1995年5月に設立された藤和コーポレーション株式会社は、不動産投資に関わる事業を幅広く展開している。投資用の新築賃貸マンション「b'CASA(ビーカーサ)」シリーズや築古アパートを再生・販売する「b'CASA re-born」シリーズでは、全室サウナ付きの賃貸マンションなど、アイディア満載の物件も注目を集めている。土地購入から工事、販売、管理までをワンストップで行うサービスやAIの導入など、他にない施策を導入する藤和コーポレーションで代表取締役を務める池野浩二氏に話を聞いた。
唯一無二のビジネスモデルを構築
――まずはご自身の経歴と事業内容を教えてください。
大学卒業後に株式会社リクルートに入社し、不動産情報誌の企画営業を担当していました。その後、生活情報誌の立ち上げに関わった後、不動産の企画会社と並行して、起業しました。藤和コーポレーションには元々、社外役員として関わっていたのですが、2021年3月に代表取締役に就任し、現在に至っています。
当社は不動産会社であり、建設会社でもあるというところを強みとしています。事業の柱が3つあり、1つは新築マンションを組成して投資家に販売する「b'CASA(ビーカーサ)」。2つ目は築古のアパートを減価償却+家賃収入を得る商品として富裕層に販売する「b'CASA re-born」です。3つ目は賃貸管理事業で、販売した「b’CASAシリーズ」と「b’CASA re-bornシリーズ」を自社で管理しています。
他にも老朽化マンションの建替えや不動産オークション事業など多角的に手掛けております。
――競合他社に比べて優位な特徴をご紹介ください。
強みはワンストップで取り組んでいることです。我々の事業は一般的にデベロッパーとゼネコンに分かれる商売ですが、当社では土地購入から設計、積算、施工、販売、管理に至るまで、一括して行います。そのため土地購入から売却までの期間を大幅に短縮することができます。
たとえば「b'CASA」シリーズは鉄骨造(S造)の5階建てマンションが中心ですが、特許方法を用いて基礎が終わってから完成まで3ヵ月です。一般的なデベロッパーさんであれば、半年以上はかかると思います。
また、物件案内用のCGやVR動画、パンフレットもすべて社内で作成し、物件の完成前に入居者の募集を行いますので、竣工までに部屋はすべて埋めることを目標としています。もちろんコストも社外に丸投げで発注する場合に比べて大幅に抑えることができます。
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――基幹事業のひとつ「b’CASA」シリーズの特徴を教えてください。
基本は鉄骨造(S造)5階建ての新築賃貸マンションで、それを1棟ごとに投資家の方々に販売しています。最近では「b’CASAコンセプトマンションシリーズ」と題しまして、全室サウナ付きのマンションや全室防音で屋上にドッグランやシャンプー台、ドライヤーなどを備えた、中型犬と一緒に暮らせるマンション、バイクガレージを備えたマンションも企画しています。
通常こういったものを作る場合、オプション仕様になるため膨大な金額がかかります。ですが、すべて社内の工事で手掛けることによって工期も短縮されますし、基本の工費の中でインクルードできるため、そのぶんリーズナブルな価格で提供することが可能です。
「b'CASA re-born」は築古アパートの販売事業ですが、木造アパートで築22年を超えたものは上物を4年間で減価償却できますので、我々はそういったアパートを探して購入し、メンテナンスをして販売しています。
マンションとアパートを合わせて2000戸ほどを管理しています。オーナーさんが物件を売却する際に利回りが上がるように賃料アップの工夫や空き部屋が出てもすぐに埋まるように当社の賃貸部が徹底管理をしています。
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――コンセプト型のマンションは、どのように商品化されているのでしょうか。
コンセプトや間取り、賃料を含めてすべて賃貸部に委ね、入念なマーケティングをしたうえで決めています。アバウトな決め方はしていません。地域のマーケティングをしながらニーズを探り、ピンポイントで狙っていくという方法で進めています。
たとえば中型犬を飼育できるマンションの場合、まずは近隣にどのような店舗が多いのかを調査しました。結果、動物病院が圧倒的に多いことが分かりましたので、ペットを飼っている方が多い地域だと推察できます。
そこでペット可のマンションがどれだけあるのか、さらには中型犬を飼えるマンションがどれだけあるのかを調べました。すると、ペット可のマンションはあっても、中型犬が飼える物件はゼロだったのです。ならば、中型犬と一緒に暮らせるマンションを建てれば部屋はすぐに埋まるのではないか、という発想です。
――コーポレートスローガンの「どこにもないがここにある」に込めた想い、また、「不動産+建設+金融+ITの融合」という言葉が示すものについて教えてください。
我々はブルーオーシャンの仕事しかやらないと決め、唯一無二の事業にのみ取り組んでいます。ワンストップでの商品化はまさにその象徴と言えるでしょう。また、不動産や建築は“横のつながり”を全く持たないビジネスモデルだというのを昔から痛感しています。当社は不動産だけをやる、建築だけをやるということではなく、不動産と建築に重要度の高い金融、そして今の時代に必要なITを掛け合わせながら、新しいビジネスモデルの創造や商品作りをしています。
――元プロレスラーの長州力さんとアンバサダー契約を結んだと伺いました。
今年の5月1日付でアンバサダーに就任していただきました。今後、物件の看板や横断幕、社員の名刺にも長州力さんのビジュアルが入ります。プロレスラーとして長年にわたって活躍し、現在はタレントとしても人気のある長州力さんと契約することで会社の姿勢がわかってもらえると考えています。また、非常に真っすぐでごまかしや嘘を言わないタイプの方なので、そういうイメージが当社の商品に最適だと考え、アンバサダーをお願いすることになりました。
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効率的な資金調達でより良い物件を提供
――今回、ソーシャルレンディング実施を決めた理由を教えてください。
不動産を仕入れて売却する事業を行うためには、資金が豊富にあるに越したことはありません。特に不動産の場合、いい物件は売りに出されたらすぐに買い手がつきます。手元の資金だけでは購入できず、金融機関に融資を打診し、結果が出るのを待っていたのでは、理想的な物件を手にすることはできません。ソーシャルレンディングはそのギャップを埋めるために適した手段だと考えました。
――対象となるプロジェクトや資金使途、どのような成果を期待しているのかについてご説明ください。
使途としては、良い物件を早く押さえるための資金として活用したいと考えています。お客さまに良質な商品をご提供できるというのが最も大きな成果だと思います。
――今後の事業構想、目指すべき事業ビジョンについて教えてください。
当社の柱となっている3つの事業で商品の数を増やしていくというのが当面の目標となります。今期は売上100億円を目指していますが、来期は200億円に到達できるようなビジネススキームを組んでいます。100億円を達成できれば、300億円まではそれほど時間をかけずに到達できるはずです。
それを、利益重視で進めていきます。当社は売上よりも利益を上げることに重きを置いています。利益を出さずに売上だけが増えるのは会社にとっても社員にとってもプラスにはなりません。
今後も、当社にしかできないことをどんどん手掛けていきたいと考えています。二番手、三番手になるつもりはありません。