「金融商品取引法」は金融商品を販売する側が守るべきルールを定めた法律であるため、個人投資家が知っておくことで実際どのようなメリットがあるのか、紹介されることが少ない。実際に投資を頻繁に行う人でも、内容を知らない人が多いのではないだろうか。そこでこの記事では、この法律の一般的な内容を紹介した上で、個人投資家が自分の資産を守るために知っておくべき「活きた知識」を伝えていく。

目次

  1. 金融商品取引法とは?
  2. 投資家が金融商品取引法を知っておくべき理由
  3. 金融商品取引法を理解するための4つのポイント
  4. 金融商品取引法が対象とする業者や金融商品の範囲
  5. 金融商品の販売業者が守らなければならない販売・勧誘ルール5つ
  6. 投資家が金融商品を購入する際のチェックポイント
  7. まとめ:金融商品取引法を投資家が知っておくメリットは大きい

金融商品取引法とは?

金融商品取引法とは? 個人投資家として知っておきたい基礎知識と、投資家を守るメリットを解説
(画像=nito/stock.adobe.com)

金融商品取引法は、幅広い金融商品を対象として、販売・勧誘の規制や開示の規制を横断的に定める法律である。違反すると行政処分や刑罰の対象になることもある。

金融商品取引法が目的とする投資家保護とは?

金融商品取引法の大きな目的の1つに「投資家の保護」がある。

▽金融商品取引法の目的

金融・資本市場をとりまく環境の変化に対応し、利用者保護ルールの徹底と利用者利便の向上、「貯蓄から投資」に向けての市場機能の確保及び金融・資本市場の国際化への対応を図ることを目指し、平成18年6月7日、第164回国会において、(中略)可決・成立し、 平成18年6月14日に公布されました。

引用:金融庁 | 金融商品取引法について

先物取引やオプションなどの金融技術の進歩により、複雑な金融商品が増え、一般の投資家にとっては「内容が理解できない金融商品」が大量に出現している。

元々金融商品の取引は、金融商品を売る側(証券会社や銀行)と買う側(一般の人)の間に情報の面で大きな差があるものだ。したがって、投資家に不利な情報を隠して商品を勧誘されると投資家は正確な判断ができないし、誤った情報を伝えられてもそれを確認する術がない。

金融商品取引法の目的は、投資家が情報不足や間違った情報によっていたずらに損失を被ることがなく、また間違った勧誘方法により不要な商品を購入することがないように規則を設けて保護することである。

金融商品取引法が誕生した背景は?

金融商品取引業が誕生した背景には、主に3つの要素がある。

・金融商品取引法誕生の背景1:利用者保護
1つめは利用者の保護だ。元々は「証券取引法」という名前で規制されていたが、金融技術の進歩などを背景として、利用者保護法制の対象となっていない金融商品が数多く出現した。これらの利用者のなかには被害を被った人もいたため、金融商品取引に対して包括的・横断的な利用者保護ルールを整備する必要があったのだ。

・金融商品取引法誕生の背景2:市場の整備
2つめは市場の整備である。日本の家計金融資産は預貯金が中心となっていたこともあり、「貯蓄から投資」が課題であった。一方、投資の受け皿となる「市場」は公正性・透明性などの点でさまざまな問題があったのである。この市場に対する信頼を回復させるためには不公正取引などへの厳正な対応をする必要があった。

・金融商品取引法誕生の背景3:投資市場の国際化
3つめは国際化への取り組みである。金融・資本市場のグローバル化が進展し、各国が市場法制や市場インフラの整備を進めるなか、国際市場としての魅力を高めるための取り組みが必要とされていたのである。

金融商品取引法が規制する具体的な例

金融商品取引法が規制する項目は多岐にわたるが、ここでは個人投資家に関係がある部分をいくつか紹介しておく。

投資家保護のため、金融商品取引業者は以下のようなルールを守る必要がある。

▽金融商品取引業に定められた業者の行為規制
・標識の掲示義務
・広告の規制
・契約締結前の書面交付義務
・契約締結時の書面交付義務
・虚偽のことを告げる行為の禁止
・不確実な事項について断定的判断を提供して勧誘をする行為の禁止
・勧誘されたくない顧客に対する訪問・電話による勧誘の禁止
・顧客が契約を締結しない意思表示をした後の、再勧誘の禁止
・損失補填の禁止
・適合性の原則

