「投資経験はない、もしくは少ないけれど、上手に資産運用を進めたい」と考える際に大きな助けになるのが資産運用アドバイザーの存在だ。しかし、この資産運用アドバイザーは、上手に選ばないと「手数料だけ取られて資産は全然増えなかった、むしろ減ってしまった」という状況にもなりかねない。

そこで今回は、資産運用アドバイザーの種類や収入が発生する仕組みに加えて、信頼できる資産運用アドバイザーを探すコツを10個紹介する。資産運用の知識ない人や経験が乏しい人は、このアドバイザー選びで成果が決まるといっても過言ではないため、この記事を参考に、慎重に決めていただきたい。

目次

  1. 資産運用アドバイザーとは何か
  2. 資産運用アドバイザーにはどのような種類があるか
  3. 資産運用アドバイザーの手数料体系
  4. 信頼できる資産運用アドバイザーを探す10のコツ
  5. まとめ:資産運用アドバイザーは、長い付き合いを前提に探してみよう

資産運用アドバイザーとは何か

資産運用アドバイザーを探す10のコツ。信頼できるプロを見つけるためには?
(画像=Vittaya_25/stock.adobe.com)

資産運用アドバイザーを端的に説明すると、顧客の状況やニーズを把握し、顧客の資産を増やす(もしくは目的を達成する)ためのアドバイスを行う専門家である。一口に資産運用といっても、顧客の保有資産や家族構成、描いているライフプランなどによって望ましい運用方法は大きく方向性が異なる。

投資信託や保険などの金融商品の購入のみで事足りる人がいる一方で、資産規模が大きい場合には、相続対策や事業承継を含めて包括的に考えなければならない人もいる。ヒアリングを通じて資産状況を把握し、顧客自身もたどり着いていない潜在的なニーズにも先回りするような、総合的なコンサルティングの提供が必要とされる。

資産運用アドバイザーにはどのような種類があるか

資産運用アドバイザーも様々なバックグラウンドがあり、所属している会社や業態によって得られるアドバイスも変わる。ここでは6種類の資産運用アドバイザーを紹介する。

資産運用アドバイザーの種類1:銀行員

資産運用のプロと聞いて、真っ先に思いつくのが銀行員という人も少なくないだろう。銀行によって取り扱っている商品は異なるが、外貨積み立て、投資信託積み立て、個人向け国債、定期預金などに加えて、保険や遺言信託などまで幅広く対応している。

なかには資産運用のための相談カウンターが設けられているだけではなく、オンラインで相談できるなど、現代に即した取り組みを行なっているところもある。

資産運用アドバイザーの種類2:証券会社の営業マン

「資産運用といったら証券」といったイメージを持っている人も多いだろう。銀行は融資がメインの業務であるが、証券会社は資産運用の商品を販売することがメインの業務だ。そのため、一般的には銀行員より証券マンのほうが資産運用に詳しいことが多い。

銀行と同様に証券会社でも、資産運用の相談を店頭・オンラインなどで受け付けている。一般的に銀行よりも取り扱っている金融商品の数が多いので、自分に合う商品を選びやすい環境があると言えるだろう。

資産運用アドバイザーの種類3:生命保険会社の営業マン

生命保険は万が一に備えることが最も重要な役割だが、生命保険を活用して資産運用したり、税金対策したりすることもある。生命保険は銀行や証券会社の窓口でも購入できるが、生命保険会社の営業マンもその意味では資産運用アドバイザーの1人と言えるだろう。

一方で、生命保険会社の営業マンが保険以外の資産運用の知識に必ずしも長けているわけではない。また前述のように、生命保険は万が一に備えることが最も重要な役割であり、資産運用としての役目は二次的なものだ。株式や投資信託などでの通常の運用と比べて、どちらが効率的かしっかり判断したいところだ。

資産運用アドバイザーの種類4:不動産投資会社の営業マン

不動産投資は人気のある資産運用手法のひとつだ。富裕層しかできないイメージがある不動産投資だが、近年では物件を担保に物件価格のほとんどを金融機関から借り入れすることも可能だ。年収・勤務先・家族構成などによって借入可能な金額は異なるが、一般的なサラリーマンでも投資、運用できる可能性は十分にある。

一方で、不動産を活用した資産運用については詳しいかもしれないが、基本的に専門は不動産のみであるため、有価証券を含めた包括的なアドバイスをしてもらえるかは不透明だ。営業マンのスキル次第というところだろう。

資産運用アドバイザーの種類5:ファイナンシャルプランナー

家計の相談相手と言えばファイナンシャルプランナーと思う人も少なくないだろう。相談内容の範囲としては家計管理、年金・社会保険、住宅資金、資産運用、保険など多岐にわたる。

