この記事は2022年9月21日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=PIXTA)

2022年9月21日(水)の午前9時すぎに現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

西原宏一
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。

現在の為替相場の傾向や相場観

今週は中央銀行ウィーク。最大のイベントは明日22日(木)日本時間未明のFOMC。そして個人的に注目しているスイス中銀(以下SNB)、さらに日銀(以下BOJ)、BOEと続く。その中央銀行ウィークの先陣を切ったスウェーデン中銀はサプライズの100bpの利上げ。政策金利は一気に1.75%に。

スウェーデン中銀は声明で「インフレが定着するリスクは依然として大きい」と指摘、「インフレを確実に低下させ、安定化させるために金融政策で行動することは極めて重要だ」と説明。さらに「現段階では、金融政策は6月時点で予想されていた以上の行動が必要だ」と続けている。これは今回のFOMCとBOE、BOJ、SNBを控えて大幅利上げの警戒感を高める。

FOMCはウォールストリートジャーナルのFEDウォッチャー(ニック・ティミラオス氏)のコラムなどから考えれば、75bpの利上げで決まりだと思っているが、インフレ抑制に向けた世界的な取り組みの一環として100bp利上げも否定できなくなっている。これはもちろん、ドル高要因。

ただ米ドル/円に関しては、レートチェックまでステージが上がっているため日銀の介入警戒感も高まっている。

現在の為替相場の戦略やスタンス

日銀の介入に関して、山崎元財務官の以下発言があった。

------------為替介入でも「全然おかしくない」、政府は臨戦態勢-山崎元財務官- -----------

元財務官の山崎達雄氏(SBI金融経済研究所理事)は、過度な為替相場の変動に対して当局の警戒レベルが上がっているとし、先週や先々週のように短期間で5円程度動く場合は「介入をやっても全然おかしくない」との見解を示した。(出所:ブルームバーグ)
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こうした文脈から考えれば、ユーロ/米ドルに対してのドル高は進むが、米ドル/円は介入警戒感から上げ渋り、ユーロ/円は反落という流れの可能性も。

このスウェーデン中銀のサプライズの利上げから考えれば、SNBは既報のように、利上げが75bpどころか100bpの可能性も高まり、125bpという可能性も。

これはユーロ/スイスフランの売り要因。明日22日(木)の重要イベントを控え、ユーロ/円、ユーロ/スイスフランの戻り売りで臨みたい。

▽ユーロ/円 の月足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。