【参考】金融庁 | 新しい金融商品取引法制について(PDF)

投資家が金融商品取引法を知っておくべき理由

金融商品取引法は金融商品を売る側のルールを定めた法律である。しかし、商品を買う側である投資家もこの法律を知っておくことで、さまざまなメリットがある。

金融商品取引法を投資家が知るメリット1:書類に目を通すことで商品のリスクが確認できる

金融商品取引法では、金融商品販売側は契約締結前と契約締結時に書類を交付する義務がある。これらの書類には、手数料や顧客が支払わなければならない報酬のほか、商品が元本割れする恐れがある場合にはその旨を記載しなければならないとされている。このルールを知っていれば、交付される書類に必ず目を通さなければならないことが理解できるだろう。

金融商品取引法の投資家の保護とは、投資家に必要な情報を与えないことで、あるいは投資家に誤った情報を与えることで投資家が予期しない損失を被ることを防ぐことである。

これは、投資家に必ず損をさせない、ということではない。金融商品の取引はあくまで自己責任なのだ。書類に必ず目を通すことで、コストとリスクを理解し、納得した上で取引を行わなければならない。

金融商品取引法を投資家が知るメリット2:リスクの高い商品を知ることができる

金融商品の取引には「売り手」と「買い手」がいるが、一般には売り手がほぼ一方的に情報を持っており、買い手は充分な情報を持っていない。このように、取引における各主体が保有する情報に格差があることを、「情報の非対称性」という。

金融商品はその多様化により、○○預金や○○保険など、従来の預金や保険のイメージから、一見すると安全と思える商品と思える商品が数多く生まれている。

金融商品取引法では、有価証券だけでなく、こういった投資性のある商品が横断的に規制の対象となっている。つまり、金融商品取引法で規制の対象となっている商品は損をする可能性があると言えるのだ。

事前に金融商品取引法の対象商品や、同等の規制が適用される商品を知っておけば、自分が取引しようとしている商品がリスクのある商品であることを認識でき、注意深く取引を行える。

金融商品取引法を投資家が知るメリット3:投資商品へのリスク感度を高めることができる

金融商品取引法では、販売や勧誘のルールに対しても多くの規制がある。これらを知っておくことで、明らかに悪意のある勧誘や、詐欺まがいの販売を見分けることができる。

たとえば、金融商品取引法では、断定的な勧誘や、損失の補填は禁止されている。したがって、「いまこの商品を買えば必ず儲かる」や、「損失が出たらこちらで補填する」のような文句で勧誘してくる業者には、違和感を覚えるようになるだろう。

このように、金融商品取引業者が禁止されている販売・勧誘ルールを知っておくことで、リスク感度を高めることができるのである。

金融商品取引法を理解するための4つのポイント

金融商品取引法の具体的な内容は、大きく分けて以下、4つの柱からなっている。1つずつ詳しく見ていこう。

▽金融商品取引法の主な4つの柱
・投資性の強い金融商品に対する横断的な投資者保護法制(いわゆる投資サービス法制)の構築
・開示制度の拡充
・取引所の自主規制機能の強化
・不公正取引等への厳正な対応

金融商品取引法の主な柱1:投資性の強い金融商品に対する横断的な投資者保護法制の構築

投資者保護は金融商品取引法の大きな目的の1つなので、多くの事柄が整備されているが、なかでも重要なのが「規制対象商品の横断化」と「顧客の属性に応じた行為規制の柔軟化」である。

まず、規制対象商品の横断化とは、投資性の強い金融商品やサービスに対し、すき間なく同等の規制を適用するものである。

たとえば、金融商品のなかでも預金や保険は「銀行法」「保険業法」などで規制されており、「金融商品取引法」の直接の規制対象とはならない。しかし、これらの商品のなかにも元本割れを起こしたり、金利の変動により損失が出るといった「投資性の強い預金・保険」などは存在する。

