世の中の企業はどうやって資金調達している?
みずほ総合研究所が2016年7月に公開したレポートによると、国内の中小企業は担保・保証による借入に大きく依存している。
「事業性を評価した担保・保証によらない借入」に成功しているのは、全体の約4分の1に過ぎない。7割程度の中小企業は担保・保証人を提供しているため、成長性・将来性で評価されることは難しいと言えるだろう。
では、新型コロナウイルスの影響を受けた2020年以降はどうだろうか。次は三菱UFJリサーチ&コンサルティングによる、2022年3月の調査結果を見てみよう。
上のデータが示すように、2022年時点では9割以上の国内企業が金融機関からの借入に頼っている。補助金・助成金は返済義務がない点で魅力だが、活用できている企業は全体の20%程度に過ぎない。
また、資金調達先の金融機関として最も多かったのは地方銀行であり、全体の70%以上を占めている。一方で、政府系金融機関や都市銀行から融資を受けた企業は3~4割程度であり、地方銀行の半分程度に留まる結果となった。
これらのデータから、コロナ禍以降は地方の金融機関とのつながりが重視されている状況がうかがえる。その根拠として、信用金庫・信用組合から融資を受けている企業も都市銀行に次いで多い。
実はネットサービスやツールも資金調達対策になる
現代企業の資金調達には、意外なサービスやツールが役に立つこともある。具体的にどのようなものがあるか、以下では一例を紹介しよう。
上記のほか、資金繰り表や財務諸表の作成ツール、事業用資金の返済シミュレーションなども、インターネット上で多数公開されている。経営改善や企業再建を支援するサービスもあるので、悩んでいる経営者は役に立つものを探してみよう。
財務状態やキャッシュフローを分析し、最適な資金調達手段を見極めよう
中小企業は資金調達手段が限られるからこそ、普段から工夫をすることが重要だ。銀行からの融資だけではなく、政府系金融機関や商工中央金庫、補助金・助成金なども活用しながら、地道にキャッシュフローを改善する必要がある。
本記事で紹介したデータは、あくまで国内企業全体の傾向を表したものなので、財務状態などから自社に向いている資金調達方法を見極めていこう。