カーボンニュートラルがCO2削減につながる仕組み
カーボンニュートラルの仕組みは、「排出」と「吸収・除去」に分けると理解しやすい。
例えば、川崎バイオマス発電所では木質バイオマス燃料(再生可能エネルギー)を使用することで、温室効果ガスを抑える工夫をしている。木質バイオマス燃料は建設廃材を原料としているため、森林による吸収量を極力減らさずに発電することが可能だ。
世界的にこのような努力や工夫が行われれば、「排出量=吸収量+除去量」に近づきカーボンニュートラルが実現しやすくなる。ちなみに、カーボンニュートラルが完全に達成された状態は「脱炭素社会」と呼ばれており、近年では多くの企業がスローガンや目標として掲げている。
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カーボンニュートラルはなぜ必要? 注目される背景
そもそも、カーボンニュートラルはなぜ現代社会に必要なのだろうか。ここからは世界的な動向とともに、カーボンニュートラルが注目される背景を解説しよう。
京都議定書で6%の削減目標が設定される
地球温暖化に対する国際的な取り組みは、1992年のリオサミットから始まったとされている。このサミットで「国連気候変動枠組条約」が採択され、1993年12月までに50ヵ国が批准した。
さらに1997年に開催されたCOP3(国連気候変動枠組条約締約国会議)では、具体的な数値目標を盛り込んだ「京都議定書」が採択される。その結果、温室効果ガスを削減させることが国際的に義務化され、日本は1990年比で6%の削減目標を設定した。
パリ協定で124ヵ国がカーボンニュートラル実現を表明
京都議定書によって環境への意識は高まったものの、具体的な削減目標が設定されたのは先進国のみであった。その影響で先進国と途上国が対立し、後にアメリカは削減目標の約束を破棄してしまう。
このような中、京都議定書を引き継ぐ役割として2015年に採択されたのが「パリ協定」だ。2021年1月の時点では124ヵ国がカーボンニュートラル実現を表明しており、先進国・途上国が足並みをそろえて環境問題に取り組む土台が整った。
SDGsやESG経営の浸透
さらに2015年9月の国連サミットでは、国連加盟の193ヵ国が2030年までに達成するべき目標として「SDGs(持続可能な開発目標)」が採択された。また、環境への意識が強まるにつれて、企業や投資家の間ではESG経営(※)が注目されるようになり、近年では世界最大の年金基金GPIFも巨額なESG投資を行っている。
(※)「環境・社会・ガバナンス」の3要素を重視した経営手法のこと。
このような流れで、今やカーボンニュートラルの考え方は世界中に浸透しており、SDGsやESGに取り組む企業も珍しくなくなった。将来的には環境問題や社会問題への貢献度が、そのまま企業の評価や価値に直結する可能性があるので、中小経営者にとってもカーボンニュートラルは重要なキーワードになりつつある。