リースバックは老後資金の準備に活用できる?仕組みやメリット・デメリットを解説
(画像=leszekglasner/stock.adobe.com)

近年、持ち家を活用して老後資金を準備する方法として「リースバック」が注目されています。ただし、仕組みを理解してから利用しないと、「こんなはずじゃなかった」と後悔することになりかねません。リースバックはリバースモーゲージと比較されることが多いため、両者の違いを理解しておくことも大切です。

本記事では、リースバックの仕組みやリバースモーゲージとの違い、メリット・デメリットを解説します。

リースバックとは?

リースバックは老後資金の準備に活用できる?仕組みやメリット・デメリットを解説
(画像=akoji/stock.adobe.com)

リースバックとは、持ち家を事業者に売却後、その事業者と賃貸借契約を締結して同じ家に住み続ける方法です。売主は、自宅の売却でまとまった資金が手に入ります。また、リースバック事業者に家賃を払うことで引き続き居住できるため、引っ越しも不要です。

リースバックは、「老後資金の確保」「相続前の不動産処分」など、住宅利活用の新たな選択肢として注目されています。

リースバックは増加傾向にある

リースバックは、持ち家比率の高い高齢者を中心に取引件数が増加しています。国土交通省の調査によると、リースバックの取引件数の推移は以下の通りです。

2016年2017年2018年
買取256件340件745件
仲介10件49件175件
合計266件389件920件

買取と仲介を合わせたリースバックの取引件数は、2016年から2018年にかけて3倍以上増加しています。一方で、リースバックはまだ認知度が低く、手続きが複雑であることから、理解が不十分なまま契約を締結してトラブルとなる事例も発生しています。

リースバックの仕組み

リースバックは老後資金の準備に活用できる?仕組みやメリット・デメリットを解説
(画像=insta_photos/stock.adobe.com)

リースバックは、不動産の「売買契約」と「賃貸借契約」が一体となっているのが特徴です。

売主は自宅を売却し、買主であるリースバック事業者から売買代金を一括で受け取ります。それに伴い、住宅の所有権はリースバック事業者に移転します。

その後、リースバック事業者と売主で賃貸借契約を締結します。事業者は買い取った住宅を売主に貸し出し、売主は毎月賃料を支払って住み続けることが可能です。

事業者は、売主が退去した後に買取再販などで住宅を処分します。買取再販とは、中古住宅を買い取り、リフォーム工事を実施した上で販売する事業形態のことです。

売主は自宅の売却で所有権を失いますが、家賃を払うことで今までと同じように住み続けられます。

リバースモーゲージとは何が違う?

リバースモーゲージも、自宅を活用した資金調達方法の1つです。リースバックは自宅を売却しますが、リバースモーゲージはローン商品であることに違いがあります。自宅を担保に資金を借り入れ、契約者が死亡したときに担保不動産を処分して借入金を返済する仕組みになっています。

一般的なローンは「元金+利息」を返済するため、老後生活では返済が困難となる恐れがあります。しかし、リバースモーゲージは利息のみを支払うので、毎月の返済額を抑えることが可能です。多くの場合、契約者が死亡しても配偶者が契約を引き継げます。

リバースモーゲージは毎月の返済は利息のみで、死亡時に自宅を売却してローンを返済するので、老後の生活資金を確保しやすいでしょう。

一方で、自宅の担保価値が下がった場合は、融資限度額が見直されるリスクがあります。また、一生返済が終わらず、変動金利のため金利が上昇して返済額が増えるかもしれません。

リースバックとリバースモーゲージは、老後資金の準備に利用できるのは同じですが、仕組みが異なるので「どちらがよい」とは言えません。それぞれの特徴を理解して、自分に合ったサービスを選択することが大切です。

リースバックのメリット

リースバックは老後資金の準備に活用できる?仕組みやメリット・デメリットを解説
(画像=Fabio/stock.adobe.com)

リースバックのメリットは以下の通りです。

自宅の売却でまとまった資金を得られる

リースバックは、自宅の売却でまとまった資金を調達できます。老後の生活資金はもちろん、順番待ちをしている老人ホームの入居一時金の支払いに充ててもいいでしょう。年齢が高くなるにつれてローンを借りるのは難しくなりますが、リースバックなら定年後でも利用可能です。

