日本行きの旅行予約も殺到

新型コロナウイルスの水際対策の緩和も追い風となり、日本が「韓国で人気No.1 の海外旅行先」の座を奪還する可能性も高まっている。

韓国の旅行会社インターパークツアーによると、2022年5月15~21日までの日本行きのフライト予約は、前週から139%増加。

今後、各航空路が本格的に再開し、日本への入国制限がさらに緩和されるに伴い、韓国から日本を訪れる観光客が急増することが予想される。大手旅行会社は需要の拡大を見越し、日本旅行のパッケージ化を急いでいるという。

日本の約6割、韓国の約8割の国民が「譲歩すべきではない」

しかし、これだけで「反日感情は消え去った」と判断するのは早計だ。そのことを示す調査結果がある。

読売新聞と韓国日報が2022年5月下旬、それぞれ約1,000人の成人を対象に実施した調査では、「日韓関係の改善に期待している」との質問に対し、日本の回答者の31%、韓国の回答者の53%が同意した。前年と比べると、日本は17ポイント増(以下pt)、韓国は24 pt増と大幅に増えた。

一方、「変わらないと思う」と答えた日本の回答者は61%(8pt減)、韓国の回答者は35%(23pt減)と、特に韓国側で大きな変化が見られた。

ところが、「日韓関係の改善のために、徴用工や元慰安婦などの歴史問題について、自国が相手国に歩み寄るべきか」という質問では、日本の回答者の58%(1pt減)、韓国の回答者の81%(2pt増)が「譲歩すべきではない」と答えた。

この調査結果を見る限り、大半の国民は日韓関係の改善を望んでいるが、歴史的問題になると話は別と考えていることがわかる。

反日感情が根強い韓国メディア

世論における一貫性の欠落は、韓国メディアにも反映されている。両国関係の修復を求めるかと思えば、逆鱗のスイッチに触れるやいなや反日感情を噴出させる。

2022年5月23日の日米首脳会談で、バイデン大統領が日本の国連常任国入りを支持する意向を示した際には、韓国メディアがこぞって猛反発した。韓国日報は「日本は戦時中の性奴隷制や強制労働などの残虐行為を認め、謝罪することを今なお拒否している」とし、「日本に安保理の常任理事国入りする資格があるとは思えない」と批判している。「ユン政権は、日本の歓迎されない動き(=安保理の常任理事国入り)に反対する、明確なメッセージを送るべきだ」と憤慨を露わにした。

さらに6月中旬、日本側が日韓首脳会談を見送る意向を明らかにしたことについては、複数の韓国メディアが日本側の「高慢さ」を叩く記事を掲載した。

韓国には反日活動を展開する個人や団体も数多く存在する。