本記事は、たぱぞう氏の著書『僕が子どもに教えている1億円のつくり方』(KADOKAWA)の中から一部を抜粋・編集しています

正しい金融知識に従えば1億円は夢じゃない

1億円貯める月1万円投資術
(画像=redkphotohobby/stock.adobe.com)

「億万長者」は金融資産がたくさんある状態を指す言葉です。たしかに、「億万長者」を広辞苑で調べると「何億という財産を持つ大金持」と説明されています。

しかし、それは金融資産形成における一つの節目を指すもので、「億万長者」になることをゴールに設定すべきではないと考えています。

1990年初頭をピークに日本はデフレ下にあり、現金の価値が高いといわれてきましたが、ここにきて身の回りのたくさんのものが値上がりしていることにお気づきでしょう。

不動産、車、教育費といった比較的規模が大きいモノやサービスだけではなく、日々の生活に欠かせない食料品や日用雑貨にまで値上げが及んでいます。

一方で、日本の賃金の水準は伸びていません。

外国と比較するとそれはより一層明らかになります。

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(画像=『僕が子どもに教えている1億円のつくり方』より)

日本の賃金水準は米ドルベースでは30年ほとんど変わっておらず、今やお隣の韓国、もっと範囲を広げてヨーロッパ諸国を中心に日・米を含め38カ国の先進国が加盟する国際機関であるOECD(経済協力開発機構)加盟国の平均と比べても賃金水準が低いのです。

この状況に素直に従えば、増える見込みがあまりない収入で、値上がりするモノやサービスを購入していく生活を余儀なくされます。

それは受け入れがたいことでしょう。

このような状況下でご自身もお子さんも賢く生きるために必要になるのが、お金とそれを取り巻くさまざまな社会の仕組みに関する知識です。

「億万長者」になることは目標や目的ではなく、知識を得て行動した結果として達成できることです。

そしてその知識は相続税など一切気にせず子どもに授けることができるものです。

子どもに非課税の財産を残せるのは素晴らしいと思いませんか?

それは決して難しいことではありません。

この本を読んで得たことをお子さんと一緒に取り組むだけで可能です。

お金は幸福になるための道具

改めて「お金」とは何か? を定義してみます。

辞書的に言えばお金は「モノやサービス」と交換できるものです。

無限にある「欲望」の実現手段とでも言いましょうか。

「欲望」が満たされると、人間は幸福感を感じます。

そうです、「お金は幸せになるための道具」の一つです。

お金は私たちの人生の選択肢を広げてくれます。

お金があれば、住まいの選択肢が増えます。生活に便利な場所か、自然豊かな郊外か、一軒家かマンションか自由に選択することもできます。

子どもの教育も、今は選択肢が多いですね。ずっと国公立なのか、私立に進学させるのか。

留学させるという手段もあります。

しかし、どれもある程度のお金があって初めて、選択肢を持てるのです。

「お金」はあくまでも道具ですから、立派な包丁と同様で付き合い方次第で満足度が変わります。

上手に付き合わなければ、あっという間にさびて使い物にならなくなりますし、使い方が悪ければ凶器にもなりえます。

一方でうまく使いこなせれば、美しいお刺身の盛り合わせをつくれるかもしれません。

大事なことはお金との付き合い方です。

がつがつ貯めればいいというものでもありません。

お金で幸せになるためにどうすればいいかを知ってほしいのです。

これができたらあなたも億万長者になれる

「億万長者」になるためには、ほかにも必要なことが四つあります。

一つ目は明確な目標を持つことです。たとえば、「1億円をつくり億万長者になるんだ!」という目標を持つことです。

二つ目は誘惑を断ち切って、自分がやるべきことに集中することです。

実は、億万長者になること自体はそれほど難しいことではありませんが、正直時間はかかります。だから「億万長者になるんだ!」という目標を持っていても、時に挫折してしまいそうになることがあるでしょう。

大人は身に染みてわかっていると思いますが、世の中には誘惑が多いですね。

どこを向いても、何かしら欲しくなるものがありますし、やってみたいことがあります。お金を使うことで一瞬は幸せを感じられるものがたくさんあります。

しかし、億万長者になるためには、時にそのような誘惑を断ち切る勇気が必要です。

これはお金と上手に付き合うために必要な素養の一つです。

三つ目は信念を持つことです。

他人と同じことをしていても億万長者にはなれません。

億万長者になるためには、ほかの人がやっていないことをやる必要があるのです。たとえば、皆が車を持っていてもあなたは持っていない。デートでもきちんと割り勘にしているとしましょう。

しかし、周りにそういう人がいないと、自分がやっていることが変なんじゃないか? と、時に不安に思ってしまうかもしれません。

違います。

他人と違う道を進んでいても、これが私が歩む道! と信じることが大事です。

そして、自分を信じるために大事なことが、正しい知識を持つことです。

これが億万長者になるために必要なことの四つ目です。

お金の貯め方、増やし方、守り方、上手な使い方を知っておくことが大事です。

宝くじに当せんすることでもない限り、お金は急には増えてくれません。

だから、1億円を築くための行動はできるだけ早く始めて、時間をかけなければなりません。そして、始めるのに遅すぎるということもないのです。

しかし、行動の選択を間違えるとあっという間に減ることもよくある現実。

難しく聞こえますか?

