読者の皆さんは、日々どんな方法で疲れやストレスを癒し、リラックスしているだろうか。お酒を飲む、お風呂にはいる、音楽を聴く、マッサージをする、映画を観るなど、リラックスの方法は人それぞれだろう。ちなみに、筆者のリラックス方法は漫画を読むことである。「肩凝った~!」とベッドに倒れ込み、スマートフォンを片手にデジタルコミックを10分ほど読みふけるのが、至福の一時なのだ。近年は高い送料を払って日本から取り寄せなくても、スマホやパソコンですきま時間を利用して好きな漫画がサクサク読めてしまう時代である。
漫画やアニメは世界的に人気の高いコンテンツである。日本動画協会が公表した「アニメ産業レポート2021」によると、2020年のアニメ市場の規模は日本国内の1兆1,867億円に対し、海外市場が1兆2,384億円と初めて逆転した。また、全国出版協会・出版科学研究所が発表した2020年のコミック(漫画)市場規模は前年比 23.0%増の6,126億円と過去最高を更新した。
一方、近年は韓国発のデジタルコミックの一種「ウェブトゥーン(Webtoon)」 も存在感を強めている。『今、私たちの学校は…』『地獄が呼んでいる』『Sweet Home -俺と世界の絶望-』など、ウェブトゥーンのなかにはネットフリックスでドラマ化された作品もあり、韓国発のサブカルチャーとして注目されている側面もあるようだ。韓国の準行政機関である韓国コンテンツ振興院によると、2021年のウェブトゥーンの売上高は1兆ウォン(約1,014億5,580万円)を突破した。日本のアニメや漫画に比べるとまだまだ規模は小さいが、それでも前年比で64.6%増と極めて高い伸びを示している。
果たして「ウェブトゥーン」は日本の漫画やアニメに匹敵する世界的な人気コンテンツに成長するのだろうか。今回は「ウェブトゥーン」のポテンシャルについて考察したい。