本記事は、内藤誼人氏の著書『世界最先端の研究が教える新事実 人間関係BEST100』(総合法令出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

子どもの好き嫌いをなくすには

子どもの好き嫌いをなくすには
(画像=yamasan/stock.adobe.com)

ニンジンが嫌いだとか、ピーマンが苦手だとか、子どもはあれこれと好き嫌いを言うものです。だからといって、「それなら、ニンジンは食べさせなくてもいいか」と考えるのはよくありません。

子どもの将来を考えたら、なんでも好き嫌いせずに食べられたほうがいいに決まっています。人付き合いもそうですが、好き嫌いが多い人ほど、出世できません。できるだけ子どもが小さなうちから、いろいろな食材をなんでも食べさせましょう。不思議なもので、たくさん食べていると、私たちは、それが好きになっていきます。どんな食材もそうです。

米国イリノイ大学のリーン・バーチは、14人の2歳児に、5種類のチーズのうち、2種類を毎日食べさせました。ただし、それぞれのチーズで、出す回数を、2回、5回、 10回、15回、20回と変えました。また、バーチは、チーズだけでなく、果物についても、毎日2種類の果物を出して食べさせました。

実験は26日間続けられました。そして最後に、チーズと果物のそれぞれに対して、2つの組み合わせのうち、好きなものを選ばせるということを10回やってみました。すると、14人中13人は、「回数がよりたくさん出されたもの」を好ましいと選んだのです。

私たちは単純に、よりたくさん食べたことのあるものを好むようです。

ですから、子どもの好き嫌いをなくしたいのなら、逆説的ながら、嫌いな食べ物をたくさん食べさせるようにすればいいのです。たとえ嫌がっても(笑)。

豆が嫌いという子どもには、さすがに毎日はかわいそうなので、2日おきくらいに豆料理を出していれば、そのうちに豆も好きになってくれることが予想されます。飲み物も豆乳にしましょう。同じように、野菜全般が嫌いなら、食事のたびにサラダを出すようにすれば、そのうち野菜も好きになります。

嫌いだからといって、それを食べさせないでいると、いつまで経っても、好き嫌いはなくなりません。ですから、手を変え品を変えながら、とにかく嫌いな食材をたくさん食べてもらうようにするのがポイントです。

大人になってから、好き嫌いをなくすのは大変です。できるだけ人生の早いうちに、好き嫌いなど言わない子どもに育ててしまいましょう。

世界最先端の研究が教える新事実 人間関係BEST100
内藤誼人(ないとう・のりと)
心理学者、立正大学客員教授、有限会社アンギルド代表取締役社長。慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。社会心理学の知見をベースに、ビジネスを中心とした実践的分野への応用に力を注ぐ心理学系アクティビスト。趣味は釣りとガーデニング。

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