安心してください。

この本では、お金の守り方もきちんとお話しします。

こんな人は一生お金に縁遠い

億万長者になるための心構えはご理解いただけたでしょうか。

もう一つ知っておいてほしいのは、億万長者にはなかなかなれない人の特徴です。

やってはいけないことを知っておけば、やるべきことがより明らかになります。

1)その場の気分や雰囲気に流されてしまう人

コンビニの前を通ったら何となく寄ってしまうとか、友人が持っているものが欲しくなってしまう。こういう人は使うお金が少額であっても「ちりも積もれば山」となり、1億円への道は遠くなる一方です。

その場の気分や雰囲気に流されることなく、本当に欲しいものなのか、必要なものなのかをいったん立ち止まって考えられるようになる人が億万長者の資質を持っているのです。

2)今日すべきことを明日に回す人

やるべき仕事や提出すべき書類にぎりぎりまで手をつけない人。

子どもの場合、夏休みの宿題や試験の勉強にぎりぎりまで手をつけない人。

こういう人は、常に締め切りに追われ、結果的に使わなくてもいいお金と時間を使うことになりがちです。

億万長者はそんなことはしません。すべきことを後回しにはしません。

"Time is money.”(時は金なり)という言葉がありますが、億万長者は時間を無駄にはしないのです。

3)いつも不平不満を言っている人

噓かと思われるかもしれませんが、お金は居心地がいいところを好みます。

人間やペットが快適なところがいいのと同じです。

そして、不平不満が多い人にはお金は集まってきません。

私が見てきた範囲から言うことですが、いつもニコニコして、周りの人に親切にする人、自分が親切にされたら「ありがとう」と言える人のところには、たくさん人が集まります。

持ち込まれる話題が多いですから、生きるうえで参考になる話をたくさん聞くことができます。その中には投資に役立つ話もあるでしょう。

こうしたことが積み重なって結果としてお金も増えるのです。

4)すぐあきらめる人

私が申し上げるまでもなく、人生いいことばかりは続きませんよね。

一生懸命取り組んでいるのに、仕事で結果が出ないことは決して珍しいことではないでしょう。

お子さんにたとえれば、たくさん練習しているのに部活のスポーツが上達しないとか、すごく勉強したのに試験がうまくいかなかったといったことでしょうか。だけど、そこであきらめてしまう人と、あきらめずに次も頑張ろうと思える人ではその後の結果に差が出ますね。

これはお金の世界も同じです。

何でもあきらめずにコツコツ続けられる人が億万長者になれるのです。結論はシンプルです。

「まじめで明るい前向きな人」が億万長者になれるのです。

そんなに難しくないと思いませんか?

億万長者になりたければ、見栄を捨てよ

「見栄」は他人によく見られたくて、実体以上によく見せようとする気持ちのことをいいます。

人がなぜ「見栄」にこだわるかというと、周りの人からいい評価をもらうため、認めてもらうためだったり、憧れている人に追いつこうとするからです。

しかし、「見栄」にこだわると、とてもお金がかかるのは論を俟ちません。身の丈以上のモノや体験をお金で買うわけですから。

友人より素敵な時計を着けていたら、気分はいいでしょう。

高級車を持っていれば、気分がいいですね。

広くて綺麗なマンションに住んでいるのも同様でしょうか。

女性なら指輪やネックレスといったジュエリーも同様の類かもしれませんね。

毎年のハワイ旅行も楽しそうです。

だけど、それが約束してくれる“いい気分”の時間は決して長くはありません。

世の中には次々に素敵なものが現れるものだし、そもそも人はすぐ慣れたり飽きたりするからです。

ならば、思い切って「見栄」は捨てましょう。

振り返ったら実は短い期間しか味わえない〝いい気分〞のために、自分の等身大以上の状態を続けるのはお金の有効な使い方だとは思いません。

あんなお金の使い方をしなければよかったと、後から気持ちもダメージを受けるかもしれません。

そして、何よりも「見栄」にこだわると、億万長者への道のりは長くなるからです。

「見栄」を捨てるために必要なことは、他人と自分を比べないことと誘惑に負けない信念を持つことです。

自分は自分といつも思うことです。

「見栄」を捨てれば、必要以上にお金を使わなくなるから、お金が手元に残ります。

そして、億万長者に少しだけ近づけます。

非常にシンプルなことです。

だから、時計であれば、時刻を確認するという本来の目的を優先しましょう。

車も、維持費が少ないものにするか、便利な地域にお住まいならカーシェアリング等を利用してもいいと思います。時計や車、不動産といったモノは価値が上昇するものと、下がるものがあります。要は、それらも広い意味で投資なのです。

投資を視野に入れないならば、とにかく安くて便利なものを買い、使うことが正解でしょう。逆に投資を視野に入れるならば、リセールやマーケットでの価格に敏感である必要があります。

僕が子どもに教えている1億円のつくり方
たぱぞう
2000年より投資を始め、2010年以降、米国株投資を中心に行う。2016年自らの投資観をブログにて書き始める。現在平均月間100万PV。「誰でもできる投資術」「誰でもわかる海外投資」をモットーに執筆中。2019年刊の初著書『お金が増える 米国株超楽ちん投資術』がベストセラーに。近著に『経済的自由をこの手に! 米国株で始める 100万円からのセミリタイア投資術』(小社刊)、『初めてでも儲かるたぱぞう式投資のキホン』(きずな出版)など。21年8月に開設したYouTubeチャンネルは現在登録者15.6万人。

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