この記事は2022年5月25日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=PIXTA)

2022年5月25日(水)の午後1時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。

現在の為替相場の傾向や相場観

米国のリセッション(景気後退)懸念がくすぶっている。昨日(2022年5月24日)に発表された、米新築住宅販売件数が約2年ぶりの低水準となり、米ドル/円は一時126.37円付近まで急落する展開となった。

米住宅指標がトリガーで下落していることからマーケットの注目が米国のリセッションにあると改めて確認できた。

一方、欧州に目を向けると、ラガルドECB総裁から早期利上げに前向きな発言が伝わってきている。

これまでECB当局者からのタカ派発言はたびたび伝わってきたが、ハト派寄りのラガルドECB総裁から利上げに前向きな発言が出てきたことで、欧州でも金融正常化に向けた政策転換を本格的に迎えると予想できるだろう。

現在の為替相場の戦略やスタンス

主要国の中でも比較的ハト派スタンスをとってきたECBが利上げに動くことで、これまで売られてきたユーロの巻き戻しに期待している。数カ月続いたドル1強相場は終わっており、方向感の見えにくい米ドル/円はひとまず見限って、勢いのあるユーロに乗り換える方がスマートかもしれない。

ユーロ/米ドルは欧米金融政策の違いから、5月上旬に2017年以来、安値1.04ドル割れまで下落したものの、足もとでは複数のECB当局者が利上げに前向きな発言したことで1.07ドル辺りまで反発している。長期トレンドで下落し続けてきただけに、上昇余地はもう少しあると考えたい。

ユーロ/円もやや割高感があり、高いところで突っ込みたくないのだが、押し目を待っていると乗れない可能性もありそうだ。

▽ユーロ/米ドルの日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。