本記事は、野口敏氏の著書『2度目の会話が続きません』(サンクチュアリ出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

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(画像=Drobot Dean/stock.adobe.com)

話題に困ってます!

質問ではなく少し自分語りをしてみる

やみくもな質問は逆効果!

2度目の会話が続かない……その原因の多くは、「話題に困る」ではないでしょうか。お互いに共通の趣味でもあればいいでしょうが、それもわからない段階では、やみくもに質問をしがちです。

たとえば、「部活は何をされていたんですか?」と聞いて、「帰宅部です」と言われたらどう返しますか? なかなか難しいですよね。

また、「テニスです」と返ってきた場合でも、「硬式ですか? 軟式ですか?」→「軟式です」。「何年くらいやられてたんですか?」→「3年です」。「3年……えっと……(何を聞こう……」と、このように意図もなく質問を繰り返すと、会話というよりは面接のようです。

「会話は相手にしてもらいましょう」とよく言われますが、かといってなんとなく質問をしてしまうと、盛り上がらない場合も多いのです。

自分の話からはじめよう

では、どうしたらいいでしょうか?

それは、まず自分から話すということです。たしかに相手の話を聞くのは大切なことです。

でも、「相手の好きな話」を引き出すために必要なのが、あなたの話なのです。少しだけ自分語りをして、相手も話しやすい雰囲気をつくることが2度目の会話のコツになります。

たとえば、「最近あった話」をしたいのなら、「自分から最近あった話」をしてみてください。あくまで「引き出すため」なので、話しすぎないことには注意です。例を見てみましょう。

【×】相手への質問からはじめる

最近いいことありましたか?

えっと……
(いいことってどのレベルのことだろう……)

抽象的なことを急に聞かれてとっさに出てくる人はまずいません


部活は何をされていたんですか?

野球部です

情報の会話はすぐに終わってしまいます

【○】自分の話からはじめる

最近ついてなくて、私にあったいいことと言ったら、会社のエレベーターに乗って20階からノンストップで1階まで降りたことぐらいですよ

話題のレベルを見せると答えやすいです


〇〇さんは、最近いいことありましたか?

自分の話ではじめてから質問しましょう


私にもいいこと少ないですが、その程度でよければ……LINEに反応がなかった友人から、1カ月ぶりに返事があったことぐらいでしょうか

自然とお互いの話になっていくはずです

POINT

「自分語り」で話を引き出す

自分のことを話すのって苦手!

ごく日常の、ありのままのエピソードを語る

相手は、判断材料を探している

さて、2度目の会話では「自分のことをちょっと話すことからはじめましょう」とお伝えしました。

口では、どんなことを話せばいいのでしょうか? そのさじ加減について見ていきましょう。

そもそも、会話で相手があなたについて知りたいことはなんでしょうか?

それは、「あなたがどんな人であるのか」という印象の判断材料がほしいということです。もっと言えば、「心を許してもいい人なのか」「ストレスなく付き合える人なのか」という判断をしたいのです。

だから、お話の内容が親しみの持てるものや共感できるものであれば、それが安心材料となって「あの人は大丈夫」「付き合いを深めよう」と感じてもらえるというわけです。

情報ではなくエピソードを伝えよう

とはいえ、「私は信用のできる人です」とか、「まじめな人間です」と言っても、それはなかなか伝わりません。

また、「○○会社に勤めています」「○○に関しての知識には自信があります」というのも、ただの肩書きに過ぎず、あなたを人として判断する材料にはなりづらいのです。

人が判断材料にするのは、あなたがふだんどんなことをして、どんなことを話し、どんなことを感じながら暮らしているのか? そんなことなのです。

たとえば、

「ランチはコンビニ弁当が多いのですが、人気のビーフハンバーグ弁当が残っていた日は天国です」

「グループLINEにみんなが書き込みをして、自分も続きたいのですが、いつもそのスピードに乗れないでいます」

「朝起きたときに今日は何曜日かわかるまで数分かかります。まだ火曜日だと悲しいです」

つまり、あなたの日常のエピソードですね。

素直でありのままのあなたが伝わってくると、人はあなたに親しみを感じます。

こういう話題をたくさん見つけられるようになると、2度目の会話に苦労することはありません。

POINT

日常のエピソードが、相手にとっては大切な判断材料になる

2度目の会話が続きません
野口敏
1959年生まれ。㈱グッドコミュニケーション代表取締役。関西大学経済学部卒。
1989年に男性にコミュニケーションを教える花婿講座を日本で最初に開講。マスコミから200社以上取材を受けるも、「男が結婚のために勉強するなど情けない」と世の中から猛バッシングを受け、時代を先駆ける者の苦難を経験。以後、テーマをコミュニケーション全般に転じ、コミュニケーションスクールTALK&トークを主宰したが、苦労が20年間続く。
この間、研究と経験を地道に積み重ね、それを基に2009年『誰とでも15分以上 会話がとぎれない! 話し方66のルール』(すばる舎)を発刊。シリーズ120万部を突破。以後、著書は18冊を数える。
現在も大阪、東京、リモートでコミュニケーション講座を開催。「習ったその日にうまくなる」をテーマに、雑談力、スピーチ力、説明力UPの講座を開き、全国から生徒が絶えない。
公式YouTubeチャンネルでは定期的にライブ放送を開いている。

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