本記事は、理央周氏の著書『なぜ、サボる人ほど成果があがるのか?』(日本実業出版社)の中から一部を抜粋・編集しています。

ビジネス
(画像=FAMILY STOCK/stock.adobe.com)

時間まで確実に指定する

× タイパの低い人
「14日中にお願いします」

○ タイパの高い人
「14日14:00までにお願いします」

期日のある仕事を依頼するときには、日にちはもちろん時間もはっきり示しましょう。相手が、自分と同じ時間感覚や優先順位で動いているとはかぎらないからです。

私がメーカーで勤務していたとき、広告代理店さんに「広告のデザイン案を14日中にお願いします」と伝えました。ところが「14日の夕方」になっても連絡がありません。私は〝14日中〞を自社の終業時間の17時ごろまでと思っていましたが、相手には深夜まで仕事をする習慣があり、「14日の28時(15日の午前4時)に送ればOK」と思っていたのです。「14日の16:00までにお願いします」と、具体的に期限を示すようにすればこうした感覚のズレがあったとしてもムダに待つこともなくなります。

油断してはいけないのが、やりとりが複数回にわたったときに、「以前確認したので、今日中に送ってくれるはずだ」と勝手に期待して仕事を進めてしまうケースです。こうした場面でも、「本日の16時までにお願いします」などと、最後の念押しをすると確実です。くわえて、「◯◯する必要がありますので」「この案件は重要で関係者が多いので、早めに進行したくて」などと、背景にある理由や重要度を伝えると、その日に必要だと認識してもらえます。

仕事を依頼する初期の段階で、全体の進行スケジュールなどを確実に伝え、節目で念押しをすれば、時間と労力のロスを防ぐことができるのです。

共通認識を持てばズレがなくなる

× タイパの低い人
アウトプットを相手に丸投げする

○ タイパの高い人
アウトプットのイメージをすり合わせる

仕事を任せるときには、相手に自分がやりたい方向性を伝えて、共通認識を持つことが欠かせません。これをしておかないと、「できあがりがイメージと全然違う!」ということになりがちです。

私がマーケティングマネジャーだったとき、新しいサービスの市場導入キャンペーンを、部下に任せたところ、「広告代理店さんから、いいデザインがあがってこなくて。あの人、あまりうまくないですよね」と言ってきたことがありました。それもそのはず、彼から広告代理店には「かっこいい感じにしてください」と抽象的であいまいにしか頼んでいなかったのです。これではこちらの意図が反映されたデザインがあがってくるわけがありません。

広告や設計、新製品のアイディア出しなどの抽象的なアイディアを具体化していく仕事では、「書いたもの」をつくることが効果的です。

たとえば、広告キャンペーンをつくるときに、誰に伝えたいか、なにを伝えるべきか、広告の目標を明記した「クリエイティブブリーフ」をつくり広告代理店との打合せで使います。

とくに他社や他部署に仕事を依頼するときには、アウトプットしたいイメージをできるだけ具体的にすり合わせ、共通認識をつくるようにしましょう。

なぜ、サボる人ほど成果があがるのか?
理央周
マーケティングアイズ株式会社代表取締役/関西学院大学専門職大学院経営戦略研究科教授。本名:児玉洋典。1962年生まれ。静岡大学人文学部経済学科卒業。
大手自動車部品メーカー、フィリップモリスなどを経て、米国インディアナ大学にてMBA取得。アマゾン、マスターカードなどで、マーケティング・マネジャーを歴任。2010年に起業し翌年法人化。収益を好転させる中堅企業向けコンサルティングと、従業員をお客様目線に変える社員研修、経営講座を提供。『売れない問題 解決の公式』『「なぜか売れる」の公式』(ともに日本経済新聞出版社)、『仕事の速い人が絶対やらない時間の使い方』(日本実業出版社)など著書多数。

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