独立系の資産運用アドバイス企業「株式会社バリューアドバイザーズ」はアドバイザーの正社員化にこだわる。富裕層の資産は親から子へと引き継がれるもの。顧客を「家族単位」で考える同社にとって、世代を跨いだ長期的な資産運用アドバイスを行うには、アドバイザーのノウハウも社内で継承される必要があるのだ。同社 代表取締役の五十嵐修平氏にIFA(独立系フィナンシャルアドバイザー)としての強みを聞いた。
顧客のために自由に提案できる立場に憧れる
―― ご自身のキャリアを含めて、御社を設立するまでの経緯を教えていただけますでしょうか。
私が投資に興味を持ったきっかけは、父が株式投資で得た利益を元手に一軒家を購入したことでした。小学生ながら「株ってすごいんだな」と感じたことを覚えています。私自身も大学生のときに株式投資を始め、アルバイト代よりも多く利益を得られたこともあります。
株式投資の魅力をもっと世の中に広めたいという思いもあり、2008年4月に証券会社に入社しました。入社後1~2年は新規開拓が中心でしたが、多くのお客様とお付き合いをさせていただき、とても楽しかったですね。
しかし入社後3~4年になるとノルマ商品の割り当てが多くなり、外国債券などを毎月提案しなければいけない状況が続きました。当時勤めていた証券会社では、南アフリカのランド建て債券の割り当てが大量にあったことを覚えています。短期的な回転売買を繰り返すケースもあり、「これはちょっと違うのではないか」と疑問を感じたことがきっかけで、証券会社を退職しました。富裕層の資産管理をお手伝いするうえでは不動産に関する知識も必要だと感じてましたので、高級不動産を扱っている先輩の会社に入社しました。インターネット集客に強い会社でしたので、さまざまな知見を積ませていただきました。その時に偶然IFAに関する広告を目にしたことがきっかけでIFA業界に興味を持ち、2013年にバリューアドバイザーズを設立しました。
―― 2008年4月に証券会社に入社とお伺いしましたが、リーマンショックをご経験されたということですね。
そうですね。当時は買うたびに下がっていくような恐ろしい相場でした。お客様に追証(追加保証金)の連絡をする先輩の姿が印象的で、今でもはっきりと覚えています。ただ、そのときの経験が現在の活動に活きている部分もあります。
相場が大きく下がることはあっても長期で見れば上昇しているケースも多いので、暴落時のお客様への説明や対応といったところでは、IFAとしての役目を果たせていると思います。
―― 御社を設立したときのお気持ちや当時の状況について、お聞かせいただけますでしょうか。
証券会社に在籍していたときに、「ノルマがなく、お客様のために自由に提案できる立場で働きたい」という思いがありました。勤続年数の関係で希望は叶いませんでしたが、IFAという業態であればフルコミッション制のような働き方も可能だと知り、画期的な制度だと思いました。
しかし、当時はIFAという言葉はほとんど認知されていませんでした。証券マンですら知らない方が多かったと思います。インターネットで検索してもほとんど情報が得られなかったですし、当時はお客様から「詐欺なんじゃないか」と思われることもありましたね。
顧客1人あたりの預かり資産は3,000~5,000万円
―― 御社のWebサイトを拝見すると、預かり残高が右肩上がりに増加していますが、現在の顧客数や預かり資産はどのくらいでしょうか?
当社は証券と保険の両方を取り扱っており、証券をお預かりのお客様が約1,250名、保険のお客様も入れると1,550~1,600名くらいです。預かり資産ですと170億円程度ですね。ちなみに当社には10名のIFAが所属しておりまして、全員が正社員です。保険専門の社員や事務専門の社員もいますが、1名当たり10~40億円程度の預かり資産があります。
当社の預かり資産を単純にお客様の人数で割ると、1人当たり1,300~1,400万円前後になりますが、お子さまやお孫さまの口座で積立投資を行っているお客さまも多いので、それらを除いた実質的な平均値としては3,000~5,000万円くらいになると思います。
―― お客様の属性はさまざまだと思いますが、あえて言いますと、どのような年代や属性の方が多いのでしょうか?
経営者や医者といった豊富な資産をお持ちのお客様が多いですね。世代で言いますと50~60代の現役世代の方が多いです。親世代から資産を相続したお客様も多く、ファミリーで大体3,000万円から1億円くらい保有しているイメージですね。
―― 顧客によって運用方針は変わると思いますが、御社としてはどのような運用をご提案されることが多いのでしょうか?
おっしゃる通り、お客様によって運用スタイルが変わるので一概には言えませんが、投資信託と債券を組み合わせたポートフォリオを組むケースが多いかもしれませんね。インカムゲインを必要としないお客様は株式中心の投資信託を長期で保有しておく、といったケースも多いです。
しかし当社のお客様の中にはインカムゲインも欲しいという年代に差し掛かっている方もいるので、そういった場合は劣後債などを組み合わせて利息を受け取ってもらう、といった運用をご提案することもありますね。
―― 御社のWebサイトには「家族信託サービス」と書かれていますが、どのようなお気持ちで始められたサービスなのでしょうか?
当社は既存のお客様を大事にしており、その一環として家族信託サービスを行っています。当社のお客様はお子さまやお孫さまの口座も開設していただいている方が多いとお話ししましたが、一家族で複数の口座を開いていただいているケースが多いのですね。そのようなお客様が多いということもあり、ファミリーの資産継承をサポートしていきたいという思いで家族信託サービスを始めました。
当社は司法書士などと提携して家族信託契約サービスを提供しています。楽天証券で家族信託口座を開設していただくことでサービスをご利用いただけます。
2022年は相続資産の運用、外貨建て保険の見直し相談が増えた
―― 今年はインフレや円安が加速するなど、マーケットが大きく動きました。お客様からどのようなご相談が多かったのでしょうか。
今年に入ってから受けたご相談として多かったものは2つありまして、1つ目は「相続した資産をどうしたらよいのか」というご相談、2つ目は「外貨建て保険に加入している意味はあるのか」というご相談です。
50代前半のお客様ですと、15~20年くらいは金融商品を保有できる方が多いので、投資信託などを長期的に保有し、将来的にインカムゲインを増やすことを目的として運用しましょう、といったご提案をさせていただくことが多かったと思います。
外貨建て保険に関しては、円安が進んだことによって含み益となっていることもあり、利益確定して他の商品に切り替えたほうがよいのか、というご相談もありました。
「保障が必要であればそのまま加入していてもよいでしょうし、不要であれば債券などで運用するのも1つの方法ですよ」とお話させていただいております。保障倍率の高さや相続対策になることを考えれば保険は有効ですが、当社にご相談いただいた方の多くは保障を必要とせず、「運用したい」と考えている方ですね。
―― 投資信託をご提案する際は、インデックスファンドとアクティブファンドのどちらをおすすめするケースが多いのでしょうか?
アドバイザーを付ける以上は少なからずコストが発生し、信託報酬もかかる点をお客様にご理解いただいた上で、当社はアクティブファンドを中心にご提案しております。
長期的に見ればインデックスに勝つ可能性がある投資信託を選定し、ポートフォリオを組んでいただいていますね。アクティブファンドを選定する際はシャープレシオなどのさまざまな指標を参考にしながら、当社の基準で選んでいます。
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