本記事は、岡本康氏の著書『FIREできる不動産投資3つのルール』(standards)の中から一部を抜粋・編集しています。

持続
(画像=Andrii Yalanskyi/stock.adobe.com)

FIREのために「持ち続ける」

FIREに至るキャッシュフローの積み上げ方

キャッシュフロー投資法のルールで物件を手に入れたのであれば、キャッシュが多く残る物件なので持ち続けても大丈夫です。

FIREするためには、不労所得のキャッシュフローを積み上げるしかありません。FIREのための基本的な戦略は「物件を持ち続ける」です。FIREするまで、生活水準を変えないで物件からの収益を積み上げていきましょう。

わかりやすくするために事例を考えてみましょう。1億円の物件をいくつか買うとします。前提として、その1億円の物件からのキャッシュフローが250万円、返済期間が20年。このような物件を2年ごとに買えたとします。FIREの目標が10年後です。

FIREできる不動産投資3つのルール
(画像=FIREできる不動産投資3つのルール)

2年ごとの物件の購入ですから、10年間で5棟所有することになり、キャッシュフローの合計は年間1,250万円となります。FIREするには、まずまずの水準です。

物件を購入するののは2年ごとですから、1年目、3年目、5年目、7年目、9年目です。10年間で1棟目からの累積キャッシュフローは2,500万円、2棟目からは2,000万円、3棟目で1,500万円、4棟目で1,000万円、5棟目で500万円です。これらの合計は、7,500万円。

5棟を購入した経費(物件価格の7%と仮定)は、3,500万円とします。そうなると、あくまでも机上の計算ですが、手元には最大4,000万円残ることになります(7,500万円を維持するには、税金対策と生活水準の維持が必須となります)。

このようなケースですと、不労所得が1,250万円で、金融資産4,000万円を保有してFIREすることが可能です。

あくまで理想ですが、物件を持ち続けて買い続けたFIRE時点の結果です。全く不可能なケースではありません。かなり実現性が高いと言えます。

さて、次は銀行返済目線でお話しします。購入した物件はすべて20年の融資です。1棟目の物件の融資期間は10年経過しているため、10年となりました。さらに10年経過した20年後に、1棟目の返済が終わります。

この時点で、キャッシュフローが飛躍的に多くなるはずです。そうなれば、もはや老後の心配や経済的な心配からも解放されるでしょう。いや、富裕層の仲間入り確実です。

「そうはいっても、古くなった物件は外壁塗装や屋上防水工事で、多額の費用がかかるのでは?」という心配もあるかと思います。その場合は、大型修繕用に政策金融公庫などで借り入れすれば大丈夫です。複数棟持っていれば、キャッシュフローに大きなマイナスにはなりません。

来るべき相続のために準備すべきこと

さて、物件を持ち続けた将来に起こりそうな問題として、相続があります。

あなたに相続される家族が複数人いた場合、不動産の相続は現物なので少しやっかいになります。不動産の現物を均等に分けることは非常に困難です。また不動産を売却するにしても、売却したときの税金や諸費用、また多額の相続税や贈与税がかかる可能性もあります。

生前からもめないように決めておくのがよいでしょう。相続税対策もしなくてはなりません。

相続税対策のひとつとして、賃貸事業の法人化があります。相続税は個人に課せられるものであって、法人の財産に相続税はかかりません。相続させたい家族を法人の取締役にして、役員報酬という形で贈与税を支払わないで財産を移せるのです。不動産事業を法人化するメリットは、毎年の税金対策にくわえて相続対策としても有効な手段といえます。

FIREできる不動産投資3つのルール
岡本康
1965年生まれ、名古屋市出身。愛知大学法経学部卒。
ブルー・ソリューションズ株式会社代表取締役。
営業系の転職を4回経験。不動産投資を知り勉強を始め、2021年3月に会社員生活に終止符を打ちFIREを達成。
不動産の投資総額約10億円、FIRE時点での年間キャッシュフローは8桁、保有する不動産以外の金融資産は9桁達成。友人と不動産投資家のための優良物件選別システムを構築した。
優良物件選別システムは、日本初のAIを使った不動産投資に特化した情報解析システムで、Web上に公開されている数万件の不動産物件情報の中から希望するスペックの物件を抽出することができる。このシステムを使い不動産投資家に優良物件情報配信サービスを提供している。
現在は不動産資産管理会社と不動産情報解析サービス会社を経営。不動産投資で資産を築く投資家のためにノウハウを伝えて、FIREするためのサポートを行っている。

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