この記事は2023年1月27日に「月刊暗号資産」で公開された「FTXの債権者リストが公開 国内大企業や金融庁等の政府機関の名も」を一部編集し、転載したものです。
昨年破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所FTXは25日、債権者リストを公開した。
このリストには世界各国の大企業や政府機関等が債権者として名を連ねている。しかし、資金が暗号資産取引所に保管されていた約970万の顧客についてはリストから除外された。
債権者リストには日本の大企業らの名前も挙がっている。日本の債権者は約40あり、東京スター銀行やPayPay銀行、楽天銀行、住信SBIネット銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行といった銀行のほか、Zホールディングス、サードバース、クリプトガレージなどが含まれている。また、国家機関では環境省や財務省、法務省、金融庁、関東財務局なども債権者として掲載された。
海外の暗号資産関連企業としては、バイナンス(Binance)、コインベース(Coinbase)、ギャラクシー・デジタル(Galaxy Digital)、サークル(Circle)、チャイナリシス(Chainalysis)などがリストに含まれた。さらに、大手企業では、アップル、ネットフリックス、アマゾン、メタ、グーグル、マイクロソフト、ツイッターなどが名を連ね、メディアではニューヨーク・タイムズ、ウォール・ストリート・ジャーナル、Coindeskが記載されている。
政府機関では、司法省をはじめ、州機関や合衆国内国歳入庁(IRS)の税務署が含まれた。他にもオーストラリア、香港、シンガポール、イギリス領ヴァージン諸島の政府機関も債権者リストに入っている。また、FTXの拠点であったバハマでは、財務省をはじめとする政府機関、ホテルや空港、廃棄物処理センター、タイヤ業者、飲食店、害虫駆除業者、園芸用品センターなどの名もリストにあった。
FTXは今月17日に55億ドル(約7,160億円)の流動性を確保したものの、大幅に資本が不足していると報告している。
債権者への返済を目指す上でFTXの取引所サービスを再開することも検討していると暫定CEOであるジョン・J・レイ三世(John J Ray Ⅲ)が明かしているが、現時点では日本法人のFTX Japanを含む4つの事業体の売却に注力していくものとみられる。(提供:月刊暗号資産)