本記事は、野口敏氏の著書『2度目の会話が続きません』(サンクチュアリ出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

話題
(画像=fidaolga/stock.adobe.com)

共通の話題が見つかりません!

趣味、学校で探すよりも天気とカレンダーの話

天気の話題はきっかけにふさわしいテッパンの話題

人と話をするときに「まず共通の話題を探せ」などとよく言われます。しかし目の前にいる人と「出身地」「出身校」「趣味」などが同じという偶然は滅多にあるものではありません。

実はもっと身近に、誰とでも必ず共通する話題があるのです。

それが「天気」です。

「いいお天気ですね」「午後から雨みたいですね」「暑くなりそうですね」と話しかければ、誰もが「そうですね」と返してくれるはず。

あなたの親しみの気持ちが伝われば、相手も快く「そうですね」と返してくれるでしょう。

この「……ですね」「そうですね」のやり取りが共感となり、肯定となってお互いの心をやさしく開いてくれます。

カレンダーも共通の話題になる

天気以外では、カレンダーも必ず共通するいい話題になります。

「もう5月ですね」「連休ですね」「今年も半分終わりですか」「もうすぐ給料日ですか」「まだ水曜日ですか」など、暦や日程を話題にすれば、誰もが「そうですね」と答えてくれます。

しかし、みなさんの疑問はこのあとにあるのでしょう。

「いい天気ですね」「そうですね」のあと、どうして話をふくらませたらいいのか。

でも大丈夫。この疑問も、とても簡単に解決できるのです。

【×】ムリに共通の話題を探す

スポーツは何かなさいますか?

特にやっていません

そうですか……

ムリに探して共通の話題が見つからなければ、焦りが表情に出て、お互いに気まずい感じになることもあります

【○】共通していることを話題にする

いい天気ですね

そうですね

POINT

広がる会話は自分語り→質問ではじめる

「天気の話」って広がらなくない?

天気の話から「私ネタ」に持っていく

天気の話をずっとするから盛り上がらない

お伝えしたように、話しかけるときの話題は、天気やカレンダーの話でよいのです。

「夏らしくなってきましたね」
「本当に」

問題は、このあとの会話の広げ方です。

いちばんやってはいけないのは、「このあと1週間ぐらいは続くそうですよ」と、天気予報のような会話を続けることです。

情報だけの会話では親しみも生まれず、話も続きません。

ではどうしたらいいかというと、ここから「私の話」「あなたの話」につなげるのです。

話題転換は自分のエピソードから

きっかけは、自分からはじめることです。

「夏らしくなってきたので、私は……」とひと言話をします。

「まだ半袖のシャツを押し入れから出していない」
「実は私、暑いのが苦手なんです」
「うちの子も、来週から学校でプールがはじまるみたいです」

など、このあとは話がさまざまに広がっていきます。

相手の人も「そうそう、私……」と自分の話をすることもできるし、「ええっ! では○○ですか?」と質問をしてくれるかもしれません。

【×】天気予報のような会話を続ける

夏らしくなってきましたね

このお天気は、このあと1週間ぐらいは続くそうですよ。

そうですか……

情報だけの会話になってしまい、話が続きません

【○】お互いの話に広げる

夏らしくなってきましたね

本当に

まだ半袖のシャツを押し入れから出していないんですよ。いつも衣替え遅いんです、私

そうそう私も……

自分の話からはじめることで、相手も話しやすくなります

POINT

季節や天気とからめて、自分から話題をつくろう

誰にでも通じる話題ってあるんですか?

日常のあるあるを話題にする

「暑がり」「寒がり」から話を広げる

きっと読者の多くは、「暑がり」「寒がり」からどうしたら話が広がって楽しくなるのかわからないと、考えているかもしれません。

ここではその秘訣についてお話をします。

まずは率直に「○○さんは暑いのは得意? 苦手?」と話を向けてみましょう。

暑い、寒いなどは誰にでもある感覚なので、これこそが共通の話題となります。もうこれだけで雑談がはじまるのです。

自分がついしていることを思い出す

さあ、ここからが腕の見せ所。話を広げるためにこんなことを考えてみましょう。

自分が「暑くて」「寒くて」ついしていることを想像してみます。

「本当はクーラーの設定温度を22℃にしたい」
「(妻)にリモコンを好きにさせてはもらえないな」
「夏バテは食欲にくるな」

想像したことを質問してみる

自分が想像したことを相手にも尋ねてみます。「あなたはどうなんですか?」というニュアンスで聞いてみましょう。

職場での雑談でも、その方法は同じ。まず自分がつい思ってしまうこと、してしまうことを発見します。

それを同僚にも聞いてみればいいのです。

「昼休憩の何分前から、仕事モード終わってる?」

そこから思いもしない話に発展していくのが雑談。とても楽しい思いができるはずです。

「クーラーの設定温度は何度にしているの?」
「クーラーのリモコンの決定権は誰にあるの?」
「夏バテは、体のどこにくるの?」

あなたが想像したことは、相手のイメージを見事に刺激します。すると思ってもみなかったエピソードがこぼれ出すのです。

「家内がトイレに行ったすきにクーラーの温度を1℃下げる」
「たった1℃の違いを家内は瞬時に見抜く」
「家内がいないスキに温度を下げ、リモコンを隠す」
「家内はトイレに行くときも、リモコンをエプロンのポケットに入れて行くようになった」

……と、日常の中で起きるミニ事件を聞かせてもらえます。

冬になれば「寒いのは苦にしない? 苦手?」と聞いてください。

POINT

まず自分がつい思うこと、していることに目を向ける

2度目の会話が続きません
野口敏
1959年生まれ。㈱グッドコミュニケーション代表取締役。関西大学経済学部卒。
1989年に男性にコミュニケーションを教える花婿講座を日本で最初に開講。マスコミから200社以上取材を受けるも、「男が結婚のために勉強するなど情けない」と世の中から猛バッシングを受け、時代を先駆ける者の苦難を経験。以後、テーマをコミュニケーション全般に転じ、コミュニケーションスクールTALK&トークを主宰したが、苦労が20年間続く。
この間、研究と経験を地道に積み重ね、それを基に2009年『誰とでも15分以上 会話がとぎれない! 話し方66のルール』(すばる舎)を発刊。シリーズ120万部を突破。以後、著書は18冊を数える。
現在も大阪、東京、リモートでコミュニケーション講座を開催。「習ったその日にうまくなる」をテーマに、雑談力、スピーチ力、説明力UPの講座を開き、全国から生徒が絶えない。
公式YouTubeチャンネルでは定期的にライブ放送を開いている。

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