これらの投資性の強い商品においては、「金融商品取引法」と基本的に同等のルールが適用される。つまり、投資家にとってもこれらのルールが適用される商品はリスクがあるものと判断できるのである。

次に、 顧客の属性に応じた行為規制の柔軟化とは、要するに顧客の知識レベル(プロの投資家か一般の投資家か)によって規制の適用範囲を変えることである。たとえば、プロの投資家(特定投資家)に対しては契約締結前の書面交付の義務が適用除外になっている。

これにより、元々知識のある投資家は円滑な取引が行えるようになる。

金融商品取引法を投資家が知るメリット2:開示制度の拡充

金融商品取引法において拡充された開示制度は主に次の4つである。

▽金融商品取引法で拡充された主な開示制度

開示情報内容
四半期開示の決定化上場会社に対して、「四半期報告書」の提出を義務付け。公認会計士・監査法人による監査の対象とする
財務報告にかかる内部統制の強化上場企業に対して、事業年度ごとに財務報告に関する内部統制の有効性を評価する「内部統制報告書」の提出を義務付け、公認会計士・監査法人による監査の対象とする
公開買付制度の見直し取引市場外において株式の大量の買付けを行おうとする買付者に対し、買付期間・数量・価格などの開示を義務付ける
大量保有統合制度の見直し株式などの大量保有の状況を、投資家に迅速に開示する。上場株式などの保有割合が5%超になった者は、その日から5営業日以内に「大量保有報告書」を提出しなければならない

金融商品取引法を投資家が知るメリット3:取引所の自主規制機能の強化

現行法では、証券取引所は株式会社化が認められているが、そうすると「利益を追い求める」という株式会社の目的と、取引所取引の公正性・透明性確保に向けた業務(自主規制業務)との両立が困難になることが指摘されている。自主規制業務とは、上場・上場廃止に関する業務や、法令遵守状況の調査などである。

金融商品取引法では、自主規制業務を別の「自主規制法人」に委託することや、株式会社の場合は「自主規制委員会」をおくことを可能にする制度が整備されている。

金融商品取引法を投資家が知るメリット4:不公正取引等への厳正な対応

投資家保護を徹底し、取引の公正性・透明性を確保するために、証券取引法に比べて罰則の水準が強化されている。

たとえば、書類に虚偽の記載や不公正な取引などについて、以下のように法定刑が引き上げられた。

▽証券取引法と金融商品取引法の不公正取引への対応の違い

項目証券取引法金融商品取引法
不公正取引、重要事項に虚偽記載のある有価証券届出書などの提出・懲役5年以下
・罰金(個人)500万円以下
・罰金(法人)5億円以下
・懲役10年以下
・罰金(個人)1,000万円以下
・罰金(法人)7億円以下

金融商品取引法が対象とする業者や金融商品の範囲

金融商品取引法が、誰を対象に、どの業者に対して適用されているのか、また金融商品取引法で規制される金融商品の範囲を紹介する。

規制対象の投資サービスの受け手は?

金融商品取引法の顧客は、「特定投資家(プロ)」と「一般投資家(アマ)」に区分され、さらに利用者が申し出ることによって「特定投資家」と「一般投資家」との間の移行も認められている。

▽金融商品取引法上の顧客の定義と一般/特定投資家への移行の可不可

顧客の種別対象移行の可不可
特定投資家(1)適格機関投資家、国、日本銀行一般投資家への移行不可
(2)特殊法人・独立行政法人、金融商品取引所に上場されている株券の発行者である会社、資本金の額が5億円以上であると見込まれる株式会社など一般投資家への移行可能
一般投資家(3)上記(1)(2)以外の法人、一定の要件を満たす個人特定投資家への移行可能
(1)(2)(3)以外の個人特定投資家への移行不可

利用者保護が前提であるが、円滑な取引を両立させるという観点から、顧客が「特定投資家(プロ)」である時には契約締結前の書面交付義務などの一部の行為規制が適用除外される。

規制対象の金融商品取引業者とは?

