この記事は2022年11月1日に「月刊暗号資産」で公開された「バイナンスがTwitterのブロックチェーン・暗号資産の活用を支援するチーム構築」を一部編集し、転載したものです。
大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)が、ブロックチェーンおよび暗号資産がTwitterにどのように役立つか取り組むチームを構築していることがわかった。先月28日、ロイターが報じた。
バイナンスは米大手電気自動車テスラのCEOであるイーロン・マスク(Elon Musk)氏によるTwitterの買収に賛同し、5億ドル(約740億円)を出資したことで知られる。出資の際、バイナンスのCEOであるCZ(チャンポン・ジャオ)氏は、「これは小さな貢献だ」と述べていた。今回のチーム構築についても、マスク氏によるTwitter買収に関連して立ち上げられたようだ。
マスク氏は兼ねてよりTwitter上に存在するボットアカウントやスパムが多いことに懸念を示していた。Twitterがこれらに関する情報を隠蔽しているとし、結果的に買収も遅延している。
このチームでは、マスク氏が訴えていたボットアカウントに関する問題を中心に、Twitterが抱える課題に対処するためのオンチェーンソリューションを構築する方法を模索していくという。
こうした動きは、Twitterの従業員削減にも影響を与える可能性がある。
マスク氏はTwitterの買収後、およそ75%の従業員を解雇する方針を固めているとの報道が散見された。その後、同氏は買収完了報道が出る前日にTwitter本社を訪れ、大量解雇については否定したものの、「一定の削減は必要」との態度は崩さなかった。
買収完了後、マスク氏はすでにCEOであるパラグ・アグラワル(Parag Agrawal)氏をはじめ、財務責任者のネッド・シーガル(Ned Segal)氏、法務責任者のヴィジャヤ・ガッデ(Vijaya Gadde)氏ら複数幹部を即時解雇。その後、取締役を全員解雇し、自らがCEOに就任するなど、動きを活発化させている。
マスク氏はTwitterの買収について、「金儲けのための買収ではない」と述べている。また、「人類の未来を考える上で共有のデジタル広場を存在させることが重要なことだ」との考えを自身のTwitterで示した。
今後もマスク氏によるTwitterの変革が加速度的に行われるものとみられ、その過程でブロックチェーンや暗号資産が活用される可能性が今回の報道によって高まったと言えるだろう。(提供:月刊暗号資産)