売却後も同じ家に住み続けられる

リースバックは、買主に家賃を払うことで売却後も同じ家に住み続けられます。自宅を売却しても仮住まいが不要で、今までと同じように生活できます。「自宅を売却して資金調達したいが、引っ越しはしたくない」という場合に向いているでしょう。

相続対策として活用できる

リースバックは、相続対策として活用することも可能です。相続人が複数いる場合、誰が自宅を相続するかで揉めるかもしれません。不動産は簡単に分割できないので、相続トラブルの原因になることがあります。

リースバックで自宅を売却して所有権を手放せば、相続財産の対象から外れるので、トラブル防止につながります。

持ち家特有のリスクがなくなる

リースバックで自宅を売却すると、持ち家特有のリスクがなくなるのもメリットです。持ち家は固定資産税がかかります。また、地震や火災、台風などで建物に被害が生じた場合、修繕費用は自分で負担しなくてはならない「災害リスク」もあります。

リースバックで自宅を売却した後は固定資産税の支払いはなくなり、災害リスクはリースバック事業者(買主)が負うことになります。

リースバックのデメリット

リースバックは老後資金の準備に活用できる?仕組みやメリット・デメリットを解説
(画像=Dilok/stock.adobe.com)

一方で、リースバックには以下のようなデメリットもあります。

家賃の支払いが必要

リースバックで自宅を売却した後は、毎月家賃を払わなくてはなりません。一生住み続ける予定の場合、家賃が家計を圧迫する恐れがあります。

リースバックを検討する際は、売却せずに住み続ける場合とリースバックで売却する場合でどちらが有利かを試算することが大切です。

自宅の所有権がなくなる

リースバックで持ち家を売却すると、自宅の所有権は買主に移転します。売却後は自分の家ではなくなるので、リフォームなどが自由にできなくなります。設備を交換したいときも、リースバック事業者に確認しなくてはなりません。

売却価格は相場より安い

リースバックでは、持ち家の売却価格は相場より安くなるのが一般的です。より多くの資金を準備したい場合は、通常の不動産取引のほうが高値で売却しやすいでしょう。仮に相場と同じ水準で売却できたとしても、その分家賃が高くなる可能性があります。

持ち家の査定価格や家賃相場を把握した上で、リースバックを利用するかを判断することが大切です。

ずっと同じ家に住み続けられるとは限らない

リースバックは、売却した自宅にずっと住み続けられるとは限りません。多くの場合、契約期間があらかじめ決まっている「定期借家契約」で賃貸借契約を締結するからです。

定期借家契約は契約更新がなく、契約期間が満了すると速やかに退去する必要があります。事業者と合意すれば契約更新できる可能性もありますが、住み続けられる保証はありません。

リースバックで長く住み続けたい場合は、借主が希望する限り住み続けられる「普通借家契約」が可能かを確認しておきましょう。

リースバックの利用方法

リースバックは老後資金の準備に活用できる?仕組みやメリット・デメリットを解説
(画像=fizkes/stock.adobe.com)

リースバックを利用する場合は、リースバック事業者に問い合わせて仮査定を受けます。売却価格や家賃などの目安が提示されるので、問題がなければ本査定を依頼しましょう。

物件の現地調査などが行われ、正式な契約条件が提示されたら、内容を確認して契約を締結します。売買代金の支払完了後、所有権が事業者に移転して賃貸が開始されます。

まとめ

リースバックは老後資金の準備に活用できる?仕組みやメリット・デメリットを解説
(画像=Mkorobsky/stock.adobe.com)

リースバックは、自宅を売却した後も家賃を払って同じ家に住み続けられるのが特徴です。老後資金の確保や相続対策として活用できる一方で、相場より売却価格は安く、家賃を払い続ける必要があります。契約後のトラブルも発生しているので、利用するかは慎重に判断しましょう。

(提供:Incomepress



【オススメ記事 Incomepress】
不動産投資にローンはどう活用する?支払いを楽にする借り方とは
お金の貯め方・殖やし方6ステップとは?ごまかさずに考えたいお金の話
日本人が苦手な借金。良い借金、悪い借金の違いとは?
あなたは大丈夫?なぜかお金が貯まらない人の習慣と対策
改めて認識しよう!都市としての東京圏のポテンシャル