「ギザ付きの10円が100円で売れた」のように、珍しい硬貨が高値で売れる話は誰もが聞いたことがあるはずだ。そんな中、実は2011~2013年の1円玉には5,000円の価値がつけられている。 たった1円になぜこのような高値がつけられているのか、今回は資産運用の話と交えながら解説していこう。
1円玉の価値が5,000倍に ? 2011~2013年の発行枚数が激減したワケ
一般的に1円玉などの貨幣の価値は、その年の発行枚数が少ないほど高くなると言われている。例えば、約1週間しか発行されなかった昭和64年の500円玉にはプレミアがついており、今では1枚あたり600円前後の相場で取引されている。
2011~2013年の1円玉にプレミアがついているのも、この発行枚数が大きな理由だ。以下の表を見ると分かるように、2011~2013年の3年間は1円玉の発行枚数が極端に少ない。
時期 | 1円玉の発行枚数 |
---|---|
2009年 | 48,003枚 |
2010年 | 7,905枚 |
2011年 | 456枚 |
2012年 | 659枚 |
2013年 | 554枚 |
2014年 | 124,013枚 |
2015年 | 82,004枚 |
2011年と言えば、ちょうど日本では電子マネーの普及が始まった時期である。つまり、キャッシュレス化の波が訪れたことで、1円玉をはじめとする少額硬貨の需要は激減し、そのうちのいくつかはプレミア硬貨として扱われるようになった。