この記事は2022年9月2日にSBI証券で公開された日本株投資戦略特選「投資家の関心度が高い9月の株主優待銘柄」は?を一部編集し、転載したものです。

日本株投資戦略特選「投資家の関心度が高い9月の株主優待銘柄」は?
(画像=SBI証券)

目次

  1. 日本株投資戦略特選「投資家の関心度が高い2022年9月の株主優待銘柄」は?
  2. 株主優待の一部をご紹介
    1. トリドールホールディングス(3397)
    2. ニップン(2001)
    3. 上新電機(8173)

日本株投資戦略特選「投資家の関心度が高い2022年9月の株主優待銘柄」は?

2022年8月末の日経平均株価は前月末比1.0%上昇とプラスをキープしました。米国株(S&P500・同4.2%下落)に比べれば堅調と言えますが、月末にかけてはインフレ・金利上昇懸念が再燃する中で、やや波乱となりました。2022年9月相場も、9月1日(木)の日経平均株価が大幅安したこともあり、やや波乱を予期させるスタートになっています。

ただ、2022年9月相場が仮に波乱となった場合、中長期的なスタンスで臨む投資家にとっては買い好機になるかもしれません。9月末に配当や株主優待の権利が確定する銘柄が多いため、安値でこれらの権利をつかむチャンスが広がるためです。

そこで今回の「日本株投資戦略」では、9月株主優待銘柄についてのチェックを行ってみました。9月末に株主優待の権利が確定する会社数は402社あり、3月末に確定する会社数(786社)に次ぎ、2番目に多くなっています。株主優待に強く関心をもつ投資家であれば、9月は重要な月と考えられます。

なお、「9月に権利が確定する株主優待銘柄」のほとんどが2022年9月28日(水)を権利付最終日としています。この場合、2022年9月29日(木)の権利落ち日以降に買い付けができても、配当および株主優待の権利を確保することはできませんので、ご注意ください。

また、権利付最終日に優待実施銘柄を買い、権利落ち日に売ることで、効率良く株主優待の権利獲得を考える投資家の方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここで注意すべき点は、買い付ける時の株価が予想外に高くなったり、売る時の株価が予想外に安くなったりなど、相当額の売却損がでてしまうケースです。

配当取りも同様で、権利落ち日には配当実施分だけ株価が下がることが多くなっています。ノーコスト・ノーリスクで株主優待や配当を享受することは難しいでしょう。

それでも、コストやリスクを軽減して、株主優待の権利を確保する方法はあります。

ひとつは、複数銘柄に投資をし、リスク分散を図る方法です。

もうひとつは「つなぎ売り」を活用した取引です。「つなぎ売り」で株主優待をお得に活用する方法については、SBI証券のWebページでご紹介していますので、ご参考ください。ただ、「つなぎ売り」をした場合、信用取引の「売り」により、配当調整金を支払う必要が出て、実質的に配当を受け取れなくなるなど、重要な注意点*(下記脚注の詳細参照)もあります。メリットとデメリットを十分理解した上でのご利用をお願い申し上げます。

今回、「9月株主優待銘柄」として、ご紹介したい銘柄は、以下の条件により抽出された銘柄です。

(1)東証プライム市場上場銘柄
(2)9月に株主優待の権利確定を予定する銘柄で、権利付最終日が2022年9月28日(水)
(3)SBI証券の株主優待検索機能で「一般信用」、または「制度信用」対象銘柄
(4)2022年9月1日(木)までの10営業日で、もっとも出来高が少ない日でも1万株以上
(5)株主優待の権利確保に必要な最短保有期間の条件がない
(6)3月決算企業の場合、第1四半期の純損益が黒字。9月決算の場合、第3四半期累計の純損益が黒字
(7)継続企業の前提に疑義が生じていない
(8)信用取引規制が実施されていない(2022年9月2日時点)
(9)SBI証券株主優待検索ページで、閲覧回数の多い上位50銘柄以内(2022年9月1日時点)

すべての条件を満たす銘柄をSBI証券株主優待検索ページで、閲覧回数の多い順に並べたものが下の図表です。

*重要な注意点 ~つなぎ売りを利用した場合の「配当金(現物と信用)受け払いの差額」~
・権利付き最終日の大引け時点でつなぎ売りをしている場合、現物については税金が差し引かれた配当金(配当金の約80%)を受取り、一般信用売り建玉については配当落ち調整(配当金の100%)金をお支払いいただきます。したがいまして、配当金の約20%の差額をお客さまにご負担いただくことになります。
・現物株式の配当金は、源泉税(20.315%)が差し引かれた金額で支払われます。
・一般信用売り取引の場合は、配当落ち調整金として配当金の100%をお支払いいただきます。
・権利付き最終売買日と権利落ち日をまたいで信用売建玉がある場合、権利落ち日に予想配当金相当額(予定配当調整金)をあらかじめ委託保証金現金から拘束させていただき、配当金が確定後に拘束金から支払いを行います。信用売建玉に対する支払予定配当金相当額合計(予定配当調整金合計)は、「口座管理」>「信用建余力」>「建余力・追加保証金」の「増担保・配当調整金」に表示させていただいております。

