世界最大規模のアニメショップ「アニメイト池袋本店」のリニューアルオープンで池袋の注目度が高まっています。自治体の豊島区も「文化創造都市宣言」を表明しており、文化発展のためにさまざまな計画を進めています。オタク集結で需要の拡大が見込まれる池袋でのワンルームマンション投資について考えます。

池袋は秋葉原・中野と並ぶ3大オタクエリアの一角

「文化創造都市宣言」で注目の池袋、オタク集結でワンルームマンション投資に妙味
(画像=picturecells/stock.adobe.com)

池袋は近年アニメショップやカルチャー系の店が次々に出店し、秋葉原・中野と並ぶ3大オタクエリアの一角として知られています。とくに2023年3月16日、池袋東口に「アニメイト池袋本店」がリニューアルオープンして、世界最大級のアニメショップになったことで、池袋の注目度が高まりました。

アニメイトの前にある中池袋公園には、アニメのキャラクターなどに変装したコスプレイヤーと呼ばれる若者の姿が見られます。中池袋公園ではさまざまなイベントも開催されており、今では推し活(アイドルやアニメキャラなどを応援すること)をするオタクが集結するエリアになっています。

また、池袋東口の「サンシャイン60」に面して乙女ロードと呼ばれる通りがあり、アニメオタク女子が訪れる店が軒を連ねています。乙女ロードにアニメオタク女子が集まるようになったことで、今ではオタク男子は秋葉原、オタク女子は池袋と、マニアの棲み分けができているようです。

豊島区が「文化創造都市宣言」でオタクを支援

自治体も文化の支援に力を入れています。豊島区は2005年9月22日に「文化創造都市宣言」を発出し、現在もその推進のために様々な計画・事業を行っています。

そのなかでも中心的な事業になったのが旧豊島区庁舎と豊島公会堂跡地の再開発事業でした。豊島区が掲げた「国際・アートカルチャー都市構想」のシンボル事業で、隣接する豊島区民センターや中池袋公園を含めて一体的な街づくりを行いました。その結果、建設されたのが次に紹介する「Hareza池袋」です。

また、オタクを支援する事業も行っています。豊島区が共催という形で毎年行っている「池袋ハロウィンコスプレフェス」が代表的なイベントです。池ハロとも呼ばれるこのイベントは、池袋を舞台に活動しているコスプレイヤーやカメラマンが参加する日本最大級のコスプレイベントとして定着しています。

このように豊島区が関わっている文化支援事業は枚挙にいとまがないほどです。文化というテーマでこれほど一体化した街づくりを行う例は珍しく、今後も池袋エリアの伸びしろに期待できそうです。

池袋周辺で注目の文化・商業施設

池袋周辺には文化創造都市に相応しく、多くの文化施設やカルチャー系のショップが点在しています。南長崎三丁目も含めて、代表的な文化・商業施設を紹介しましょう。

Hareza池袋

池袋東口にある「Hareza池袋」は、中池袋公園の前に立地し、8つの劇場(コンサートホール、映画館、ライブ会場、多目的ホールなど)を擁する話題の大型商業施設です。3つの棟をペデストリアンデッキで結ぶ建物構造になっており、多目的なエンターテイメントを楽しむことができます。

「Hareza池袋」の開発コンセプトは「誰もが主役になれる劇場都市」です。計画を推進した豊島区の文化創造都市への本気度を感じる施設といえます。

東京芸術劇場

池袋を代表する文化施設として昔から知られているのが東京芸術劇場です。池袋駅西口徒歩2分の好立地にあり、4つのホールで構成されています。大ホールは世界最大級のパイプオルガンを有する、クラシック公演専用のコンサートホールです。

