本記事は、山口貴大氏の著書『年収300万円FIRE 貯金ゼロから7年でセミリタイアする「お金の増やし方」』(KADOKAWA)の中から一部を抜粋・編集しています
インデックスファンドの「トクする買い方」
インデックス投資には、投資信託を使う方法とETFを使う方法の2通りがあるのは、すでにご説明したとおりです。
それぞれメリットとデメリットはありますが、少額から資産形成したい場合や、積み立てで投資したい場合におすすめなのは投資信託です。
そのため、ここでは投資信託(インデックスファンド)の買い方についてご説明しましょう。
・証券取引口座を開設する
米国株式や全世界株式インデックスファンドを購入する場合は、同ファンドを取り扱っている証券会社に口座を開設する必要があります。
現在のところ、信託報酬が安い、優良なインデックスファンドの取り扱い銘柄数が多いのはネット証券、中でも、
1 楽天証券 2 SBI証券
の2社です。
今から証券会社に口座開設をする場合は、この2社のいずれかにするといいでしょう。すでに証券会社に口座を持っている人は、当然、その証券会社で取り扱っている商品を購入するのもアリです。
ただし、その場合、信託報酬がどれくらいか確認するようにしてください。
米国株も全世界株式も信託報酬は運用会社間の価格競争もあって、年率0.1%前後と非常に安くなっています。
インデックス型の投資方針は各国の株価指数とぴったり連動した値動きを目指すこと。ファンドによる運用の優劣の差はみなさんが思われるほど大きくありません。
基本的にどのファンドを買ってもそんなにパフォーマンスに変化はなく、ファンドのパフォーマンスは投資家側がコントロールできるものでもありません。
それに対して、手数料は投資家の銘柄選択によってコントロールできます。
ファンドを保有している間、日々徴収される信託報酬の安さがファンド選びの一番の基準になるのです。
迷ったらコレ! おすすめファンド5選
それぞれの証券会社のおすすめ優良ファンドは下の図30のようになります。
このうち米国の株価指数であるS&P500に投資するインデックスファンドは、
1「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」(三菱UFJ国際投信) 2「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」 (SBIアセットマネジメント)
の2つ。1は楽天証券、SBI証券いずれも取り扱っていますが、2はSBI証券
のみの取り扱いとなります。信託報酬は2のほうが若干、安く設定されています。
「2大ネット証券」の特徴と利便性
では、次に楽天証券、SBI証券それぞれの特徴や運用をする際の利便性についてご説明していきます。
・楽天証券
楽天カードを持っている人、あるいは楽天カードをつくってもいいと思っている人なら、ぜひ楽天証券での口座開設を検討してみてください。
楽天カード決済で証券口座に投資信託の積み立て設定ができ、その積み立て額に対してカードポイントが2022年1月現在、1%もつきます。※2022年2月、積立投資における楽天ポイント還元1%から改悪の発表あり。
米国株や全世界株式のインデックスファンドの信託報酬は年率0.1%程度ですから、約10年分の運用コストをポイントで回収できます。
たまったポイントは楽天での買い物に使えるだけでなく、インデックスファンドの投資に充てることも可能です。詳細は「楽天証券を開いたら最初に設定すべきこと5選」と題して、私のYouTubeチャンネルで解説しています。下の図31の右のQRコードからアクセスできますので、よかったらご覧ください。
ただし、これまでは楽天証券で保有する投資信託の残高に応じてポイントが継続して付与されるサービスもありましたが、2022年4月以降は減額のうえ1回限りの付与になりそうです。ポイント還元に関しては制度変更もあるので注意してください。
・SBI証券
SBI証券も、三井住友カードなら、クレジットカード決済でインデックスファンドの積み立て投資をすることができます。
ポイント付与率は2022年1月現在、0.5%が標準です。さらにVIP待遇が受けられるカードもあり、条件を満たせば1%以上のポイント還元を受けることも可能です。
投資信託なら楽天、米国ETFならSBIのわけ
米国株インデックスファンドを購入する分には、楽天証券のほうが特別な手続きをしなくても現状、1%のポイント還元が受けられるので有利といえるでしょう。
しかし将来的に米国ETF投資をするのなら、今のところSBI証券が有利です。
というのも米国市場に上場するETFを売買するときは、購入時に日本円から米国ドルに両替したり、ドルを円に交換したりする為替取引が必要になります。
その際に生じる為替手数料はSBI証券や楽天証券では通常、片道1通貨あたり25銭です。しかし、SBI証券の場合、資金の自動移動が可能な住信SBIネット銀行で外貨の為替取引を行うと、片道1通貨あたり4銭(積み立ての場合は2銭)までコストダウンすることができます。
つまり、為替手数料はSBI証券のほうが断然、有利なのです。
むろん、楽天証券やマネックス証券では定期的に為替手数料の見直しやキャンペーンをしているので、各証券会社での差がなくなってきているのが現状です。
ただ、キャンペーンを抜きにしても常時、為替手数料が安いのがSBI証券です。
こちらも詳細は、私のYouTubeチャンネルで解説しています。下の図31の左のQRコードで、YouTubeに飛んでください。米ドルに両替するところから、米国株を購入するまでの一連の流れを動画にしています。
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