本記事は、松本美栄の著書『パフォーマンスを劇的に変える!快眠習慣』(自由国民社)の中から一部を抜粋・編集しています。
睡眠時間を削ることのリスク
「質のよい睡眠を取るための講演」を数多く行っている私も、以前は睡眠時間を削って仕事をしていました。
独立してサロンを開く前、会社員時代の時のことです。
入社まもなく、私は他の人の何倍も仕事をしていました。経験の浅かったその当時、結果を出すためには仕事の時間を長くするしかないと考えていたのです。
そのため、平日はいつも終電ギリギリまで働く生活をしていました。帰ってから夕食を作る気力がなかったのでスーパーのお惣菜かコンビニのお弁当を買って食べていました。
食事に偏りがあるとは感じていましたが、サプリを何種類か摂って栄養は補えているので、健康上は特に問題はないと思っていました。
そして、たまの休日はお昼頃まで眠って寝溜めをしていました。当時は休日に10時間くらい眠っていましたが疲れが取れることはありませんでした。
そういった生活を続けているうちにどんどん疲労が溜まっていきました。
モチベーションは下がり、やるべきタスクを後回しにしたり、優先順位を決めないで仕事にあたったりしていたため、やるべき仕事が積み重なっていきました。溜まった仕事をこなすために時間を作ろうとさらに睡眠を削っていきました。そのような時に異変が起き始めたのです。
仕事中のケアレスミスが明らかに増えたのです。
数分前にいわれたことを忘れてしまい、周りに迷惑をかけることも多くなりました。
印象に残っているのは、お客様の対応をしていたブースからいったん外に出た後、自分がどのブースでお客様の対応をしていたのかを忘れてしまうことが何回もあったことです。
手の平にボールペンでどこのブースで施術をしているのかをメモしておかないと自分のブースに戻れないほどだったのです。
「自分は仕事ができる方だ」と自信を持っていたのに簡単にできるはずのことができなくなったことに当時の私は大きなショックを受けました。
ミスの原因は頭の異常?
「これはおかしい。自分は頭がおかしくなってしまったのではないか」
頭に異常があるのならばどうにかしなくてはいけない、まずは自分の状態を調べるために検査をしよう。そう考え、メンタルクリニックに行くことにしました。
しかし、
「脳やメンタルの病気ではありませんよ」
診察していただいた先生にあっさりといわれてしまいました。病気ではないことははっきりしたのですが、明らかに以前の自分ではなくなってしまったという感覚がモヤモヤと私の中に残りました。
私は以前、発毛クリニックで働いていました。お客様の中にはストレスから薄毛や円形脱毛症になってしまった人も多くいらっしゃいました。
そのような方には一定期間のトータルケアが必要となります。
頭皮のケアだけでなく、足りない栄養素をチェックして、食事と睡眠の指導も行っていました。お客様の中にははじめはコミュニケーションが苦手でうまくできないという人も少なくなかったのですが、指導を受けていくにつれて明るくなって笑顔が増え、別人のように変わっていきました。
当時はそれが最大のやりがいで仕事を続けていましたが、そんな私自身は食事と睡眠をおろそかにしながら仕事をしていたわけです。
このままではいけないと感じた私は、会社を退職してもっと健康になるための知識と技術を学ぶことにしました。
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