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株式と債券、商品(コモディティ)のインターマーケット(市場間取引)のトレンドには密接な関係があります。この記事では株式と債券および商品が市場間取引を通じてどのような関係にあるのか、また、景気サイクルがこれらの金融資産にいかなる影響を及ぼすのかを解説します。

インターマーケットスプレッド取引とは

インターマーケットスプレッド取引は、異なる市場にある2つの金融商品の「価格差」または「金利差」を利用した裁定取引の一種で、「市場間スプレッド取引」とも呼ばれています。同じ証券や金融商品が、異なる市場、異なる価格で取引されていることに着目し、高い方を売り、安い方を買うという取引を同時に行い、両者の価格差が縮小したところで、逆に売り買いし、その差額を利益とします。

「日経225先物」と「TOPIX先物」のように、異なる先物取引の間で、理論価格に対して割高・割安になった場合のスプレッド取引も、インターマーケットスプレッド取引と呼ばれることがあります。

すべてのマーケットは相互に関連し合っています。つまり、あるマーケットで起きたことは別のマーケットに影響を及ぼすので、複数のマーケットを分析して取引をすることが大切です。

景気サイクルとインターマーケット

景気には波があり、良い時(好景気)と悪い時(不景気)を繰り返しながら成長します。この波のことを「景気循環(景気サイクル)」といいます。景気の状況によって恩恵を受ける資産クラス(株式投資の場合は企業や業界)が変わるため、高いリターンを得るためには、景気の波に合わせて投資をすることが重要です。

景気サイクルと株式、債券、商品のインターマーケットのトレンドには密接な関係があります。景気拡大と景気縮小の時期に応じて、株式、債券、商品相場は「循環した動き」を見せるからです。たとえば、景気拡大末期には、株式や商品よりも先に債券が下落に転じる傾向があります(一方、景気減速期には株式や商品よりも先に債券が反転上昇する傾向があるのです)。

また、景気拡大初期には債券や株式の金融資産が有利で、景気拡大後半は商品が有利です。また、インフレ時にも金や石油関連などの商品が有利になります。

各景気局面における債券と株式、商品(コモディティ)の動き