端末にクレジットカードやデビットカード、スマートフォン等をかざすだけで決済を行う「非接触型決済」。新型コロナウイルスの感染対策の観点からも注目される「非接触型決済」は、筆者が暮らす英国社会でも広く浸透している。そうしたなか、新たな決済手段として関心を集めているのが「決済チップインプラント」だ。
チップインプラントとは、個人情報やセキュリティ情報などを記録した超小型のマイクロチップを人間の体内に埋め込む技術である。たとえば、マイクロチップが埋め込まれた手を専用端末にかざすだけで、電子決済やドアの開錠、公共交通機関などの利用が可能となる。後段で述べる通り、2020年には世界初の商業用チップインプラントを提供するスタートアップが登場しており、新たなビジネストレンドとしても注目される分野だ。
家電製品や電子機器といったモノ(物)がインターネットに接続し、情報交換し、相互に制御する仕組みを「IoT(モノのインターネット:Internet of Things)」と呼ぶが、近い将来、ヒト(人間)がインターネットに接続する「IoH(ヒトのインターネット:Internet of Humans)」が世界的に普及することになるのかもしれない。
今回はIoH普及の鍵を握る「決済チップインプラント」の話題をお届けしよう。