金融商品取引業は、その業者が行おうとする業務内容の範囲に応じて、「第一種金融商品取引業」「 第二種金融商品取引業」「投資運用業」「投資助言・代理業」の4つの区分に分けられている。

▽金融商品取引業の種別と主な業務内容

金融商品取引業主な業務内容
第一種金融商品取引業・流動性の高い有価証券の販売・勧誘
・顧客資産の管理
・店頭デリバティブ取引の販売・勧誘
第二種金融商品取引業・流動性の低い有価証券の販売・勧誘
・市場デリバティブ取引の販売・勧誘
投資運用業・投資運用
投資助言・代理業・投資助言
・投資顧問契約・投資一任契約の締結の代理・媒介

規制対象の投資性のある金融商品とは?

金融商品取引法の規制対象となっている投資性のある金融商品には、大きく分けて「有価証券」と「デリバティブ取引」がある。

▽金融商品取引法の規制対象となる金融商品の主な種別

種別内容
有価証券国債、地方債、社債、株式、投資信託のほか、信託受益権全般、集団投資スキーム持分など
デリバティブ取引先物取引、オプション取引、スワップ取引のほか、通貨・金利スワップ取引、天候デリバティブ取引など

また、一見すると有価証券やデリバティブ取引に見えなくても、次のような投資性の高い金融商品は「金融商品取引法」と基本的に同じ販売・勧誘ルールが適用される。

▽金融商品取引法の適用範囲となる主な金融商品

種別金融商品内容
投資性の強い預金など外貨預金為替相場の変動により、円建て元本が目減りする恐れがある預金
デリバティブ預金中途解約の場合、金利動向に基づき計算される違約金により、元本割れする恐れがある預金
投資性の強い保険など外貨建て預金・年金為替相場の変動により、円建ての保険金などにつき損失が出る恐れがある保険・年金
変額保険・年金運用状況により、保険金につき損失が出る恐れがある保険・年金
投資性の強い信託指定金銭信託運用状況により、元本割れする恐れがある信託
商品先物取引商品の価格などの変動により、損失が出る恐れがある取引
不動産特定共同事業不動産取引の状況により、損失が出る恐れがある取引

金融商品の販売業者が守らなければならない販売・勧誘ルール5つ

金融商品取引法では、金融商品の販売業者が守らなければならないさまざまなルールが設けられている。これらは販売する側に設けられたルールだが、投資家としてこれらの知識を知っておくことで、販売者がルールを破っていないか、信頼できる業者かを判断するのに役立つ。ここでは、なかでも重要な5つの販売・勧誘ルールを紹介する。

金融商品取引法に定められた販売業者のルール1:広告の規制

金融商品を販売・勧誘する場合、次の情報を記載しなければならないと定められている。

▽金融商品の販売・勧誘の際に記載しなければならない情報
・業者等の商号、名称または氏名
・金融商品取引業者である旨および登録番号
・顧客の判断に影響を及ぼす重要な事項

【参考】e-GOV | 金融商品取引法 第三十七条(広告等の規制)

また、著しく事実と異なる表示をしたり、人に誤解を与えるような表示をしてはならないことも定められている。

ここでいう広告には、テレビや新聞・雑誌・ホームページへの掲載のほか、郵便や電子メール、パンフレット、販売用資料等なども含まれる。

金融商品取引法に定められた販売業者のルール2:書面交付義務

契約締結前と契約締結時に書面を交付することが求められている。必ず記載しなければならない項目は、業者の商号や登録番号といった「広告の規制」で挙げた3項目に加え、以下の内容などである。

▽金融商品取引法に定められた書面交付委義務の主な内容
・金融商品取引契約の概要
・手数料、報酬など顧客が支払うべき対価
・金利、通貨の価格の変化により顧客が損失を被る可能性があること
・損失の額が証拠金や保証金を上回る可能性があること

【参考】e-GOV | 金融商品取引法 第三十七条の三(契約締結前の書面の交付)

金融商品取引法に定められた販売業者のルール3:適合性の原則

適合性の原則とは、金融商品取引行為において、顧客の知識、経験、財産の状況そして金融商品取引契約を結ぶ目的に照らして、不適当と認められる勧誘を行なって投資者の保護に欠けることがないようにする原則のことである。