他に演劇・舞踊などの公演を行うプレイハウスと2つの小ホールがあります。コンサート・演劇の発展を担う施設として今後も活用が期待されます。

オタク系ショップ

池袋にはアニメやアイドルに関するグッズを販売するショップが数多く出店しています。リニューアルオープンした「アニメイト池袋本店」の他に、韓国系アイドル、ジャニーズ、アニメグッズなどのショップを池袋に多店舗展開している「K-BOOKS」、中野に本拠地を置くオタク系ショップの老舗「まんだらけ」、キャラクターグッズが充実している「らしんばん」などがあります。

これらの店をひととおり回ればほとんどのグッズが揃いそうな充実ぶりです。

トキワ荘ミュージアム

池袋から少し離れますが、同じ豊島区の南長崎三丁目に「トキワ荘ミュージアム」があります。南長崎花咲公園内にオープンしたこの施設は、昭和30年代に手塚治虫、藤子不二雄、石森章太郎などの有名漫画家が住んでいたアパートを復元した施設です。館内では漫画家たちに関する常設展示の他、年3回程度企画展も行われる予定です。

当時を知る中高年には懐かしく、若い世代には少年漫画月刊誌全盛期の一面を知ることができる施設といえます。企画展以外は入場料が無料なので気軽に訪れることができるのも魅力です。

トキワ荘通り昭和レトロ館(豊島区立昭和歴史文化記念館)

トキワ荘ミュージアムに近い場所に開設した区立の文化施設です。昭和の暮らしがわかる展示や、豊島区の昔懐かしい街並みを再現したジオラマなどが展示されている他、昭和をテーマにしたイベントも開催しています。入館料は無料ですが、1階にあるマンガピットを利用する場合は有料です。

池袋東口が最先端の街並みに再開発されたのに対し、南長崎三丁目はトキワ荘通りとして昭和レトロをテーマにした街づくりを行っている点で注目されます。

池袋周辺の家賃相場は?

池袋周辺の家賃相場はいくらくらいなのでしょうか。SUUMOの調べによると池袋のワンルームマンションの平均賃料は7.3万円となっています。渋谷の10.8万円、新宿の8.1万円と比べて安い水準にあります。

オタクや芸術家を志す人たちは概ね若い世代が多いので、ワンルームの家賃があまり高いと需要を取り込むのが難しくなります。7.3万円という家賃はぎりぎり許容範囲の水準といえるでしょう。もちろん平均ですので、駅近であればもっと高くなり、駅から遠ければ7万円以下で住める場所もあるはずです。

また、池袋から少し離れた西武池袋線の椎名町になると平均賃料が6.7万円と7万円を切る家賃で住むことができます。東武東上線の北池袋も平均賃料が6.8万円と同じような水準なので、池袋の物件価格があまり高いようであれば、周辺駅の物件に目を向けてみるのも1つの方法です。物件価格からシミュレーションして単身者の需要を取り込みやすい家賃に設定する戦略をとるのもよいでしょう。

ワンルームマンションの需要拡大に期待

池袋での不動産投資を考える場合、文化創造都市というコンセプトに合わせて入居者ターゲットを絞ると、ファミリー向けよりもワンルームマンションのほうが、需要が期待できそうです。

同じ繁華街でも渋谷や新宿に比べて家賃が安く、オタクやコスプレイヤーの中心である若い世代でも住める水準にあるのもメリットと考えられます。加えて池袋駅がターミナル駅であることから、会社員や学生の需要も取り込めるでしょう。

ただし、豊島区が発出した「文化創造都市宣言」は池袋に限定したものではなく、広く豊島区全体を対象にしています。池袋駅周辺は物件価格が高く予算に合わない場合は、周辺の私鉄沿線駅の物件を選択肢に入れるのもよいでしょう。

マンション経営をとおして、オタクや芸術家たちを支援し、文化創造都市の発展に寄与するのも立派な社会貢献といえるのではないでしょうか。

※本記事は2023年4月12日現在の情報を基に構成しています。記事中の家賃は一例ですので、参考程度にお考えください。

(提供:Incomepress



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