Closeup Benjamin Franklin face on USD banknote
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この連載の目的は、金融市場での重要イベントの解釈と金融商品の動きをわかりやすく解説することです。市場の動きを左右する重要なイベントとは? 市場はイベントをどのように解釈するのか? そして、いかに反応したか? みなさんの投資に役立つマーケット分析のスケッチになれば幸いです(ロン横浜)。


植田和男日銀総裁就任後初となる日銀金融政策決定会合が2023年4月27日から28日に開催された。総裁の変更で金融政策を変えるとの見方もあったが、現行の金融政策を据え置いた。注目の長短金利操作(イールドカーブコントロール:YCC)も、長期債利回りの目標0%、許容変動幅上限0.5%を維持した。「展望レポート」では2023年度のコア消費者物価指数(CPI)を1.6%から1.8%に引き上げ、2024年度を1.8%から2.0%に引き上げた。金融緩和の出口が迫ってきた印象だが、市場は円安、株高のリスクオン好反応となった。なぜだろう?

政策据え置きも2点の重要な変更

4月の金融政策決定会合では「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の基本政策は据え置いたが、フォワードガイダンス廃止と長期金融緩和のレビューをするという大きな2点の変更があった。全体としては金融緩和の方向ではあるが慎重にゆっくりすすめていくという意図が伝わる内容だった。