老後のために堅実な運用がしたい顧客に対して、ハイリスクな商品を売るなどは、この適合性の原則に反する行為となる。

【参考】e-GOV | 金融商品取引法 第四十条(適合性の原則)

金融商品取引法に定められた販売業者のルール4:禁止行為

金融商品取引業者は、勧誘において次のことを行ってはならないと定められている。

▽金融商品取引法に定められた販売業者の主な禁止行為
・顧客に対して虚偽のことを告げる行為
・不確実な事項について断定的な判断を提供する、または確実であると誤解させて勧誘をする行為
・信用格付業者以外の信用格付を提供して勧誘をする行為
・取引を必要としていない顧客に対し、訪問や電話によって商品を勧誘する行為
・金融商品が必要かどうか顧客に確認することなく勧誘する行為
・金融商品を契約しないといっているのにしつこく勧誘を継続する行為
・その他、金融商品取引業の信用を失墜させる行為

【参考】e-GOV | 金融商品取引法 第三十八条(禁止行為)

なお、契約の締結や解約に関し、顧客をだましたり、脅迫や暴行を加えることはもちろん禁止されている。また、次項で解説する、損失の補填を約束する行為も禁止されているので、併せて確認しておこう。

金融商品取引法に定められた販売業者のルール5:損失補填の禁止

金融商品の取引にはリスクがあり、当然損失が出ることもある。損失補填の禁止とは、投資で生じた損失を、金融商品取引業者が補填すること、または第三者に補填させることを禁じるルールである。

もちろん、損失を補填する約束をして契約を締結するのは違反であるし、あらかじめ定めた利益に達しなかった場合、その差額を補填することも禁止されている。

投資によって生じた損失の責任はあくまで商品を買った投資家側にある。損失が出ても補填するという業者はまず疑うべきである。

【参考】e-GOV | 金融商品取引法 第三十九条(損失補填等の禁止)

投資家が金融商品を購入する際のチェックポイント

金融商品取引法の目的の1つは投資家の保護であるので、このルールの知識を実際の取引に活かせれば安全な取引につながる。ここでは金融商品を購入する際にチェックしておくべきポイントを紹介する。

投資家のチェックポイント1:金融商品取引法が対象とする業者や金融商品の範囲かどうか

商品を取引しようとしている業者が、金融商品取引法が対象とする業者かどうかは重要である。投資家としては、「登録を受けた業者であるか」をまず確認することが大切だ。その上で信用できる業者かどうかの判断をすることになる。

取引する金融商品が金融商品取引法で規制される範囲の商品であるかの確認も重要である。対象になっていれば投資性のある(=リスクのある)商品と言える。

投資家のチェックポイント2:販売業者が販売・勧誘ルールを守っているかどうか

販売業者が販売・勧誘ルールを守っているかどうかも、信用できる業者かどうかを判断するのに有効だ。

断っているのにしつこく勧誘してきたり、リスクがある商品にもかかわらず「必ず儲かる」などと言ってくるなど、明らかに金融商品取引法で定められたルールを守っていない業者は、不誠実な業者であると言える。

投資家のチェックポイント2:付き合いのある専門家は投資助言・代理業の登録を受けているか

投資の相談をしている専門家が、投資助言・代理業の登録を受けているかの確認を行おう。

金融商品取引法では、広告や金融商品の契約前の書類などに、金融商品取引業者である旨とその登録番号を表示しなければならない。

SNS上では登録を受けていないにもかかわらず投資助言・代理業として活動している専門家も散見されるので、充分な注意が必要だ。

まとめ:金融商品取引法を投資家が知っておくメリットは大きい

金融商品取引法は金融商品を販売する側が守るべきルールを定めた法律だが、投資家がそのルールを知っておくメリットも大きい。内容を理解し、販売業者が断定的な判断を押し付けていないか、また損失の補填など明らかなルール違反で勧誘していないかをチェックすることで、その業者の信頼性を測ることができるのである。

金融業界、または社会情勢の変化により、金融商品取引法の改正などがニュースになることもある。ぜひ、金融商品取引法に興味を持ち、学びを深めてほしい。