この記事は2022年11月4日に「月刊暗号資産」で公開された「デジタル通貨フォーラム、ソフトバンクや東京都などが新たに参加」を一部編集し、転載したものです。
米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)は3日、第3四半期(7〜9月)の決算を発表した。
決算報告書の中で、5億4,500万ドル(約807億円)の純損失を明らかにした。前年同期は4億600万ドル(約600億円)の純利益を計上していたため、大きく変動した形だ。
原因として、暗号資産の取引量が激減したことを挙げた。いわゆる「暗号資産の冬」の影響を受けて取引収益が前四半期から44%減少し、第3四半期の純収益(経常収益)は5億7,600万ドル(約852億円)で、第2四半期の8億300万ドル(約1,189億円)から28%減少した。
コインベースは投資家への報告書で、「取引収益は、マクロ経済と暗号資産市場の逆風が強まり、取引量がオフショアに移動したことで大きな影響を受けた」と説明している。
また、第3四半期のコインベースの月間取引ユーザー数(MTU)は850万人で、前期の900万人、第1四半期の920万人から減少した。通年で見た際には、月間ユーザー数は「900万人をわずかに下回る程度」に留まるとの認識を示している。
一方で、サブスクリプション・サービス収益は取引利息の増加により第2四半期から43%増加し、2億1,100万ドル(約312億円)に伸びている。同部門の収益はブロックチェーン報酬、カストディ手数料、受取利息から構成されているという。
コインベースは第3四半期の決算で損失を計上したものの、第2四半期の11億ドル(約1,626億円)と比較すれば50%以上の赤字を削減できたと強調する。また、5億ドル台の損失は想定の範囲内に収まったとし、今後についても「慎重に見ていくが楽観的に捉えている」との考えを示した。
現在、コインベースは営業費用の削減に取り組んでいるという。営業費用は前期と比べ38%減少したと説明している。
さらに、第4半期の予測として、「第3四半期の結果と比較すると、取引量は減少しMTUの数が同程度になる」と述べた。(提供:月刊暗号資産)