ニューヨークではここ最近、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の1つで、より感染力が高いとされる「BA.2」の感染が拡大している。特に子どもを中心に感染者数の増加が見られることから、2022年4月4日に予定されていた5歳未満のマスク着用義務解除が延期された。とはいえ、ワクチン接種者に限るとオミクロン株の症状は従来よりも軽いことが判明 しており、新型コロナ対策として再び規制を強化するといった動きにはつながっていない。基本的には新型コロナと「共生しながら経済を回す」方向性に変化はみられない。

世界経済,今後
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一方、中国では3月28日に上海でロックダウン(都市封鎖)が実施されるなど、「ゼロコロナ政策(厳格な行動制限などで完全な封じ込めを図る政策)」の強化に動いている。4月11日には上海市内の一部地区で外出制限を解除するとの発表もあったが、依然として感染者数は高水準で推移しており、全面的な解除にはなお時間がかかると見られている。むしろ、「世界の工場」とも呼ばれる中国の主要都市でロックダウンが相次ぐ事態となれば、世界のサプライチェーンにより深刻な影響 をおよぼす危険性も否めない。それでなくとも、ロシアのウクライナに対する軍事侵攻でエネルギーや非鉄金属、農産物といった国際商品(コモディティー)の供給不安 が広がっており、世界的なインフレの高進に拍車をかける恐れもある。

今回は中国の「ゼロコロナ政策」と、その影響について考察する。