この記事は2022年7月20日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=PIXTA)

2022年7月20日(水)の午前9時すぎに現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

西原宏一
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。

現在の為替相場の傾向や相場観

ブルームバーグによれば、天然ガスパイプライン「ノルドストリーム1」を通じたロシアのガス供給は、保守作業の完了後、2022年7月21日(木)に予定通り再開される見通し。しかし、供給量はパイプラインの輸送能力を下回ると事情に詳しい複数の関係者が明らかにしたとの事。

また、これとは別にフィナンシャル・タイムズによれば、「ロシアとウクライナは黒海から大量の穀物を輸送する安全性の確保で近く合意する見通し」と報じている。既報のようにECBも世界的な大幅利上げの流れに加わるとの見方が拡大しているようだ。

2022年6月は、ECBは0.25%利上げの方針を示したが、インフレ悪化の中で再考の可能性が高まっている模様。ECBにとっては約10年ぶりの利上げに関して、0.5%という利上げ幅に十分な支持があるかどうかは不明。

ブルームバーグが調査したエコノミストの過半数は今週の利上げ幅を0.25%と予想。0.5%を予想したのは53人中4人だけとなっている。

現在の為替相場の戦略やスタンス

ユーロ/米ドルは、ECBの0.50%の利上げという噂をきっかけに一時1.0269ドルまで反発。ダブルボトムとなっていた1.03ドルミドルがレジスタントになっており、上げ渋り。ECBの利上げ幅よりも「ノルドストリーム1」に関する報道に注目している。さらに、2022年7月21日(木)のECBを控えているため、動きにくい展開。

米ドル/円は、シーケンシャルの日足が調整を示唆しているとおり、反落したが、137円台前半が底堅く反発。調整終了と判断するには、値幅ではなく、時間が足りないと想定しているため、米ドル/円はコアロングを維持しつつ、押し目を待ちたい。

▽米ドル/円の日足チャート

220720nishiharaL
(画像=羊飼いのFXブログ)

*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。