この記事は2022年12月22日に「月刊暗号資産」で公開された「アンバー・グループ、400億円規模の資金調達を完了」を一部編集し、転載したものです。
国内デジタル資産プラットフォーム「WhaleFin(ホエールフィン)」を運営するWhaleFin Holdings Japanの親会社のアンバー・グループ(Amber Group)が、3億ドル(約395億円)に及ぶシリーズCの資金調達を完了したと発表した。
アンバー・グループは今年11月時点でシリーズBを延長する形で資金調達を実施しており、1億ドル(約131億円)の調達を来年1月までに行う予定となっていたが、暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの破綻に伴い、途中で停止してシリーズCへ移行したという。これはアンバー・グループの総取引資本のうち10%ほどがFTXに置かれていたことを考慮したもので、バランスを再調整する必要があったと説明している。
今回の資金調達は上海に拠点を置くFenbushi Capitalがリードし、大口の個人投資家やファミリーオフィス系のファンドも参加したようだ。
アンバー・グループはシリーズBにおいて30億ドル(約3,955億円)の評価額で資金調達を行なったが、シリーズCについては公表していない。Bloombergの報道によれば、近頃の業界動向も影響し企業価値は予想を下回った可能性がある。
また、アンバー・グループはFTXの破綻以降、大幅に削減したことを明らかにした。元々1,100人いた従業員は300人程度まで削減された形だ。
今後は一般投資家向けおよび優先順位の低い事業を縮小する方針で、機関投資家や富裕層向けビジネスに特化していくと説明している。また、米国や欧州市場への参入、そしてメタバース領域への参入も検討していたが、一時的に停止し、事業の再構築を行うとしている。
暗号資産市場の冷え込み、そしてFTXの破綻による影響も加味すると、今後もアンバー・グループのように事業を縮小する企業は増加してく可能性がある。資金面で窮する業界関連企業も出てくることが考えられるため、引き続き動向を注視していく必要がある。(提供:月刊暗号資産)