投資家の関心度が高い9月の株主優待銘柄 投資家の関心度が高い9月の株主優待銘柄 投資家の関心度が高い9月の株主優待銘柄
(画像=SBI証券)

以下、一部の銘柄について、ポイントをご紹介します。

株主優待の一部をご紹介

以下、一部の銘柄について、ポイントをご紹介します。

トリドールホールディングス(3397)

当社は持株会社で、グループ各社はおもに飲食店を営んでいます。低価格なセルフ式うどん店の「丸亀製麺」を中心に2022年6月時点で830店を展開し、売上高の57.7%(2023年3月期・第1四半期)を占めています。この他、ハワイアンカフェ「コナズカフェ」や焼き鳥ファミリーダイニング「とりどーる」など複数業態で展開しています。

2022年8月31日(水)には傘下企業で、立ち飲み屋で関東No1店舗数を誇る「立呑み 晩酌屋」が関西初進出を実現しました。さらに海外(英国、米国、台湾)にも663店舗を展開しています。

1株配当ついては、2023年3月期末に7円50銭を予定していますが、中間配当の予定はありません。

2022年9月28日(水)現在の株主に対し、以下の株主優待が実施される予定です。

・100株以上200株未満・・・優待券3,000円相当(100円×30枚)
・200株以上1,000株未満・・・優待券4,000円相当(100円×40枚)
・1,000株以上2,000株未満・・・優待券10,000円相当(100円×100枚)
・2,000株以上・・・優待券15,000円相当(100円×150枚)

200株以上を1年以上継続保有した株主については、優待券3,000円相当(100円×30枚)が追加の予定です。

また、2023年3月優待に関しても同内容の株主優待が予定されています。

ニップン(2001)

当社は、日清製粉グループ本社(2002)に次ぐ国内第2位の製粉メーカーです。売上高(2023年3月期・第1四半期)の33.1%が製粉事業(業務用小麦粉、および飼料等に使われる小麦粉の複製品である「ふすま」)、同56.3%が食品事業(家庭用小麦粉、加工食品、中食)となっています。

1株配当ついては、中間期末(2022年9月)に19.0円、期末(2023年3月)に19.0円、年間で38.0円が会社予想です。2022年9月1日終値(1,562円)で計算された予想配当利回りは2.43%となっています。

2022年9月28日(水)現在の株主に対し、以下の株主優待が実施される予定です。

・全株主・・・自社グループ会社指定商品(アマニ油・サプリメント・ワイン等)の優待価格販売
・100株以上保有・・・株式会社ジュンコ・フローラ・スクール 小麦粘土でつくる 『パンの花』1日体験レッスン&プレコース(初心者向け短期講座)の無料受講及び入会時の入会金無料ご優待
・500株以上を1年以上継続保有・・・1,500円相当の自社商品詰合せ(パスタ等)

*2023年3月優待においては、同条件で3,000円相当の自社商品詰合せに変わります。なお、継続保有年数の条件はありません。

上新電機(8173)

当社は関西地盤の家電量販店大手企業です。中期計画によると店舗数は、大阪府54店、兵庫県38店はじめ関西地区が中心で、東海地区32店、埼玉県7店、千葉県5店等の関東地区、北信越地区にも進出し、全国で直営店208店舗、FC店5店舗の他、「BOOK OFF」または「TSUTAYA」にFC加盟店が10店舗もあります。

近年はインターネット販売にも注力しており、その売上構成比は2019年3月期13.5%から2022年3月期は18.5%に上昇しており、業績拡大の下支え役になっています。

1株配当ついては、中間期末(2022年9月)に0円、期末(2023年3月)に75.0円、年間で75.0円が会社予想です。2022年9月1日終値(1,890円)で計算された予想配当利回りは3.97%となっています。年間で高めの予想配当利回りとなっていますが、中間期末は無配予定ですので、注意が必要です。

2022年9月28日(水)時点の「全株主」に対し、5,000円相当の買物優待券(200円券×25枚)が贈呈される予定です。この優待券の使用は、2,000円以上の買物につき、2,000円ごとに1枚(200円)となっていますので、注意が必要です。

なお、2023年3月末株主に対しても買物優待券の贈呈が予定されていますが、保有株数・期間等で枚数が異なりますので、別途ご注意ください。

▽当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。東証プライム市場を中心に好業績が期待される銘柄・株主優待特集など、気になる話題についてわかりやすくお伝えします。

鈴木 英之
鈴木 英之
SBI証券 投資情報部長
・出身:東京(下町)生まれ埼玉育ち
・趣味:ハロプロの応援と旅行(乗り鉄)
・特技:どこでもいつでも寝られます
・好きな食べ物:サイゼリヤのごはん
・好きな場所:秋葉原(末広町)
ラジオNIKKEI(月曜日)、中部経済新聞(水曜日)、ストックボイス(木曜日)、ダイヤモンドZAIなど、定期的な寄稿も多数