ただ、医者にも様々な診療科目があるように、ファイナンシャルプランナーといっても専門分野が異なるケースが多い。相談しようと思っているファイナンシャルプランナーはどの分野に強いのか、自分が求めている分野のアドバイスをもらえそうなのか、事前に確認しておきたい。

▽ファイナンシャルプランナーとは

これらの計画を立てるためには、金融、税制、不動産、住宅ローン、生命保険、年金制度などの幅広い知識が必要になります。これらの知識を備え、わたしたちの夢や目標がかなうように一緒に考え、サポートするパートナー、いわば、「家計のホームドクター」のような存在がファイナンシャル・プランナー(FP)です。

引用:日本FP協会 | FPとは

資産運用アドバイザーの種類6:IFA

IFAとは“Independent Financial Advisor”の略で、「独立系ファイナンシャルアドバイザー」とも呼ばれる。特定の証券会社の社員として活動するのではなく、(少なくとも表面上は)客観的な視点から、資産運用のアドバイスを行う金融アドバイザーの一種である。

独立しているために、会社の業績や方針に強制される側面が少ないことから中立性があり、顧客にとって最適な提案をしやすいと言われている。また、担当者の転勤なども基本的にはないため、長期的な視点に立ったアドバイスをもらえやすいとも言われている。

▽IFAとは

IFA は、運営会社である IFA 法人と、IFA 法人に所属する IFA(個人)で構成される。IFA(個人)は特定の金融機関ではなく IFA 法人に所属し、特定の金融機関とは独立した立場で顧客の資産運用に関する提案・仲介を担う。

引用:みずほ総合研究所 | 独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)に関する調査研究(PDF)

資産運用アドバイザーの手数料体系

ここからは資産運用アドバイザーの手数料体系を確認していこう。顧客との利益相反を理解するうえでも、手数料体系を理解することは非常に重要だ。手数料体系には大きく分けて3つある。

資産運用アドバイザーの手数料体系その1:ブローカレッジフィー型

投資商品の売買が発生するごとに手数料が発生するタイプをブローカレッジフィー型と呼ぶ。例えば、株式などの有価証券の場合は、顧客から受けた注文を、マーケットなどを通じて資産運用アドバイザーが取引を成立させ、その際に売買手数料を徴収する。

資産運用アドバイザーの手数料体系その2:ストックフィー型

顧客からの預入資産、あるいはアドバイスして購入した対象資産額(ストック)に対して一定の率をかけた金額が手数料になるタイプだ。通常は年率で決まった手数料(年間1%など)が発生する。投資信託で保有額に応じて発生する信託報酬に近いイメージだ。

資産運用アドバイザーの手数料体系その3:アドバイスフィー型

これは文字通りアドバイスに対してフィーが発生するタイプとなる。相談料は1時間あたりの金額で設定している場合もあれば、月額や年額などの定額制など多様である。

ファイナンシャルプランナーを例に挙げると、「1時間あたりのアドバイスフィーに加えて、ライフプランの提案書作成やキャッシュフロー表作成など追加項目があると別途料金が発生する」という料金体系の場合もある。

信頼できる資産運用アドバイザーを探す10のコツ

ここからは、実際に資産管理アドバイザーを探す10個のコツを確認していこう。すべての項目を網羅するアドバイザーを見つけるのは簡単ではないが、長期での付き合いになることが前提となるので慎重に選びたいところだ。

資産アドバイザーを探すコツ1:誠実な人柄であるか

長期にわたっての付き合いが前提である以上、信頼関係を築いていくうえで誠実な人柄が求められる。アドバイス通りに実行したところで、必ずしも予定通りに運用が進んでいくとは限らない。そんな時でも真摯に向き合ってくれるか否かは大事なポイントだ。

アドバイスを受けた際に、「なぜその内容を提案したのか」という説明をしっかりと受けたい。一度実行し始めたプランを大きく変更することは難しいので、アドバイザーの考えを理解し、腹落ちできるまで質問してみよう。こちらからの質問に向き合う姿勢からも、その人の人柄が見えてくるはずだ。

資産アドバイザーを探すコツ2:豊富なコンサルティング経験があるか

資産運用に関するコンサル経験が豊富でなければ、依頼するのは再考したほうがよいだろう。投資には経験が非常に重要だ。自分に合いそうなアドバイザーに出会えたら、コンサル経験は確認しておこう。そこですぐに魅力的なエピソードが出てこなければ、再検討も視野に入れたほうがよい。

資産アドバイザーを探すコツ3:メールや電話のレスポンスが早いか

いつでも即レスが必要というわけではないが、レスポンスの早さは自分への向き合い方がわかりやすく表れる部分だ。顧客にとって重要な内容であればあるほど、レスポンスの早さはその後の判断や成果に大きな影響を及ぼす。面談前のメール等のテキストコミュニケーションでも見え隠れする部分であるので注意が必要だ。

