本記事は、野口敏氏の著書『2度目の会話が続きません』(サンクチュアリ出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

印象
(画像=Delphotostock/stock.adobe.com)

相手の印象に残りたい!

聞いた話を次までに実践してみる

「実際にやってみた」が、いちばん伝わる

「相手が話してくれたことを覚えておくことの、さらに先のステップがあります。それは、実践です。

たとえば、「うちの新商品が来週からスーパーの店頭に並ぶんですよ。その兼ね合いで、来週から大忙しで」と聞いていたら、そのあとスーパーにその商品を見に行きます。

ディスプレイの様子や売れ行きを確認し、ひとつ購入して使ってみるのです。

「新商品、買いました。いいところに並べてありまして、私以外にも買っている人を見ましたよ」「こんなことをされたら、どうでしょうか? 自分の話を覚えていてくれて、しかもわざわざ売場まで足を運んでくれたのかと、相手は感激するでしょう。

人は、こういうところに熱いものを感じるものです。

情報だけではなく、足とその目で話題をつくることができれば、相手の印象は大きく変わります。

相手に関連することはチェックしておく

またもうひとつ、新聞やネット記事など、日常のなかでも相手の仕事に関係するものをチェックしていくのもおすすめです。

次に会うときの話題にできますし、そのようにしてなんでも「我がこと」として情報に接していくことで、情報が腐らず、生きた知識として身についていきます。

【○】相手の仕事に関係あることを日常的に気にしておく

自分 (この記事、〇〇さんに関係あるな)

相手のことを心に留めておくと、自然と情報が目に入るようになるはずです

自分 ネットの記事で御社の業界の話が出ていました。〇〇さんとお知り合いになったので、興味を持って見ておりました。御社の業界も環境コンプライアンスって関係あるんですね

相手 そうなんですよ。よくご存じですね

自分 〇〇さんと知り合いになって、興味がわいたんです

相手に興味があることが伝わるキラーフレーズ


相手 うちの新商品が来週からスーパーの店頭に並ぶんですよ。その兼ね合いで、来週から大忙しで

自分 それは楽しみですね!

(後日)

自分 新商品、買いました。いいところに並べてありまして、私以外にも買っている人を見ましたよ

POINT

「あなたの話で興味がわきました」は最強メッセージ

2度目で一気に距離を縮めたい

相手の「いいね!」を探す

シンプルだけど言われてうれしい言葉

2度目の会話で非常に強力な武器になるのは、あなたが1度目に会った相手に対する印象を伝えることです。

カンタンに言えば、相手に対する「この人はここがすばらしいな!」「いいな!」と思ったことを、次に会ったときに伝えるのです。

たとえば、「○○さんの説明は、短くてわかりやすいですね」と言ってもらえたら、とってもうれしいですよね。ごくシンプルでありながら、力強い言葉になります。

才能に気づく目を持つ

そのためには、1度目の会話で「この人は○○なところがすばらしいな」と気づく力が必要です。

これはつまり、あなたが人としての長所や魅力を見る目がどれだけあるかが大事になってきます。

別に、大げさなことでなくていいのです。

「メールの返事が早い」「内容がシンプルなのに心に残る」「雑談が上手で話に引き込まれる」といったことでも立派な才能ですし、「カフェなどで働く人に、やさしい」「私の話をよく覚えてくれている」といったところも人としての魅力になります。

実績など表面的なところをすごいですねと言うのではなく、その人の内面や具体的な行動について言及するのがコツです。

本人があたりまえにやっていることのなかに、目立たない才能が隠れていることは多いもの。そこに気づく目を養うことは、どんな仕事にも通ずるでしょう。

【○】相手のいいところを探しておく

(仕事が早くて、正確ですごい!)

(後輩、部下の話をするときはうれしそうで愛情を感じる……)

(もう名前で呼んでくれるなんて、人の名前を覚えるのが早いな)

人を観察すれば、その長所や才能にたくさん気づけるはずです

【○】相手のいいところを話題にする

(この人の報告書、すごくよかったな)

1度目で相手のいいところを見つけておく

〇〇さんの報告書は、結論がわかりやすくて頭の悪い私でも、内容がスムーズに理解できましたよ

2度目に話題にすれば、一気に距離が縮まります

POINT

その人が何気なくやっている「いいね!」に注目

2度目の会話が続きません
野口敏
1959年生まれ。㈱グッドコミュニケーション代表取締役。関西大学経済学部卒。
1989年に男性にコミュニケーションを教える花婿講座を日本で最初に開講。マスコミから200社以上取材を受けるも、「男が結婚のために勉強するなど情けない」と世の中から猛バッシングを受け、時代を先駆ける者の苦難を経験。以後、テーマをコミュニケーション全般に転じ、コミュニケーションスクールTALK&トークを主宰したが、苦労が20年間続く。
この間、研究と経験を地道に積み重ね、それを基に2009年『誰とでも15分以上 会話がとぎれない! 話し方66のルール』(すばる舎)を発刊。シリーズ120万部を突破。以後、著書は18冊を数える。
現在も大阪、東京、リモートでコミュニケーション講座を開催。「習ったその日にうまくなる」をテーマに、雑談力、スピーチ力、説明力UPの講座を開き、全国から生徒が絶えない。
公式YouTubeチャンネルでは定期的にライブ放送を開いている。

※画像をクリックするとAmazonに飛びます
ZUU online library
(※画像をクリックするとZUU online libraryに飛びます)