「ラーメン二郎」はなぜ、人々の心と胃袋を掴んで離さないのか
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大きな丼に山盛りにされた麺と野菜が特徴的な「ラーメン二郎」は、「ジロリアン」と呼ばれる熱狂的なファンを持ち、根強い人気を持つ。二郎に影響を受けたいわゆる「インスパイア系」の店も多数あり、ラーメンのジャンルの一つとして確立されていると言っても過言ではない。

「ラーメン二郎」の歴史

ラーメン二郎の歴史は長い。1968年に山田拓美氏が創業し、東京都目黒区の都立大学駅近くに最初の店舗を開いた。その後、港区三田の慶應義塾大学近くに移転し、慶大生をはじめ続々と人気を集め、現在は有限会社ラーメン二郎として都内を中心に全国展開する。

「食べたことがない」のに始めたラーメン屋

ファンから「総帥」と呼ばれている山田氏は、メディアの取材をほとんど受けないことでも有名だ。数少ないインタビューによると、料亭で働いた後、20代でラーメン屋を始めた。しかし当時は、ラーメンを「食べたことも作ったこともなかった」と言う。開店当初はお客さんがほとんど入らない日もあったそうだ。

店を辞めようとさえ思ったこともあるが、その後別のラーメン屋で修行をし、調味料を変えたり麺の量を増量したりして工夫を凝らした。大盛りの麺、野菜、豚(チャーシュー)、脂などを特徴とする現在の二郎スタイルに近い形になった。

支店や「二郎系」、「二郎インスパイア系」も

ラーメン二郎で修行を積んだ店主による支店は全国に約40店舗ある。各店舗は独立採算で、年に1度の店主会議が開かれる他、「認定証」があるという。

一方で、二郎グループの加盟店ではない、いわゆる「二郎系」「二郎インスパイア系」と呼ばれるラーメン屋も全国にある。ラーメン二郎はこれらについて、加盟店を装ったり修行経験を偽ったりしない限りは寛容なようだ。

ラーメン二郎の特徴

ラーメン二郎のスープは、豚の背脂や豚ガラと香味野菜で旨味を引き出しており、脂が溶けて白っぽく濁る「乳化」が特徴だ。極太で硬め、ボリューミーな麺と、山盛りのもやしやキャベツも印象的で、一番小さいサイズを頼んでも普通のラーメン屋の大盛り以上のボリュームがある。ジロリアンは「ラーメンではなく二郎という別の食べ物」とさえ表現する。

二郎グループ、人気の店舗は?

2022年7月17日時点で、食べログの評価における全国のラーメン二郎(本店・支店)のランキングは以下の通りだ。いずれも評価が5段階のうち3.7を超えている。

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