっとも小さな作業」に分けていきます。

10分仕事で行なえるのは、この「もっとも小さな作業」です。

具体的な例を挙げてみます。

「アイシングクッキーを30枚つくる」という仕事があるとします。アイシングクッキーとは、クッキーの上にカラフルなアイシングで絵が描かれたお菓子です。

「アイシングクッキーを30枚つくる」という仕事を「大きな部分」に分けると、❶材料を揃える、❷クッキーを焼く、❸クッキーの上にアイシングで絵を描く、となります。

❶から❸の「大きな部分」を「小さな部分」に分けると、下の図のようになります。

すきま時間を味方につける 10分仕事術
(画像=すきま時間を味方につける 10分仕事術)

「もっとも小さな作業」に分解していくと、「アイシングクッキーを30枚つくる」という仕事には、20種類くらいの「もっとも小さな作業」があることがわかります。それぞれの作業に、3分から10分くらいはかかるでしょう。

業務を効率化するには、「❶材料を揃える」と「❷クッキーを焼く」については、市販されている「クッキー用ミックス粉」や専用の焼き上がっているクッキーとデコレーション専門のアイシングシュガーペンを購入することで時短できます。「❸-①デザインを考える」は、すでにあるデザインを活用すると失敗しにくく、完成度が上がります。

すきま時間を味方につける 10分仕事術
(画像=すきま時間を味方につける 10分仕事術)
すきま時間を味方につける 10分仕事術
滝岡 幸子
中小企業診断士、経営コンサルタント、「ひとり起業塾」主宰、渋谷ポテンシャルビジネス研究所代表
外資系コンサルティング会社・プライスウォーターハウスコンサルタント(PwC、現IBM)で、多くの企業の戦略立案、業務改善プロジェクトに従事後、2002年に有限会社ポテンシャルを設立。会社員時代から20年超にわたり、ノマド、ワーケーション、在宅ワーク、複業(パラレルワーク)を含めた“どこでもオフィス"な働き方を実践。中小企業の経営コンサルティングや起業支援などを主な領域とし、企業研修、非常勤講師、各種メディアでの執筆、講演、ワークショップ・セミナー開催などに邁進。“転んだら宝石をつかんで起きよう"をモットーに、自分らしい働き方とライフスタイルを模索。少資金、低リスクで身軽な「ひとり起業」や副業、女性の働き方に関する講演や執筆を担当する機会が多いため、仕事の効率化や在宅ワークをからめた時短家事、子育てと仕事をミックスしたライフスタイルを研究中。
著書に『ど素人がはじめる起業の本』『図解 ひとりではじめる起業・独立』(翔泳社)、『マイペースで働く! 女子のひとり起業』『マイペースでずっと働く! 女子のひとり起業 2年目の教科書』『マイペースで働く! 自宅でひとり起業 仕事図鑑』『クルマ1台で起業する はじめよう! 移動販売』(同文舘出版)、『女子の副業 夢もお金もあきらめない。』(青春出版社)などがある。

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