資産アドバイザーを探すコツ4:投資哲学に共感できるか

投資哲学に共感できていないと、運用がうまくいかなくなったときに意見の対立が発生し、大きなストレスを生む可能性がある。いくら優秀なアドバイザーであっても、その人の投資哲学に共感できないのであれば、伴走してもらうことは控えたほうがよいだろう。

資産アドバイザーを探すコツ5:ライフプランのヒアリングのうえで提案してくれるか

資産運用のプランニングをするうえで、顧客のライフプランの把握は必要不可欠である。なぜなら、顧客の達成したい目標を理解せずに、資産管理・運用のプランは作成できないからだ。

顧客の資産状況を把握したうえで、リスク許容度に応じて理想のプランニングを提案していく。そのためライフプランを細かくヒアリングして、顧客の状況を把握に努めているかは大切なポイントである。

資産アドバイザーを探すコツ6:転勤・退職の可能性が低く、長期のアドバイスをもらえそうか

資産運用は長期視点が重要だ。そのため、できることなら同じ担当者から長くアドバイスをもらったほうがよい。しかし、大手金融機関の場合、採用形態にもよるが3〜5年で転勤してしまうことが多い。次の担当者の投資哲学が同じであるとは限らず、また引き継ぎがしっかりと行われる保証はない。「転勤を伴う大手金融機関の担当者は信頼するな」と断言はできないが、担当者の契約形態も把握しておこう。

資産アドバイザーを探すコツ7:顧客との利益相反についてどのような見解を持っているか

ブローカレッジフィー型のアドバイザーが勧めてきた投資商品を購入した場合、その商品の価格変動に関係なく、取引した時点でアドバイザーに手数料が入る。極論を言えば、あまり優れていない商品だとアドバイザーは把握していても、顧客が購入したら手数料収入を得られる仕組みになっている。

そのため、牽制の意味も込めて、顧客との利益相反についてどのような考えであるかは聞いておくのがよいだろう。その際、アドバイザーの業績評価の体系も合わせて聞いておきたい。

なお、どのような手数料体系であっても、資産運用アドバイザーと顧客には必ず利益相反があるものだ。重要なことは、そのなかでお互いがどのような考えを持って付き合うかだろう。決して「ブローカレッジフィー型のアドバイザーはおすすめしない」という意味ではない。

資産アドバイザーを探すコツ8:自分でも身銭を切って投資(資産運用)しているか

百聞は一見にしかずという言葉があるように、資産運用においても知識は実体験とセットになることで理解力が増す。いくら資格があったり、知識が豊富だったりしても、身銭を切って投資した経験がなければ、説得力を持って話すことは難しいだろう。

金融機関勤務の場合、自己投資(自分で身銭を切って投資すること)が制限されていることもある。すべての投資が禁止になっている場合は仕方ないが、「個別銘柄はNGだが、長期投資目的の投資信託ならOK」というケースも多い。

少なくとも、自由に資産運用ができる身でありながら、自分では投資していないアドバイザーに資産を預けるべきではないだろう。

資産アドバイザーを探すコツ9:たくさんの選択肢から選べる立場にあるか

顧客にとって最良の投資商品を購入するために「選択肢に幅があるか」は非常に重要だ。

例えば、資産運用アドバイザーが証券会社A社の営業マンだったとしたら、A社が取り扱っている商品の中から顧客に合う商品を提案することになる。A社のラインナップが充実していればよいが、特定の組織に所属していると、その組織が取り扱っている範囲内のものしか提案されないことがほとんどだ。保険や不動産なども含めて、幅広い商品を紹介できる環境であることが望ましい。

資産アドバイザーを探すコツ10:専門領域だけではなく、包括的な資産管理の知識があるか

資産運用はトータルで考えなければいけないため、アドバイザーには幅広い知識が求められる。資産規模や顧客の目的によって、資産運用の最適なポートフォリオは異なる。そのため証券会社の営業マンであっても、保険や不動産投資など、他の投資手法を含めて顧客に包括的な資産管理プランを提示できることが望ましい。

まとめ:資産運用アドバイザーは、長い付き合いを前提に探してみよう

この記事では資産運用アドバイザーの種類や報酬体系、資産運用アドバイザーを探すコツなどについて解説してきた。

何事においても、専門家の力を借りることは非常に重要だ。特に、資産運用アドバイザーとは長い付き合いになる可能性が高い。資産運用アドバイザーの種類や収入が発生する仕組み、信頼できるアドバイザーを見極めるコツを把握し、自分に合うアドバイザーを探してみてはいかがだろうか。